初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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今年は欲しいゲームが沢山出るので最近またバイト三昧な日々に明け暮れている作者です。


悪虐皇帝と最強問題児

杏たちと久々の昼食を共にした日の放課後、遂に向こうから俺にコンタクトを図ってきた。相手は無論あの杉並である。

 

 

俺の下駄箱の中に無造作に折り畳まれた紙が有ったのを見つけ中を見るとただ一言書かれていた。その内容というのが。

 

 

『明日の早朝屋上にて待つ 杉並』

 

 

というものであった、この手紙を見て思わずほくそ笑んでしまったのは無理は無いだろう。俺の第一目標は非公式新聞部への入部だ。少なくとも杉並は俺よりも非公式新聞部に近い位置にいる人物だ、この誘いに乗らない訳にはいかない。

 

 

俺は手紙を懐に仕舞うとそのまま校舎を後にした。

 

 

そして迎えた当日の早朝、明確な時刻が記されていなかったので朝一番のバスに乗り学園に向かった。茜と杏にはメールで先に行くと伝えておいた。流石に返事は無かったがな。

 

 

バスから降り、何時もの通学路を歩く。早朝であるわけか空気が普段より澄み切っているように感じた。偶には早起きもしてみるものだな。そう思いつつ俺は学園へと急いだ。

 

 

数分歩くと見慣れた校舎が見えてきた、しかし、普段は開いている校門も今は閉じている。まあ、あと数分で門は開けられるだろうがもう杉並は来ている頃だろう。なら俺も急がねばならない。

 

 

俺は人目のつかない場所まで来ると周囲を確認し素早く壁をよじ登る、壁をよじ登っただけで既に息切れを起こしている。相変わらず全く体力が付かないな。

 

 

いや、厳密に言えば体力は付いている。しかし、それはとても微々たるものであって決して増えていないわけではないんだ。結果も数字で出ている。

 

 

具体的に挙げるならば1500m走が以前は完走できなかったが今では完走できるようになった。平均より大分遅いが完走はできるのだ。

 

 

なので成長は実感するが微々たるものなのだ、前もそうだったがどうして俺は体力に恵まれないのだろうか。もう何かの呪いなのではないかと思う。

 

 

話が逸れた、いくら校門が開いていなくとも生徒会メンバーが見回りしている可能性がある。体力測定は明日なのだから見回りの強化をしていてもおかしくない。

 

 

生徒会副会長である宮下先輩は見た目とは裏腹に油断ならない人物だ、その上高坂まゆきと朝倉音姫も控えている。俺は細心の注意を払いながら屋上を目指した。

 

 

道中予測通り生徒会所属の生徒や風紀委員の生徒が数人見回りをしていた。その中には高坂先輩の姿もあった。流石に用心深いと素直に感心させられた。高坂先輩の獲物を探すかの様なキツイ目つきは無視しよう。

 

 

少し遠くの方から聞こえてくる門を開ける音を聞きながら俺はようやく屋上に辿り着いた。中々に時間を食ってしまったがまだ居るだろうか、そう思いつつゆっくりと屋上の扉を開ける。

 

 

開けた先にはだだっ広い屋上に人っ子一人いなかった。帰ったか?と一瞬考えたが。

 

 

「上か?」

 

 

ふと視線を上に向けて辺りを見渡す、すると。

 

 

「むっ。」

 

 

「フッフッフッ、よく来たな。」

 

 

衣替えをしたにも関わらず春服の制服を着こみ、腕には何らかの腕章を付け、俺が言うのも何だか何処か胡散臭そうな雰囲気を醸し出している男子生徒が俺を見下ろしていた。成る程こいつが。

 

 

「お前が杉並か、一応初めましてと言っておこうか。」

 

 

「ああ、初めましてだな。同志よ。」

 

 

ようやく会えた人物だ回りくどいことは無しにして本題から行かせてもらおうか。

 

 

「杉並、単刀直入に言わせてもらおう。非公式新聞部への入部を希望する。」

 

 

「ほう、やはりそうか。」

 

 

そう言いながら杉並は高台から飛び降りると俺の隣え着地する。杉並の言いぶんからすると俺の目的も察していた様だ。

 

 

「わかっているならば話は早いな、どうしたら入部できる?お前は既に部員なのだろう?」

 

 

「いや、俺もまだ非公式新聞部のメンバーではないのだ。」

 

 

「んっ、そうだったのか?」

 

 

思わず間の抜けた言葉で返してしまったが、改めて考えるとこの風見学園が創設してから存在する部活だ。下手をすればどの部活より長い歴史を誇る部活だ。

 

 

非公式の部活であるが入部条件は厳しいのだろう。

 

 

「同志ルルーシュよ。先方もルルーシュの能力を高く評価しているみたいでな。そこで俺から提案だ。」

 

 

「提案?」

 

 

「ああ、非公式新聞部への入部方法はただ一つ。非公式新聞部からの課題をクリアすること。その課題が後日に控えた体力測定で行われるトトカルチョの仕切りと体力測定で何らかの催しを行う、だ。」

 

 

ここまで言われれば先程の提案の意味がわかる。

 

 

「成る程、お互いの利害は一致しているな・・・。良いだろう共同戦線といこうか杉並」

 

 

そう言いながら俺は杉並に手を差し出す、それを見た杉並も。

 

 

「交渉成立だな同志よ」

 

 

その手を掴み俺たちは握手を交わした、生徒会の人物が見れば最悪の同盟が成立してしまったと言えるだろう。

 

 

しかし、そんなことは俺たちには関係ない。

 

 

「これから楽しくなりそうだな」

 

 

「フフフッ、それはこちらも同じだ」

 

 

その後俺たちは今後のことを少し話した、学園内では生徒会の目があるためおおっぴらに会えない為放課後に集まり夜に細工などは夜に行うことになった。

 

 

杉並か、これから長い付き合いになりそうだ。




もうそろそろto youが終わります。けれど本編まではまだまだかかりそうです。

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