初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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To you 雪月花
悪虐皇帝と生徒会


風見学園に入学して新しい環境に慣れ始めた頃、俺はある調査を進めていた。

 

 

近々スポーツテストが行われる為か校内はその話題がちらほら聞こえてくる。俺もこの風見学園での生活に慣れたのでそろそろ事を起こそうと考えた。

 

 

そのイベントが先程言ったスポーツテストである。体育祭や文化祭と比べては小さなことであるがその二つのイベントの為のウォーミングアップにはなるだろう。

 

 

スポーツテストで事を起こすにあたり先に接触しておきたい集団がいる、この風見学園創設とほぼ同じ時期に結成された非公式の部活にも関わらず大規模な部活。

 

 

その名も非公式新聞部、部員から部長までが誰なのか部員の数も一切分かっていない全てが謎のベールに包まれている部活動だ。

 

 

代々、風見学園のイベント時には必ずと言っていいほど事を起こしているらしい。

 

 

しかし、一方ではきちんと非公式新聞部として新聞を発行はしているようだ。俺も拝見したことはあるが殆どがオカルト関係の記事ばかりだった。

 

 

調査を始めて数日、今は付属二年の生徒を中心に調査を進めている。本来ならば付属の三年から聞き込みを行いたかったんだが付属の三年には厄介な人物がいるため後回しにすることにしたのだ。

 

 

さて、そろそろ休み時間も終わりだ。廊下に出ている生徒も教室に戻り始めている中俺もその群衆に紛れて教室に戻ろうとしたその時だった。

 

 

「はーい、ストップ」

 

 

何者かが俺の肩を掴んだのだ、いや、声を聴いただけでその人物が誰か俺には直ぐにわかった。そろそろ接触してくる頃だとは思っていたからそこまで驚きはないが。

 

 

「なんでしょうか高坂先輩?」

 

 

振り返るとそこには俺の想像通りの人物がいた。高坂 まゆき【こうさか まゆき】青紫の髪色のショートヘアー獲物を狙うかのようなキリッとした目付きにようやく見つけた獲物を目の前に口元は鋭い笑みを浮かべていた。

 

 

生徒会に所属している人物で陸上部の将来のエースと期待されている人物でもある。それに中々優秀な人物でもあり将来有望な人材であると周囲から高い評価を得ている。

 

 

更にもう一人高坂まゆきに負けず劣らずの人物がいるのだが今は居ないので割愛しよう。

 

 

「なんでしょう?じゃないわよ。ルルーシュあんた最近非公式新聞部について調べるらしいじゃない」

 

 

「ええ、そうですが。それがなにか問題でもあるのでしょうか?」

 

 

「あるわよ!特にあんたみたいな要注意人物が問題児の巣窟である非公式新聞部と接触でもしてみなさいよ、面倒事が増えるだけじゃない」

 

 

流石にもう耳に入っているか。まあ、今更非公式新聞部の接触をやめるつもりはないがな。

 

 

「俺は何処にでもいる一般生徒にすぎませんよ?高坂先輩」

 

 

俺の言葉に高坂先輩は大きく溜息をつく。

 

 

「あんたの何処が一般生徒なのよ、あんたの悪名はあんたが入学する前からこの風見学園に知れ渡ってるのよ」

 

 

それについては俺も多少驚いた、見ず知らずの付属の先輩に話しかけられたことは何度もあった。

 

 

「そんなに大したことはしてはいなかったんですけどね、まさかここまで知られるのは驚きました」

 

 

「どの口が言ってるのよ、ちょっと小耳に挟んだだけでもあんたかなりやらかしてるじゃない。」

 

 

まあ、イベント事に何かしらやっていたからな。小学生のイベント事などは大したものでは無かったし教師陣の警戒も甘かったためか色々できて色々試すこともできた。

 

 

高学年以降は有意義な時間を過ごせたのは良い思い出だ。

 

 

「はぁ〜全く、イベントが多いのも考えものね。非公式新聞部やあんた達みたいなのがここに入学してくるんだし」

 

 

「あんた達と言うことはやはり二人のこともご存知の様ですね」

 

 

「当然でしょ?あんた達三人の悪名は特にね、あんたが悪童ルルーシュで、雪村が小悪魔、んで花咲が悪女で、三人合わせて悪鬼三人組。一体何やらしたらこんな悪名がつくのかしらね?」

 

 

「ご想像におまかせしますよ、まあ、愉快な事ですよ」

 

 

「あんた達にとってはでしょ?はぁ、弟君は兎も角としてあんたとあいつが組んだらどうなるかわかったもんじゃないわね」

 

 

高坂先輩がふと零した一言に俺は聞き逃さなかった。

 

 

(弟君は恐らくだが朝倉 音姫【あさくら おとめ】と幼少の頃から一緒だと噂の桜内 義之【さくらい よしゆき】だろう。だが、奴とは一体?)

 

 

生徒会の要注意人物のある程度の身辺調査は済ましている、そして今年の新入生のデータも一通り入手済み・・・いや、待て確か一人だけ名前以外なんの情報も得れなかった生徒が一人だけいた、まさかそいつか?

 

 

(確か名前は・・・)

 

 

ここまで来たところで俺の思考を遮るかの様に本鈴が鳴る。

 

 

「あっ、やば、戻んないと。ルルーシュ!なんか悪さしたらぬっ殺すから!」

 

 

高坂先輩はそう言って走り去って行った、俺もそれを見送った後教室へと戻った。

 

 

「杉並か・・・接触する必要があるな」

 

 

名前以外の事が一切わかっていない生徒の名を口にしながら。


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