一時は目立たなくなった政界と教団の関係、2000年代に活発化

 その後、1990年代後半は表立った政治との関係は控えられるように見えたが、2000年代に入ると再び顕在化する。

●2005年10月4日には、(山上容疑者が殺意を抱くきっかけとなったという)教団関連団体の「天宙平和連合」の行事に、すでに安倍氏が祝電を打っている。

●翌2006年5月の内閣官房長官時代にも、安倍氏は同団体のイベントに祝電を打った。これは全国12都市で連続して行われたもので、安倍氏はこのうち東京と広島の大会に2度の祝電を打っている。この他に祝電を送ったり来賓で招かれたりしたと指摘する国会議員、地方議員は以下の通り。

保岡興治、山谷えり子、小坂憲次、中川秀直、上田清司、村井嘉浩、岩下栄一、宮島大典、増原義剛、大野功統、木村義雄、福井照、山内俊夫、三木俊治、青山丘(国民新党)、大谷忠雄(新生党)、大村秀章、江崎鉄磨、長勢甚遠、鈴木政二、馳浩、野上浩太郎、高木毅、木村隆秀、丹羽秀樹、中曽根康弘、羽田孜(民主党)、高島修一、篠原孝(民主党)、下条みつ(民主党)、田中直紀、若林正俊、中曽根弘文、船田元、牧原秀樹、小宮山泰子(民主党)、西川公也、神風英男(民主党)、国井正幸、中野正志、今野隆吉、石川光次郎、今井榮喜、田名部匡省(民主党)、鈴木康友(民主党)、中本太衛、小林正(新生党)、小此木八郎、山際大志郎、笠浩史(民主党)、小林温、山口巌雄、酒井麻雄、中山義活(民主党)、平沢勝栄、松本文明、清水清一朗、樺山卓司

●2009年に自民党が下野すると、自民党議員が統一教会の関連団体で講演することが増える。関連する「世界平和連合」「世界平和女性連合」で稲田朋美氏が講演。安倍氏も「世界戦略総合研究所」の講演やシンポジウムに登壇。同研究所の定例会では、秋元司、義家弘介、山田宏、下村博文、中川秀直、衛藤晟一、石破茂、小田原潔などが講師を務めている。

●2013年には関連団体の「世界戦略総合研究所」の阿部正寿所長の著書の出版記念会に下村博文、中川秀直、上野通子、磯崎仁彦(現・官房副長官)らが出席。衛藤晟一、義家弘介、秋元司、大江康弘らが祝電を送った。この著書『安倍政権の強みがわかる 日本[精神]の力』には、以下のような記載がある。

「なんとか保守政権を樹立すべく私なりに努力してきた。そしてその中心人物は安倍晋三氏でなければならないと決めてきた。これは単に相応しい人物というより、天の摂理から見て安倍晋三氏であるべきだと感じたからである。(中略)簡単に言えば天が選んだ人物だということである」

●13年7月の参院選では安倍氏の地元山口から立候補した北村経夫の選挙支援が教団に要請されている。同年5月には当選した北村氏の著書『誇り高き国へ』の出版記念パーティーに「世界戦略総合研究所」の事務局次長の小林幸司氏が招かれ、のちに関係者は安倍首相主催の桜を見る会にも招待されているとされる。