この経緯は以前にも書いた。そして、その歴史についても、1954年に韓国で創設された統一教会の黎明期に、日本で密接な関係を築いたのが安倍氏の祖父の岸信介元首相だったことや、それも日本船舶振興会(現在の日本財団)の笹川良一氏を通じて支援するようになったこと、さらには1968年に笹川氏や教団の創始者の文鮮明が中心となって、韓国と日本で反共産主義の政治団体「国際勝共連合」を設立したこと、そこから今日に至るまでの自民党との関係について列記している。

(参考)「統一教会は反社的」自ら起こした訴訟でそう論じていた世耕参議院議員
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71020

世耕参議院自民党幹事長への反訴の中で示された、統一関係と関わりのある政治家の名前

 ただ、そこでは詳しく書かなかったが、実はこの反訴状には、近年の統一教会と関係のあった自民党議員の実名も多く記載され、その証拠も添付されている。内閣改造、党役員人事を前に、岸田首相は統一教会との関係を「点検」して、「適正な形に見直す」としているのだから、少しでもそのお役に立てるように、ここに名前の挙がっている議員をあらためて列記してみる。

 そこでやはり問題となるのは、霊感商法という言葉が定着した1985年以降だ。

●この時代、霊感商法によって売られたとされる壺や多宝塔などは、実は価値のあるもので、高額で買った人々は喜んでいるとする「霊石愛好会」の集会が国内各地で行われているが、ここに祝電を送ったとされるのが、福田赳夫元首相をはじめ以下の議員だ。

額賀福志郎、中山利生、福田宏一、中曽根弘文、山本富雄、尾身幸次、笹川堯など(一部否認している議員もいる)。

●福田赳夫元首相は1974年に、岸信介元首相が名誉実行委員長を務めた「希望の日晩餐会」で、当時の外相として「アジアに偉大なる指導者現る。その名を文鮮明という」などというスピーチを文鮮明の前で行っている。因みに、その孫にあたるのが先月29日の会見で、統一教会との関係を「正直に言う。何が問題か僕は分からない」と言い放った自民党の福田達夫総務会長だ。その日の夜になって福田氏は、慌てたように「社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題なのは言うまでもない」とするコメントを発表している。