『散り椿』(2018)
世にもつまらぬ時代劇。
よくこんな写真撮れるなぁ......。
役者の演技も、愛情表現も、
プロットも、すべて空々しい。
くそつまらぬ映画のお手本の
ような出来になっている作品。
これはひどい。
映画としても、物語としても
ひど過ぎる。
原作の良否については言及しな
い。
藤沢文学に影響を受けた作家の
作だが、藤沢作品の海坂藩と
同じく架空の藩を主舞台とする
作品群を書いた作者だ。
だが、原作の良し悪しは映画
作品には反映されない。
映画作品は映画作品として独立
している。
映像作品の良否を決めるのは、
すべて映画監督の手腕に依っ
ている。
この作、あまりにも空々しく、
物語としても映画としても、
全く以てつまらない。
主人公の妻が冒頭で死ぬ際も
一切心は動かされない。
絵空事の典型のような描写だ
からだ。
役者がそのようにやっている
からだけでなく、これは本が
ひどすぎる。また監督は何の
仕事をこの作でやったのか。
すべての結論は、この作に現れ
ている。やった事が素直に現れ
る。
「映像作品」は恐ろしい。
劇中、武士が二名、渓流釣りを
するシーンがある。
その場面のみ唯一良かった。
ただし、腰掛けてミャク釣りでも
何でもないまるで鮒釣りのような
仕儀の釣りの描写表現である事、
及びこの河川のこの渓相、植生と
水の色からして、この流域でニッ
コウイワナが現実に釣れるとは
考え難い。