聴すと書いてなんと読む?
数年前 TumblrというSNSで流れてきて知ったのですが、「ゆるす」と読むそうなんです。
さらに調べてみると、
聴には、この他によく知られている「聴く」きく の他に
「聴す」まかす という読み方・意味もありました。
「人事を尽くして天命を待つ」の出典は、中国の「読史官見」「人事を尽くして天命に聴す」(てんめいにまかす)からきてるそうです。
ゆるすはゆるすでも、
許可するの許すでもなく、
罪を赦すのゆるすでもなく、
聴すというのは、どういうことかなって
私なりに考えてみました。
ああしろ、こうしろと、こちらから指示やアドバイス、誘導、強制するのではなく、自分の固定観念や先入観を一旦脇に置いて、相手の立場や思いに虚心坦懐に耳を傾けて、聴く。
できるサポートはするけれど、最終的な決断は相手に聴(まか)せる。
そんなことなのかもしれないなぁと思いました。
あなたは誰かの話を聴ける人ですか?
大学時代に通っていた臨床心理学の研究施設の中で話題に上っていたんです。
以下 この岩波少年文庫の「モモ」p21からp24まで、抜粋・引用しますね
主人公の小さな女の子 モモ
”モモはみんなにとって、なくてはならない存在……モモのところには、入れかわりたちかわり、みんながたずねてきました。……
みんなはなにかことがあると、
「モモのところに行ってごらん! 」
と言うのです。
モモはものすごく頭がよくて、なにを相談されても、いい考えを教えてあげられたからでもない。なぐさめてほしい人に、心にしみる言葉を言ってあげられるからでもない。なにについても、賢明でただしい判断を下せたからでもない。人の心をほがらかにするようなところがあったのでもない。
小さなモモにできたこと、それはあいての話を聞くこと。
話を聞くなんて誰だってできるじゃないかって。
でもそれは間違いです。ほんとうに聞くことのできる人はめったにいないものです。そしてこのてんでモモは、それこそほかにはれいのないすばらしい才能をもっていたのです。
モモに話を聞いてもらっていると、ばかな人にもきゅうにまともな考えがうかんできます。どうしてよいかわからずに思いまよっていた人はきゅうにじぶんの意志がはっきりしてきます。ひっこみじあんの人には、きゅうに目の前がひらける勇気が出てきます。不幸な人、なやみのある人には、希望とあかるさがわいてきます。……
こういうふうにモモは人の話が聞けたのです! ”
優れたカウンセラーとは
瑞宝小綬章を叙勲された大学のゼミの恩師が、
「優れたカウンセラーと言うのは、このモモのように人の話を本当に「聴く」ことのできる人だ」とおっしゃっておられたのを、今から30年以上前のことですが、つい昨日のことのように思い出します。
私たちは、ついつい自分が聴きたいようにしか話を聞くことができなくて、相手の話を最後まで聞くことができなかったり、ねじ曲げて聞いてしまったりしてしまうことがあります。
しっかりとそのまま、まるごと受け止めて聞くことが苦手だったりします。
話してもらえたら、何かしら少しでも力になれるかもしれないのに、
「はなせない」と言われてしまったらお手上げだし…ということもあります。
なかなかいろんなことうまくいきませんよね。
でも、ああしろ、こうしろと、こちらから指示やアドバイス、誘導、強制するのではなく、モモのように、自分の固定観念や先入観を一旦脇に置いて、相手の立場や思いに虚心坦懐に耳を傾けて、聴く。
できるサポートはするけれど、最終的な決断は相手に聴(まか)せる。
そんなことができたら、ほんとにいいなと
心から、思います。
聴くということは誰にもできるし、1円もかからないことかもしれないけど、
すごく大切なことで、
人の悩みを解決し、人を癒して元気にすること
と思うからです。
今ゆるせない人がいるあなた、その人の話聴けてますか?
ゆるせない
そんな感情を持つと、人は心身ともに苦しくなるこがあります。
ゆるすということは、ゆるせない人のためにするのではなく、自分を楽にするためにすること
とも、ききました。
もし、そのゆるせないと思う人の話を、きちんと聴くことができて、その人の思いや気持ち、立場、事情を理解することができれば、
「ゆるせない」という心のトゲがすぽんと抜けることもあります。
参考記事
一見簡単なようで実は本当に難しくて、
でもその人の力を引き出し元気にさせるすごいこと。
「そんなことができる人はめったにいない」とモモにも書かれていましたが、
人の話をほんとうに聴くことのできる人
サウイフモノニワタシモナリタイ です。
(凡人の私にはなかなか大変ですけど)
今日のおまけ
つつじのエッセイを読んでみたいなと、思われた方に、です。
12本のエッセイがありますが、一番おすすめのものにはオススメ記事とつけています。
心療内科に通ってる方のみならず、
すべての方のために…。
重症筋無力症と言う難病闘病体験を経て、
たくさんの本や人から教えていただいた
「誰でもどこでもいつでも
お金をかけずにできるヘルスケア」
〜こころのチカラを活用し、
元気に幸せに生きるヒントをお伝えしたい。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー
南野原つつじがお届けしました(自己紹介)
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お忙しい中、最後まで読んでいただきありがとうございました
この記事は2021年5月の記事をスッキリと読みやすくコンパクトに編集したものです。