※本稿は修正中です。
記事のポイント
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Bluetoothコーデックとは音声圧縮方式!
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デバイス側の接続コーデックも確認できる!
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音質最強と低遅延最強は…これ!
コーデックとは“ロマン”である!
何だかややこしいBluetoothの『コーデック』ですが、それらを一挙にまとめてみました!『SBC』も『AAC』も…あれもこれも…スペックを見てみます!
目次
Bluetoothのコーデックとは?
まずは1つめのトピック、Bluetoothの『コーデック』とはです。
そもそも、このBluetoothにおける『コーデック』とは、音声を圧縮する方式の名前のことです。
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SBC
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AAC
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aptX
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aptX LL
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aptX HD
- aptX Adaptive
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LDAC
これらが代表的なコーデックです。
このコーデックの違いによって、圧縮率や音質、そして音の遅延具合が変わってきます。なので、Bluetoothイヤホンの音質の“キモ”になる部分と言えるでしょう。
各コーデックのスペック
コーデック名 | SBC | AAC | aptX | aptX Low Latency | aptX HD | aptX Adaptive | LDAC |
遅延 | 170〜270ms | 90〜150ms | 60〜80ms | 40ms未満 | 130ms前後 | 50〜80ms | 非公表 |
サンプリング周波数/量子ビット数 | 48kHz/16bit | 48kHz/16bit | 48kHz/16bit | 48kHz/16bit | 48kHz/24bit | 48kHz/24bit | 96kHz/24bit |
ハイレゾ対応 | - | - | - | - | ○ | ○ | ○ |
備考 | 標準コーデック | 主にiOSで採用 Android 8.0以降で標準対応 |
主にAndroidで採用 | aptXの低遅延版 | aptXのハイレゾ¹対応版 | 電波状況やデータに応じて転送ビットレートを可変 | Sonyが開発 3種類の音質モードに切り替え可能 |
各Bluetoothコーデックの遅延と特徴。
¹日本オーディオ協会のハイレゾ定義からは外れる。
こんな感じで、各Bluetoothコーデックの遅延と特徴をまとめてみました。なお、遅延は主にQualcommの資料を参考にしてまとめております。
遅延を気にする人なら、『aptX』が一番オススメかも!
各コーデックの音質比較
SBC < AAC < aptX < aptX HD < LDAC
各Bluetoothコーデックの音質を順に並べてみました。
SBCが一番音質が悪く、LDACが一番音質が良い、ということになります。当然、この音質比較には、イヤホンの質や音楽プレイヤーの質、楽曲そのものの録音環境の質は含みません。あくまで、Bluetoothコーデックとしての音質比較です。
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SBC:音楽視聴の“標準”コーデック
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AAC:圧縮率は同じで“高音質”なコーデック
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aptX:圧縮率少なめで“もっと高音質”なコーデック
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aptX HD:ハイレゾ対応の“超高音質”なコーデック
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LDAC:ハイレゾ対応の“神音質”なコーデック
って、感じやね!うんうん!
スマホ側のコーデックの確認方法
お次に2つめのトピック、接続されているコーデックの確認方法。
iPhoneでの確認方法
iPhone(iPad)は『SBC』と『AAC』のコーデックに対応していますが、iPhoneデフォルトの機能では、接続されているコーデックが何かを確認することはできません。
しかし、特定のBluetoothイヤホンを使っている場合のみ、iPhoneに接続されているBluetoothイヤホンのコーデックをアプリ(Sony『Headphones Connect』やAudio-Technica『Audio-Technica | Connect』など)で確認することができます。
Androidでの確認方法
Androidでは、『Android 8.0』以降なら、接続されているBluetoothコーデックを確認することができます。
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『設定』アプリを開く。
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開発者向けオプションを選択。
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Bluetoothオーディオコーデックを選択。
なお、開発者向けオプションは、『端末情報』内にあるビルド番号を7回連続でタップすれば表示されます。
Bluetoothイヤホンを選ぶ際の注意
最後に、Bluetoothのコーデックとは何かを理解できたところで、Bluetoothイヤホン/ヘッドホンを選ぶ際の注意点を紹介しておきます。
スマホとイヤホンの両方のコーデックを確認する
このBluetoothコーデックは、
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送信側:Bluetoothイヤホン
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受信側:スマホ・タブレット
の両方にあります。
なので、この両方の対応コーデックを確認する必要があります。
iPhoneはAAC・AndroidはaptX
まずは、iPhone(iPad)とAndroidスマホの対応状況を見てみます。
Bluetoothイヤホン | |||||
SBC | SBC AAC |
SBC aptX |
SBC AAC aptX |
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スマホ | iPhone | SBC | AAC | SBC | AAC |
Android | SBC | SBC | aptX | aptX |
iPhoneと一般的なAndroidのBluetoothコーデック対応表。
基本的には、上表の組み合わせで接続されると思ってもらえればOKです。
iPhone(iOS)は、『SBC』と『AAC』のBluetoothコーデックに対応しています。なので、BluetoothイヤホンがAAC対応なら優先してAAC接続に、SBCのみならSBC接続になります。これは簡単ですね。
Androidの場合は原則は上表のとおりですが、機種によってはAACに対応しているものもあります。また、Android 8.0以降は『SBC』・『AAC』・『aptX』・『aptX-HD』・『LDAC』のすべてが“標準対応”になりました。ただし、Android 8.0端末にすべてのコーデックが必ず入っているわけではないことは注意。
WALKMANはAAC&LDAC
Sony『WALKMAN』のBluetoothコーデック対応状況は、2019年現在で以下のとおりです。
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WM1シリーズ
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XZシリーズ
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Aシリーズ
- Sシリーズ
WALKMANを買うか迷っていて、ワイヤレスでの音質にもこだわりたいなら、Sシリーズ“以外”を選ぶのがオススメです。
そして、Bluetoothイヤホンも『LDAC』対応をものを選ぶのが、一番理想的と言えるでしょう。
音ゲーには不向き
最新のBluetoothコーデックがいくら低遅延と言われていても、最低40ms(0.04秒)ぐらいの遅延は発生します。
もちろん、Bluetoothの電波の状況は、そのときによってまちまち。なので、最悪途切れてしまうこともあります。なので、音ゲーは…正直言って、かなり厳しいですね。素直に、有線のイヤホンにしましょう。
総評「Bluetoothコーデックとは“ロマン”である」
こんな感じで、Bluetoothコーデックとは何かと、スマホでの確認方法、そして各スペックを見ていきました。
今回の内容を簡単にまとめてしまうと、
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『コーデック』とは音声圧縮の方式
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音質は『LDAC』が最強
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遅延の少なさは『aptX』が最強
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iPhone使いは『AAC』対応のイヤホンを買う
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Android使いは『aptX』対応のイヤホンを買う
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WALKMAN使いは『LDAC』対応のイヤホンを買う
という感じですね。
コーデックとは…ロマンだ!
おまけ
おわり
Source:Sony, PHILE WEB, 週刊アスキー