LAST-UPDATE : 2022/08/06

竹箒日記
New!Fes.(きのこ)(8/6)



2022/8/6 : Fes.(きのこ)
FGOFes.無事終了いたしました。
遅くなりましたが、応援してくれた『FGO』ユーザーの皆さん、
イベント実現のために奔走してくれたスタッフの皆さん、
ステージを盛り上げてくれたキャストの皆さん、
そして会場に訪れてくれた皆さん、
すべてに感謝を。ありがとうございました。

   ◇

・夏コミ 竹箒
こちらの見積もりの甘さから多くの方の気持ちを乱してしまいました。申し訳ありません。
できるかぎりの範囲で欲しい人に正しく行き渡るよう務めたいと思います。

で。内容なんですが、自分担当の『6章プロット本』について。
こちら、あくまでゲーム制作時に制作した資料をまとめたものです。こういった設計図を作ってからシナリオ本編を執筆するよ、というサンプルとしてお楽しみください。
自分の場合、プロットはいつものこれくらいの量になるので6章だけ特別というワケではありません。むしろ6章シナリオ本編に比べると今回のプロットは短めです。
FGOはキャラクター設定の方にそのキャラクターの顛末を書くので、プロットではサーヴァントたちの内情や結末などは省かれています。
そのあたり足すとページ数が酷い事になるので、そちらはいつか出るマテリアルに回させていただきました。

次に『型月稿本』について。
ちょっとしたテキスト資料が掲載されていますが、こちらも『ゲーム化する前に作った資料』となります。
ゲーム化、あるいは作品化する際、設定はより物語にあったものに調整されます。
とくにエルメロイ2世に資料は『ロード・エルメロイの事件簿』が始まる前に作られたもので、三田誠氏にはこの資料を渡して、数々の事件に飛び込んでもらった次第。
エルメロイ2世を主人公にする際、どこがどう調整されたか、気づける人は一流の観察眼の持ち主かと。

   ◇

・メルブラ
灼熱の夏! DLC第三弾!

『アルクがFGOにゲスト参加するなら、
 マシュだってメルブラにゲスト参加するでしょう』

世の中は等価交換だからね。分かります。
そんなこんなでメルブラにマシュが電撃参戦! だっ!
ネコアルクと絡ませたらこれが馴染む馴染む。
ネコにはネコを無条件で100パー信用してくれる純真無垢なパートナーが必要だったんだね……ホロリ。

その上で、今回は他にも沢山の追加要素があります。

 ・ボスラッシュモード2
  そうなんだ。没にするのは勿体ないんで、
  ノエルヒロインルートを実装したんだ。
  気になる彼ピは誰なのかな? それは君の目で確かめてくれ!

 ・ストーリーモード演出強化
  これまでの一人用ストーリーモードの仕様を変更し、
  よりメルブラらしく、より分かりやすく作り直してもらいました。
  ありがとうフランスパン……!
  とくにボスラッシュモード2の演出は手が込んでいるゾ。
  フランス(パン)だからノエルびいきなのかな?
  その調子で次もタノム。

 ・アルクとシエルに新シナリオ追加
  メルブラルミナのストーリーモードは『月姫』のネタバレを防ぐため、
  『月姫本編の前日譚。あるいは前日譚のイフ』で構成されていました。
  なのでアルクとシエルは旧メルブラのストーリーからの引用となったのですが、
  この度、『もう発売して1年経つしネタバレもねーだろ』という判断から、
  『月姫』のエンド後を想定したミニシナリオを追加しました。
  アルクは街に残っていて、志貴とアルクはお付き合いしている。
  しかしシエルともフラグが立っている。秋葉とも立っている。
  ヒスコハとも立っている。もはや眼鏡は死ぬるしかあるまい。
  ようは『なんとなくアルクと志貴がカップルなのは感じ取れるけど、
  他ヒロインもまだまだ可能性あるよ』という世界。やはり死ぬるしかあるまい。
  そんな状況での、とある日常のワンシーンです。
  まあなんだ。アルクもシエルもいちゃいちゃしろ。そんな気持ちで制作されたものです。


そんなメルブラですが、世界規模の格闘ゲーム大会『EVO』にノミネートされていて、
その決勝が明日(日曜・朝6時から)だったりします。

https://www.youtube.com/watch?v=6GaJRjsdQhI

時間が合うようなにぜひリアルタイムで観戦してほしい。
最強の8名(日本勢とアメリカ勢、ほぼイーブンという奇跡)による「あれ、これオレがやってるゲームと違くない?」というスーパープレイが楽しめるよ!

   ◇

・アヴァロン・ル・フェ朗読劇
……そして最後に、こちらとなります。
出し物の報告ではなく、ただの感想なのでほんと気持ち悪いけど……
ここに、一つの記録として残します。


改めて、とんでもない濃度の2時間半でした。
当日の専用ステージの巨大さに圧倒されたのも束の間、
舞台に上がったキャストさんたちの感情のこもった生のセリフに心底痺れました。
台本にあったセリフは長かったり韻を踏んでいたりとにかく読みづらい&言いづらいものばかりでしたが、皆さん淀みなく、一つのミスもなく2時間半駆け抜けた事がまず凄い。
リハなんて数えるほどしか出来なかったのに……普通の舞台で言うなら一発勝負みたいなものですよ、あれ……。
え? メリュジーヌ? 最強種は戦いの途中であろうと帰りたくなったら帰るンだ。むしろ高野さんはあの時REALメリュジーヌだったんだ。アーカイヴ化の際、編集で切られているかもだけど、あれは生配信を見ていた者だけのご褒美なんだ。

また、リハの際には難しいセリフにはどんな理由があるのか、どんな感情なのかを説明させていただきましたが、その時から川澄さんと石川さんのキャラへの理解度はハンパなかったです。
アルキャスの元気だけど卑屈なところ。悲観的だけど負けん気は誰よりも強いところ。……何が見えても、ひとり静かに顔をあげるところ。そんな性格を川澄さんはパーフェクトに演じてくれました。
トネリコの凜々しいけど誰も信じられないところ。合理的なのに感情を捨てられないところ。……すべてを失った後、まなじりを強くして未来を睨んだところ。そんな、シナリオでも表現されていない救世主を石川さんはパーフェクトに演じてくれました。

今回の朗読劇はセリフの多さからこのおふたりがツートップになりましたが、
バーヴァン・シー役の和氣あず未さんの絶望の慟哭、
メリュジーヌ役の高野麻里佳さんの愛の慟哭、
村正役の杉山紀彰さんの、アルキャスに向けた最後の微笑み、
ベリル役の石谷春貴さんの酷薄で軽快で、とことん刹那的なセリフ回し。

すべて、自分が思い描いていた妖精國の光景そのものでした。
あの2時間半の会場の緊張感を、自分は生涯忘れないでしょう。
本当にありがとうございました。

……実のところ、今回の朗読劇のお話をいただいた時、
『嬉しいけど、できればやりたくないなぁ……』
というのが本音でした。
『崩壊編』におけるアルトリアキャスターのシーンはどれも思い入れが強かったため、
執筆時のイメージと乖離するような事になったらしばらくは立ち直れないだろう、と確信していたからです。
ですが、それはすべて杞憂に終わりました。
聖剣鋳造のモノローグから、無名の王になってしまう時のモノローグまで。
彼女は完璧に、こちらのイメージ以上のものを見せてくれました。
尺の都合でカットされた数々のセリフを拾い集めて、台本に残された数行のセリフに、アルトリアキャスターのすべてを込めてくれた。
そんな気がしたほど、胸に響く朗読だったのです。


私は美しいものを見た。
もうこれ以上の報いを、与えられる事はないと思うほどに。




過去の日記へ /
トップページへ

Copyright (C) Takashi Takeuchi & Kinoko Nasu All Rights Reserved.