セイントフォーは、全力&ノンストップで踊りながら歌う、パフォーマンス中にアクロバットを披露する、メガネキャラのメンバーが存在するなど、かなり先鋭的なグループだった。また、メンバー構成はメインボーカル担当2名とコーラス&ダンス担当が2名というSPEED形式。そのSPEEDより11年早かったのだ。

 当時、全面的に応援活動を展開しなかったが、実は彼女たちに密かな思い入れを持つアイドルファンは一定数存在したようで、現在に至るまで、たびたびカルト的なアイドルとして語り継がれている。

 さて、このグループの最年長メンバーは、1964年7月7日生まれの岩間沙織だ。1982年、彼女は所属事務所がダイレクトメールにて参加者を募った「あなたもスターに!」なるオーディションに合格し芸能界入り。1983年には、映画『嵐を呼ぶ男』に単独で出演している。

 セイントフォーには、結成から1984年11月5日に『不思議Tokyoシンデレラ 』でデビューするまでの約2年間、レッスンなどの長い準備期間が設けられていた。

 岩間はその間、リーダーを務めていたが、「リーダーは交代制にする」という事務所の方針とかでデビューに際し、鈴木幸恵にバトンタッチしている。デビューの時点で岩間は20歳であり、その2年半前にデビューした中森明菜小泉今日子より1学年上と、80年代アイドルとしては遅いデビューだった。

 ただし、グループの一員としては特に違和感がなかった。グループのなかで、岩間の立ち位置は向かって左端でコーラス&ダンス担当。担当カラーは緑で、ステージ上では側宙や側転を見せた。

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