長野市の中央通り沿いにある大型商業施設「アゲイン」が、24年の歴史に幕を閉じた。
売り上げ減少と建物の老朽化
1970年に完成したビルは「長崎屋長野店」が長く営業してきたが、1998年、郊外移転に伴い撤退。アゲインはその年の10月、建物を改装してオープンした。
この記事の画像(9枚)ターゲットは若者。衣料品店や雑貨店、ライブハウスなど若者に人気のテナントが多く入り、にぎわいの拠点となってた。
立地の良さから、2021年秋には新型コロナのワクチンの集団接種会場にもなった。
しかし、近年はネットショッピングの台頭など、買い物環境の変化で売り上げが減少。建物の老朽化などもあり、24年の歴史に幕を閉じることになった。
最終日の7月18日。別れを惜しむ客が多く訪れ、歩みを振り返る歴史展も開催された。
客:
上の階の服屋さんとかに行った。ライブハウスがあったじゃないですか、あそこも行ったりしていた。高校時代だから20年くらい前、そのころはいっぱい人がいたけど、ぜんぜんいなくなっちゃった
客:
7階に特設コーナーがあって、おばけ屋敷とかやっていたのが印象に残っている。友達と一緒に来て、思い出に残っている
客:
長野からおしゃれなお店がなくなってしまうのが、とても寂しい
30年前と今…大きく変わった中央通り
アゲインを含め、中央通りはかつて大型商業施設が建ち並び、にぎわいの中心となっていた。
約30年前、1993年の地図を見ると、中央通り沿いには「長崎屋」のほか「ウォークはやしべ」や「長野そごう」「ダイエー長野店」などがあった。
しかし、長野オリンピック後の景気の低迷などで相次いで撤退。そごうとダイエーは複合施設にリニューアルされたが、大型商業施設として残っていたのは「アゲイン」だけだった。
長野商工会議所・北村正博会頭:
たくさんの若者が出入りしていた。そういった意味では大変にぎわいがあった。長野の一番の背骨になる商店街の火が消えてしまう。これは非常に残念
中心市街地のにぎわい創出へ 再開発を期待
アゲインの建物は、マンションの開発などを手掛ける東京建物と穴吹興産が保有していて、今後、再開発が行われる可能性があるが、具体的な計画は明らかになっていない。
長野商工会議所の北村会頭は、中心市街地のにぎわい創出のためにも商業施設も入る形での再開発を要望している。
長野商工会議所・北村正博会頭:
長野駅から善光寺へ一直線へ行くだけだったら、さみしさがあるなと。駅を降りて善光寺に向かう中に、こういうお店(大型商業施設)があれば人が集まる。何とか残していただければ
18日午後6時半過ぎ、多くの客に見守られながらシャッターを下ろした「アゲイン」。今後の再開発の行方が注目される。
(長野放送)