新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を更新した。ワクチン接種を含め、現行の予防対策に本当に意味があるのか再考し、インフルエンザ並みの扱いに引き下げるべきだ。

 新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を更新した。ワクチン接種を含め、現行の予防対策に本当に意味があるのか再考し、インフルエンザ並みの扱いに引き下げるべきだ。

 7月下旬以降、日本の新規感染者数が米国を上回る状況が続いている。米ジョンズ・ホプキンス大学などのデータによると、7月24日時点の7日移動平均で米国が約12万8700人、日本が約15万500人。人口100万人当たりの感染者数でみると日本は同13日時点で世界平均の約4倍に達している。

 日本では今なお、全国どこでもマスク姿の人ばかり。飲食店やビルの入り口には消毒液が置かれ、入場するたびに体温測定を求める施設も多い。大半の学校において生徒・児童は今も黙食を強いられている。

 翻って米国。ニューヨークなどでは一部の公共交通機関でマスク姿の人も目にするが、全土ではノーマスクが圧倒的に多い。にもかかわらず、日本では感染者数が急拡大の一途をたどり、米国では緩やかに増えたり減ったりと波は高くない。日本の国民は不自由さに耐えながら、米国とは比べものにならないほど対策に躍起になっているのに皮肉と言わざるを得ない。

 コロナ封じ込めの要であるワクチンの効果にも疑問符がついている。7月26日公表の首相官邸のデータによると、ワクチン接種を2回終えた人は国民全体の約81%、3回目は約63%に達する。接種率は主要国でもトップクラスだが、それでも感染者は増え続けている。

 ウイルスはオミクロン型の派生型「BA.5」が主流だが、名古屋大学の小島勢二名誉教授は「現行のワクチンは派生型に対して効き目が乏しく、予防効果のある期間も極めて短い」と説明する。

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