- 取材記者(政治)
- TAKUSHI OHASHI
- 大橋 拓史
- 東京編集局政治部
平成24年入社
もともと公務員志望だったので、「何が何でも記者になりたい!」と思っていたわけではありません。公務員の希望かなわず、大学院2年の夏から就職活動を始め、結果的に産経から内定をもらったというのが、正直なところです。「まずは就職」が第一だったので、いろんな業界にエントリーシートを出しました。産経の志望理由が何だったか、全く思い出せません。それなりのことを書いたのだと思います。
それでも、産経が面白そうだという思いは漠然とありました。学生時代、大学や家の近所の図書館で新聞の読み比べをしていました。読み比べをすると、それぞれの新聞にどんな特徴があるか、自然とイメージができてきます。それは「右」「左」というだけでなく、「この新聞は好きかな」「ここはちょっと…」といった「好み」も含めてです。
そういう意味で、産経から内定をもらったときは、素直にうれしかったですね。
現在は政治部で公明党の担当をしています。政治部は首相官邸にある「官邸クラブ」、自民党を担当する「平河クラブ」、野党担当の「野党クラブ」などに担当が分かれています。公明党は与党ですので、私は平河クラブに所属しています。
国会の会期中ですと、ほぼ毎日、党幹部の記者会見があるほか、党のさまざまな会合が国会内や衆参の議員会館、党本部などで開かれます。そうしたものを取材し、何がニュースかを判断して記事を書きます。
しかし、それだけでは表向きな話しか出てきません。狙いや思惑、なぜそうなったのかといった背景がわからないと、面白い記事にはなりません。
「党幹部によると」「関係者によると」といった記事を見かけることもあると思いますが、匿名なら言葉を引用してもよい「オフ」の取材が必要になります。
国会議員の事務所を回って、議員や秘書から話を聞いたり、食事に誘ってお酒を飲みながら本音を引き出す努力が欠かせません。
そうこうしていると、まだ表には出てきていない面白い話に出会えるときがあります。それは「特ダネ」として記事になるときもあれば、別の記事の中でエピソードとして紹介される場合もあります。いずれにしても、自分が「面白い!」と思ったものがニュースだと思っています。
「ニュースペーパーはなくなるけど、ニュースそのものはなくならない」。ある先輩記者がこんなことを話していました。記者としての力量があれば、今後、新聞紙がなくなろうとも生き残っていける。そういう意味だと思います。
しかし、その意味では、厳しい業界であることに変わりありません。斜陽産業といわれる新聞業界の中で、他の記者に勝る何かを身につけないといけないわけですから。
その上、日々の仕事も、正直言って大変です。望む仕事がそうそうできるわけではありません。
それでも、記者の仕事を突き詰めて考えると、「この先、何が起きるのか」を描写し、伝えることだと思います。それは社会的に反響の大きい仕事で、やりがいのあるものです。
と言っておきながら、就職活動は「ご縁」であるような気もします。肩肘張らず、リラックスして、臨んでください。