4月1日に横浜市教育委員会の新しい教育長に就任する現健康福祉局長の鯉渕信也氏(60)が26日に会見し、「大きな課題がある分野。全力を尽くしたい」と抱負を述べた。貧困や家庭環境など子どもを取り巻く環境が複雑化する中、福祉や医療分野との連携を進める考えを示した。任期は3年間。
いじめ対策については、原発いじめ問題を契機とした重大事態の調査結果報告書の公表が、当該校以外も含めた課題の共有につながると強調。教員の働き方改革に向けては「今は先生が問題を抱え込み、一人で頑張り過ぎている印象。市全体の力を生かしたい」と述べた。中学生向け配達弁当「ハマ弁」の喫食率向上にも意欲を示した。
鯉渕氏は1980年に旧厚生省に入庁。生活困窮者など社会的弱者の支援を志したが、「国の仕事は抽象度が高かった」。83年に市職員に転じ、福祉畑を中心に歩き、2010年から5年間務めたこども青少年局長時代には待機児童対策に当たった。教委は初めて。