「いいもの」を作りたいという軸を持って、
日経電子版におけるビジュアルの可能性を追求。

エンジニア
エンジニア

編集 データビジュアルセンター戦略コンテンツグループ
2015年入社
総合デザイン科卒
※所属部局は取材時点のものです

CAREER STEP

2015年

中途入社 東京・編集局メディア開発部(現・編集 データビジュアルセンター 戦略コンテンツグループ)

「日経ビジュアルデータ」の立ち上げに参加。デザイナー・コーダーとしてコンテンツのデザインと実装を担当。

2016年

「写真記者が見た『3.11』思い新たに」「悲劇から30年 チェルノブイリの実相」などのデザインと実装のほか、若年層向け新規事業プロジェクトのロゴやデザインガイドラインを担当。Financial Timesの研修でロンドンへ。現地の報道デザイナーの考え方を参考に報道コンテンツデザインを研究。

2017年

「医療費高いと死亡率下がる? 全市区町村マップ」「Twitterと選挙」などのデザインのほか、日経ビジュアルデータのソーシャルブランディングなどを担当。日経ビジュアルデータがグッドデザイン賞の金賞を受賞。

2018年

「NEXTユニコーン調査」「1人当たり所得増減マップ」などの情報設計とUIデザインのほか、日経電子版ストーリータブのアートディレクションを担当。

2019年

「Visual Tokyo 2020」シリーズのアートディレクション、紙面グラフィックス用アイコン類のガイドライン策定などを担当。「オリンピックの歴史 半世紀を振り返る」で日本タイポグラフィ年鑑オンスクリーン部門ベストワークを受賞。

2020年

日経ビジュアルデータコンテンツ用のwebデザインシステムを開発。「Nikkei Financial」記事サムネイルグラフィックのアートディレクション。コロナ関連データ可視化コンテンツのデザインと改修業務を担当。日経ビジュアルデータが「iFデザインアワード2020」を受賞。

2021年

「ふるさとクリック」シリーズのUIデザイン、「東京オリンピック・パラリンピック ビジュアルリポート」などのデザインのほか、日経ビジュアルデータ用デザインシステムの開発と改善、デザインチェック、アートディレクション業務を行う。

なぜ就職先に日本経済新聞社を選んだのですか。

日経は2社目です。専門学校時代は広告のデザインを学びながら書籍や雑誌のデザイン事務所でアルバイトをしていました。卒業後、Web制作会社に就職し、Webデザイナーとしてのキャリアを始めました。学生の時から磨いてきた文字とグラフィックスで情報を伝えるスキルと、Web媒体における体験のデザインの経験をどう生かせばよいか考え、漠然とデザイナーとして「いいもの」を作りたいと思う日々を過ごしていました。

そんな時に、日経で働く先輩から日経ビジュアルデータというコンテンツのデザインをやらないか、という話をいただきました。データビジュアライズと報道コンテンツのデザインについて知り、報道のデザインの可能性について考えるにつれて、あらゆる人のために中正公平に伝えるための仕事が自分にとっての「いいもの」たりえるのではないかと考え、入社を希望しました。

現在の仕事内容を教えてください。

「日経ビジュアルデータ」のデザイナーとして、主にコンテンツのデザインと実装を担当しています。近年では、データ可視化の方向性やWebページの体験、視覚設計のチェック、視覚体験を統一するためのガイドライン策定やデザインシステム開発などもしています。

所属するデータビジュアルセンター戦略コンテンツグループにはデスクや記者、デザイナーとエンジニアが在籍し、そのすぐ近くには写真、映像、紙面グラフィックスを得意とするデザイナー、データ分析を得意とする記者などビジュアルで情報で伝えるための各分野のプロが集められたグループの席があります。彼らと経済や政治、企業、証券、スポーツ、社会などの専門部署と連携することも多く、時にはデザイナーやエンジニアも取材に参加し、最適な表現を考える材料とすることもあります。

新しい表現の追求だけでなく、速度や操作のしやすさ、誰もが利用できる到達性などとのバランスに気を配り、日経電子版におけるビジュアル表現の可能性を追求しています。

この仕事ならではの難しさと
面白さを教えてください。

いかにわかりやすく伝えられるか、だと思います。これはとても難しいことですが、デザインを行う醍醐味ではないかと思います。

難解なテーマを扱う際、文字だけでは伝えることが難しい概念や情報は少なくありません。写真、映像、グラフィック、またはそれらを操作することで、直感的に理解を促すことができます。しかし例えば視線誘導のために用いる表現も行き過ぎればノイズとなります。見た目の派手さばかりを優先して文脈を考慮せずに過度なビジュアライズを行えば操作性が損なわれますし、文字で伝えた方が効果的な情報までビジュアルにすれば文脈の理解を妨げかねません。

そういった意味で報道のデザインは、「伝えること」に特化したとてもピュアなものだと思っています。洗練されたものは自然と美しくなると考えているので、「ルックスがいい」という読者の声はとても嬉しいです。同じくらい「わかりやすい」「見やすい」という声は自分たちの目指す読者体験を作ることができたことを実感できる瞬間です。

今後のビジョンを教えてください。

「いいもの」を作りたいと思う気持ちは変わっていませんが、その中身は働く中で変わってきています。

日経が提供する価値の中でも事実を素早く伝えることは変わらず重要ですが、その背景や構造を伝えることの重要度が増しているように思います。それらは文章のみで伝えることが難しい情報も多く、デザイナーが担う役割は重要です。記者同様にテーマに対する深い理解が必要なので調査スキルがあると良いですし、データ分析や可視化のためのプログラミングスキルなど、作るために必要な隣り合うスキルを併せ持つデザイナーが求められると思いますし、そうありたいと考えています。

また、報道コンテンツのデザイナーがより伝えることの表現に注力できるように、クオリティを均一化できる部分はシステム化し、誰でもある程度「いいもの」を作れる仕組みについて考えるようになりました。チームに向けて作ったデザインシステムやデザインガイドラインはその活動の一例であり、日経が掲げるデザインビジョンに則ったトーン&マナーに統一する役割を担いたいと考えています。