福澤 由華
デジタル事業 メディアビジネスユニット
2007年入社
文学研究科修了
※所属部局は取材時点のものです
入社 総務局人事部
入社した4月からいきなり採用活動の現場に。その後は人事異動、制度改革、労使交渉など人事・労務の様々な業務に携わる。
社内公募で「日経IDを活用した若年層向け新規事業プロジェクト」のメンバーに選抜。人事の仕事と兼務しながら4人のメンバーと一緒に新規事業のアイデアを練る。
デジタル編成局編成部(現・デジタル事業 デジタル編成ユニット)
日経IDを活用した新規事業企画に従事。
産休・育休で半年ほど仕事を休む。
デジタル事業 広告・IDユニット(現・メディアビジネスユニット)
立ち上がったばかりの「OFFICE PASS(オフィスパス)」の運用と成長戦略の策定・実行を担う。
学部と大学院では文学を専攻し、研究者を目指していた私にとって、日本経済新聞という媒体との接点は就職活動を始めるまでほとんどありませんでした。初めて日本経済新聞を手に取ったのは、多くの就活生と同じように就職活動を始めたとき。ビジネスの仕組みや企業社会にこれまでまったく触れる機会がなかった当時、一生懸命背伸びして読んだ記事の意味や意義をとらえることは到底できていませんでした。ただ、どうやらこの媒体が日本のビジネス界において相当な影響力をもつものであることだけは直感的に理解していました。
文系の女子大学院生など名のある大企業からは門前払いだろうと考え、特色ある中小企業やベンチャー、外資系をターゲットに就職活動を進めるなか、日経だけはなんとなく気になってエントリーシートを提出しました。その後、選考が進む中でいろんな社員の方に出会いましたが、自分がその中で一緒に働くイメージが違和感なく持てたことと、一番最初に内定をもらえたので、入社することに決めました。
「OFFICE PASS(オフィスパス)」の運用業務に幅広く携わっています。会員獲得戦略づくりと実行、法人営業、顧客対応、日々のオペレーション、サイト改善など多岐にわたる役割を担っています。
「OFFICE PASS」は、全国200カ所以上のシェアオフィスやコワーキングスペースの自由席がどこでも使えるサービスで、日経ID会員向けの新規事業として2018年に立ち上がりました。働き方改革を進める企業や、新しい働き方を実践する個人の皆さんが利用しています。
業務は部署内の他チームのメンバーや社外の協力会社の人に相談したりお願いをしたりしながら進めます。いつまでに何を実現するかというゴールを決め、タスクと分担を決めて自分でも手を動かしながら全体をマネジメントしていきます。新規事業には踏襲すべき前例もやるべきことの明確な範囲もほとんどありません。予想もしないことが次々に起こったり、綱渡りをしているような気持ちになることもありますが、つまらないと感じることはまずないです。
1人で幅広い業務を担当できるところです。大企業だとバリューチェーンの一部分を切り出してきた業務を担当することが多いですが、私はサービスを作ってお客様に提供する「川上から川下まで」の全体をみながらその多くの部分に携わることができています。いわば「何でも屋」的な仕事は自分の性には合っているとは思いますが、子どもがまだ小さく時間に制約のある働き方をしているため、常に案件の優先順位をつけながらタスクをこなしていくのはチャレンジでもあります。
もう一つは、自分で考えた仮説を試すことができるところです。担当しているサービスはまだ成長の途上で、まだ仮説の方が多い段階です。どのようなサービスがユーザーに「刺さる」のか、どういう施策をしたら会員が増えるのか。自ら考えた仮説を検証可能な施策に落とし込み、実際に動かしてみて結果が目に見えてわかるのはとても面白いと感じます。ただ、仮説が思ったとおりの結果をもたらすことのほうが稀で、市場に新しいサービスの価値を認めてもらうのがいかに難しいことなのかを日々感じています。
直近の目標はまずOFFICE PASSを成長軌道に乗せることです。ここ数年、「働き方」についての記事をメディアで見ない日はないほど、自身の働き方について誰もが考える世の中になりました。OFFICE PASSは、働く場所は職場のみ、という固定観念から自由になり、場所を選ばずに働くことが、働く個人にとっても企業にとっても望ましいという立場にたち、「これまでのやり方を変えていこう」という人を支援するサービスだと思っています。このサービスを通じてよりよく働ける人が増えることに貢献できると信じることが、日々仕事をする上での強いモチベーションの源泉となっています。
子育てをしながら働いていると、時間をどう使うべきかということに意識が向くようになります。投入する時間を少なくしながらいかに成果を大きくするかという日々の実践方法から、人生という時間を何に割り当てるのが正しいのか、という少し大きな問いまで、考える機会が増えました。大きな声で語れるようなビジョンは私にはまだありません。日々の営みの質を高めながら、答えを見つけていきたいと思っています。