(その2からの続き)



 唐突に出てきた「昴はピアノが得意」という設定のおかげで、すぴかと伊緒は一応は昴という霊の存在を認めます。

 …で、霊の存在を知った伊緒が、つぼみに言ったセリフが、これ。

「除霊?浄霊?…だっけ? とかして、さっさと成仏してもらえッて!」(by伊緒)


 うん。もっともなアドバイスですね。いつまでも昴に憑りつかれていたら、つぼみはお風呂にもトイレにもゆっくり入れませんし。パンツのシミと匂いのチェックもおちおちできませんしね~

 …にしても、すぴかと伊緒は、昴がつぼみからせいぜい5m程度しか離れられないことは、ちゃんと知らされているのでしょうか?
 描写がいいかげんなせいで、いったいどのレベルまでこの2人が昴に関することを知らされているのか、さっぱり分かりません。
 昴がつぼみからせいぜい5m程度しか離れられないということは、つまりは、見ようと思えば、昴にはこの2人の「恥ずかしい姿」を見るチャンスなんかいくらでもあったということになります。なにせいっつもつぼみとつるんでいるんですから。小学生のくせに、子供だけで旅行になんか行っていやがりますし。

 すぴかも伊緒もそこまで考えが回っていないということは、「昴はつぼみからせいぜい5m程度しか離れられない」ということを、知らされていない可能性が高いですね。

 …さて、せっかくの伊緒のアドバイスですが、つぼみにとっては余計なお世話にしかなっていません。つぼみ自身は、昴と離れたいとは思ってないからです。「つぼみと一緒にいると楽しい」と昴に言われて顔を赤らめていやがりますから、もう完全に昴に惚れちゃってますね



 そりゃあ、昴は楽しいでしょーよ。女子の着替えは見放題だし、パンツは触り放題だし。つぼみに憑依すりゃ、大好きな水泳もピアノもやり放題だし。
 この漫画の価値観では、「小学生男子はドスケベ」ってことになってるんだから(5月号7月号参照)、昴がスケベライフをエンジョイしていないわけがありません。


 …さて、3ヶ月も前に張られていた「昴は水泳が得意」という伏線ですが、今回、ようやく回収される運びとなりました。
 つぼみが家に帰って郵便受けを開けると、中に水泳教室のチラシが入っているのですが、このチラシに、昴にクリソツの男の子が写っているんです。



 二人が「昴くん!?」「あ、オレだ!」と言っていますが、もしかしたら、この2人はチラシの男の子を「昴と同一人物」だと決め付けているのでしょうか? 事故で死亡した男の子が写っているチラシをいつまでも使い続ける水泳教室なんて、存在するんですかねぇ…?
 まぁ、普通に考えれば、「昴の双子の兄弟」か「そっくりだけど赤の他人」てことになりますよねぇ…。


 それにしても、つぼみが昴のために唯一頑張ったこと(=他人の家のパソコンを勝手に使って検索)って、結局、完全にムダだったってことですね。「昴にそっくりな男の子が写っているチラシがポストに入っている」という状況って、たんなる偶然ですから。
 つぼみが他人の家のパソコンをいじる必要なんてこれっぽっちもありませんでしたし、昴が「自分は水泳が得意」だということを思い出さなくても全然構わなかったってことですね

 …でも、どうせやぶうちセンセの中では「つぼみのおかげで昴の過去が分かった」ってことになってるんでしょうね。なにせ、つぼみの祖母の中では「つぼみは昴のために色々頑張った」ってことになってますし。(8月号参照) どうせやぶうちセンセの頭の中も同じですよね