福寿工業(株)

大学では機械工学を専攻し、ガソリンスタンドでバイトをするほど車好きだったので、学んだことと興味のあることを生かせる当社を選びました。子供の頃からものづくりに携わる仕事に就きたいと思っていたので、自動車部品製造を手がける当社は理想的でした。現在はエンジンの回転エネルギーを駆動輪に伝える動力伝達系を担うパワートレイングループで生産技術を担当しています。職場では、新規立ち上げラインの設計や既存ラインの改善などを行います。新人時代は早く仕事を覚えるのに必死でしたが、丸3年経ったら経ったで、時流に遅れないために、学ぶことが次から次に押し寄せてきます。ですから、つくづく人生は勉強の連続だと思っています。

私の職場は工場の建屋内にあるので、いつでも現場の様子を確かめることができます。生産技術の仕事は現場のラインと直結しているので、どうすれば良質の製品を迅速かつ低コストに作ることができるかということを常に考えています。例えば、新規製品のために立ち上げるラインでは限られたスペースの中でいかに効率的に配置するかに知恵を絞ります。既存施設の改善では、これまで片面しか使っていなかった治具を両面使えるようにすることで交換時期を倍にする工夫をしたことがあります。これは生産性が倍になったともいえます。このように、自分のした仕事が数字となって表れ、会社にも貢献していることが分かるので非常にやりがいを感じます。

昨年からは国内ばかりでなく、タイ工場のスタッフを指導するという新たな仕事が増えました。ほぼ毎月、3週間前後の出張を重ねています。精度や品質に関係する細かな部分は通訳を通しますが、それ以外は極力、英語とタイ語とゼスチャーでコミュニケーションをとるように心がけています。国の歴史も文化も違うので、もどかしいこともありますが、一人ひとりの性格に合わせて指導の仕方を変えるように努めています。それだけに、将来はこれまでの経験を生かし、日本とタイの架け橋として頼られる存在になりたいですね。生産技術といっても、デスクワークだけでなく、こうした仕事もあるので海外で力試しをしたい人には活躍の機会も多いと思います。