宗像 藍子
編集 データビジュアルセンターデータ報道グループ
2014年入社
政治経済学部卒
※所属部局は取材時点のものです
入社 大阪・編集局経済部(現・大阪・編集ユニットビジネスグループ)
食品、ファッション、介護、電機業界の企業取材を担当。鴻海精密工業によるシャープ買収の経緯を目撃。
大阪・編集局社会部(現・大阪・編集ユニット生活社会グループ)
大阪府警の記者クラブで贈収賄事件や国際組織犯罪、サイバー犯罪を追う。一時期は森友学園問題にかかりきりに。
東京・編集局経済部(現・編集 政策報道ユニット経済・社会保障グループ)
財務省で通商交渉やテロ対策、日本国債について取材。予算決定や税制改正の過程も取材。
日本経済研究センター(研修)
アジア各国の2035年時点の国内総生産(GDP)を予測。マクロ経済の見方やミクロデータの分析手法を学ぶ。
編集 データビジュアルセンターデータ報道グループ
データ分析を基にした記事を担当。記事「チャートは語る」や調査報道チームとの共同取材に取り組む。
大学に通えたこと自体がたくさんの縁に恵まれたおかげだと思っていたので、社会に恩返し・・・というとまだ早かったなと思うのですが、漠然と社会を良くできる仕事をしたいと考えていました。学生生活の途中までは政治に興味があり、記者会見を撮影するアルバイトをしていた際に新聞記者と関わる機会がありました。「世の中を変えたいなら記者だぞ」と言われ、テレビや新聞など、色々な分野の方々にお会いするうちに興味が増しました。
日経を選んだのは、インターンシップに参加した経験からです。日経は「現在の日本において特に社会を変える力を持っている人」にメッセージを届けられるメディアだと感じました。また、企業の幹部など一般的な若手会社員ではなかなかお目にかかれない方々と仕事ができる機会が多いことも魅力的でした。そういった方々と日常的に対峙している先輩方の視点はとても興味深く、自分もこんな視点で社会を見られるようになりたいと思いました。入社後は社名の看板の重さに萎縮しそうな時期もありましたが、とても魅力的な仕事だと思います。
データジャーナリストとして、データ分析を主軸にした記事を担当しています。部署内では各記者の担当分野は特に決まっておらず、私はテクノロジーや脱炭素関連の話題を追っていることが多いです。
もちろん取材もしますが、調べ物やデータ分析に費やす時間が長いです。ネット上の公開情報を抽出・収集する「スクレイピング」で情報を集めたり、ミクロデータを分析したり。地図情報や人工衛星画像を使うこともあります。私はPythonやRを使うのですが、報道向けの情報を集めるためのプログラミングやデータ分析のスキルは世間一般で重視されているものとは異なると感じていて、参考書1冊で習得できるものではないので日々勉強しながら手法を模索しています。これまで記者として現場を走り回った経験と、データが分かるという要素を両方生かせる報道を目指しています。別部署の記者と連携する機会も多いです。
また、国際調査報道のチームにも参加しています。海外の関係者にオンラインで取材をしたり分析手法を相談したりする機会も多いです。
記者・マスコミは良くも悪くも大きな影響力を持っている、ということを日々改めて感じますし、意識するようにしています。社会を動かす一石を投じられたのではないかと手応えを感じる機会がある一方、私が書いた記事によって甚大なマイナスを被る人もいるかもしれない。自分が伝えたいことと、報道機関として書くべきことのバランスは常に考えています。時間が許す限り様々な立場の方に話を聞くことを心がけています。
最近はデータ×報道だからこそできる記事を書こうと意識しているのですが、まだまだ手探りでとても難しいです。これまで客観的には示せなかった事実を示せるようになるなど、使えるファクトが増えれば報道の幅が広がると感じています。とはいえ、テーマから入るとそもそもデータが無い、ということも多いです。日経はデータ報道を今後の成長に向けた柱にしていて、先行する欧米メディアを見据えています。メンバーに何でも相談でき、勉強や試行錯誤を重ねられる環境があるので、こうした環境を最大限生かし、日々切磋琢磨(せっさたくま)していきたいと思っています。
マスコミ、新聞社としての新しい価値を打ち出せるようなコンテンツを発信していきたいです。自分と同世代やより若い層と話していると、「ニュースコンテンツに毎月数千円使う」という消費行動のハードルはとても高くなっていると感じます。私にできることはジャーナリズムの価値をしっかりと認めてもらうコンテンツを届けることだと思っているので、情報として価値のある記事を書いたり、「興味を持ってもらいづらいが重要な話題」に振り向いてもらえる仕掛けをしたりしていきたいです。データ分析など新しい手法を使った事実探求や、理解の助けになるビジュアル作りなど、まずは今の部署でできる挑戦を重ねていきたいです。
初の海外出張でインドに行った際、ジャーナリストが社会の中でとても尊敬されている仕事であることを感じて感動しました。自分もこの仕事をしていることにしっかりと胸を張れるよう、世の中に向けての挑戦を続ける記者でいたいと思っています。