昨日まで2日間の日程で開かれた共産党の第6回中央委員会総会。それを報じた本日の「赤旗」の見出しだけを見ていると、いつもと変わりなく見える。一般紙の報道を見ても(まだ「朝日」と「産経」しか目を通していないが)、共産党内に不満は出ているが、中央委員会の会議そのものはいつもと同じようだったと捉えているようだ。

 

 しかし、今回の会議は、共産党の歴史上、大きな転換点になるかもしれない。だって、「全会一致」ではなかったのだから。一面報道でも、「幹部会報告、結語が圧倒的多数で採択されました」となっているし、4面に掲載されたコミュニケ(画像)でも同じ表現で結果が伝えられている。

 

 61年綱領が採択されて以降、全国から1000人近い代議員が集まる党大会もほとんどが「全会一致」で、唯一、自衛隊活用論を打ち出した1994年の第20回大会だけ、そうならなかったのは多くの方がご存じだろう。けれども、わずが200名程度の中央委員会が「全会一致」にならなかったのは、おそらく初めてのことではないか。中央委員会って、「党大会からつぎの党大会までの指導機関」であって、「指導」する側に意見の違いが生まれているということだ。

 

 不思議なのは、もしそんな結果を知っていればメディアが黙っているはずがないのに、「朝日」どころか「産経」も報じていないことである。会議の終了後、志位さんの記者会見はあったのだが、そこでは、この結果は伏せられていたということなのだろう。そんなことをしても(あるいはしたからこそ)、メディアの側は、誰が賛成しなかったのか、どんな見解の対立があったのかを探り、報道しはじめるだろう。だって、それこそがメディアが報ずべき「新しい」事態であり、「新しく聞く」(新聞とはそういう意味だ)べき問題なのだから。

(終了後の記者会見で保留があったことは隠さずに言ったそうです。失礼しました。それを大事なことと思わなかった記者の感性の問題でしょうかね)

 

 それにしても、「全会一致」でなかったことを報じながら、その「赤旗」自身が、どんな意見の対立があったかを報じないのは、おかしいのではないか。興味本位で報ずるであろう一般のメディアと異なり、共産党の将来のことを考えれば、なぜそんな不一致が生まれ、それをどう考えるべきかは、すべての党員が真剣に悩み、考えるべきことだろう。それを共産党ができなくなったら、未来は見えなくなってしまう。是非、明日からの紙面では、「討論欄」でも設けて、議論が開始できるようにしてほしい。 

 

 さて、本日は東京へ。党首選挙の準備のようなものである。仕事がらみではないので出張扱いにはならない。今後もこういう機会が増えるかもしれないので、その資金の確保も問題になってくるなあ。でも、ここでカンパを訴えると「分派」認定される可能性があるので、個人でがんばります。(続)

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