「100年に1度」の感染症危機を伝える。
今しか得られない経験がやりがいに。

記者
記者

編集 政策報道ユニット経済・社会保障グループ
2016年入社
経済学部卒
※所属部局は取材時点のものです

CAREER STEP

2016年

入社 東京・編集局政治部(現・編集 政策報道ユニット政治・外交グループ)

総理番として首相に付いて回る。17年には野党担当に移り、立憲民主党の誕生など野党再編を取材。

2018年

横浜支局

神奈川県内の企業や市町村行政を担当。プロ野球や観光など硬軟さまざまな取材機会に恵まれる。

2021年

編集 政策報道ユニット経済・社会保障グループ

厚生労働省を担当。新型コロナウイルス対策を中心に、医療や雇用の分野を取材。支局への愛着で横浜から通勤中。

なぜ就職先に日本経済新聞社を選んだのですか。

普段は出合えないものを見たい、知りたい、という気持ちでこの職を志しました。元来国語が大の苦手で、学生時代の恩師にははじめ記者になることを信じてもらえませんでしたが、苦手意識で踏みとどまらずよかったなと感じています。実際就職してみると記事を書く時間よりも取材の時間が圧倒的に長く、私向きだったのでは?と思うときもあります。

なかでも日経は、データ分析など他紙とは異なった目線で記事を書ける面白さがあります。先輩方にも常日ごろ「日経だから書けることを」と言われており、独自の視点を日々探しています。

地方出身者としては全国に支局があることも魅力でした。私はUターン就職も迷っていたので、本社で大手企業や中央官庁をばりばり取材することも、地元勤務を希望することも、自分の人生に応じて選択できることが日経を選んだ理由の1つです。

現在の仕事内容を教えてください。

2021年4月から厚生労働省を担当し、政府の新型コロナウイルス対応のど真ん中を取材しています。不足する病床をどう拡大するか、ワクチンを接種どう早期に進めるか、緊急事態宣言にどの地域を加えるのか、飲食やイベントの制限をどう緩和していくのか――。「100年に1度」と呼ばれる感染症危機のもと、まさに今の厚労省担当でしか得られない経験で、記者人生の中でも心に残る時間だろうと感じています。

厚労省内にある記者クラブを中心に省内の各局を回るほか、国会にも足を運びます。予算や法案は国会の委員会などで議論され、政治家も重要な取材先です。霞が関・永田町に限らず、医療の専門家や業界団体、エコノミストに取材することもあります。

一方で厚労省の所管業務は幅広く、診療報酬や雇用、少子化対策と様々です。コロナ関連の取材にとどまらず他の分野にも手を広げるよう意識しています。第2次世界大戦時の遺骨収集について取材したこともあります。国民の健康に関わる分野も担当するので、健康診断やメタボリック症候群、ダイエットなどの記者発表があると、ついどきっとしてしまいますね。

この仕事ならではの難しさと
面白さを教えてください。

記事になるのは取材のわずか一部で、実際にはその何倍も勉強したり取材したりする必要があります。裏を返せばニュースを最も近く、最も深く知ることができます。格好良く言うと世の中が動く現場を自分の目で見られる、言葉を選ばずに言うと誰よりもミーハー精神を発揮できる、ということでしょうか。

記者は常に他の新聞やテレビなどメディアがライバルです。いかに他社より早く、大きなニュースを書くかを日々競い「抜き」「抜かれ」と呼ばれます。悔しいこともたくさんありますが、書けた時の喜びも大きく、特にいまの担当はチームで動いているため、それぞれの取材を集めて1つのゴールを目指していくこともやりがいがあります。

また支局取材を通じて、読者にとって面白い記事は必ずしもスクープではないことを学びました。同じ施策やデータでもどの視点で切り取るか、現場に肉薄したエピソードがあるかといった深掘りで面白さが変わります。読む人が肌で感じられる記事を増やしていくことで、読者の関心に応えていきたいと思います。

今後のビジョンを教えてください。

まずは目の前の仕事にがむしゃらに取り組みたいと思います。ニュースは日々更新され続けるため、記者は何十年たっても毎日勉強と新しい発見があると聞きます。様々な分野を経験し視野を広げつつ、自分の強みと言える分野や伝えたい問題意識などを深めていけたらと感じています。

入社6年目になり初めて後輩を持つ立場になりました。私の強みは先輩や同僚に恵まれることなのですが、自身も周囲から求められる記者になるよう、自分の取材だけにとらわれずチームの中での動き方を大事にしていきたいです。

デジタル化で新聞のあり方は大きく変わり、通勤電車で紙の新聞を広げる人も少なくなりました。速報性やデータビジュアル、映像など見せ方の柔軟性が求められています。現場記者は毎日の紙面に意識が集中しがちですが、紙以外にも日経が持つコンテンツをいかし、どう自身の取材を発信していくかということに重点を置いていきたいと考えています。