「……？」

『彼』はトレセン学園ともレースの世界とも無縁な、共学の私立高校に通う一般的な男子生徒だ。
部活の帰りに新しいスニーカーを買って、レシートと共に貰った券で福引を試してみたら、見事に特賞を引き当て──聞き覚えの無い単語が、耳に飛び込んできた。
『マリタイムシッパー』とは何か。
彼の抱くイメージでは、この手の福引で貰える特賞といえば温泉旅行券のようなチケットの類だった。

「すみません、それ──え？」

違和感に阻まれて、なんですか、と簡単な質問を続けることも出来なかった。
急に、目線の高さが変わった。さっきまでは福引の係の人を少し見下ろしていたのに、瞬きの間に彼の方が見上げるようになっていた。
加えて、声も妙に甲高い。部活で仲間に大声で指示を出すハスキーボイスではなく、アニメに出て来るような甘ったるい声音。
思わず彼が喉に手を伸ばすと、ゴツゴツした喉仏の感触は無く、ツルリと滑るような肌触りを指に覚える。

「え、えっ！？　なんだこれ！？」
「はい。ですから『マリタイムシッパー』ですよ」

福引の係員がにこやかに語りかけるが、彼の耳──頭頂部で慌ただしく揺れ動くウマ耳には、まるで入らない。
彼が見下ろした自分の身体は、自分が知っている物とは大きくかけ離れていた。
170cmの身長と、部活の友達と一緒にグランドを駆け回って鍛えた筋肉──本来あるべき、さっきまでの自分が持っていたものは何処にもない。
何度瞬きをしても、目を擦っても、そこにはあるのは、丸く、柔らかく、重みのある胸と尻──どこまでも女の子らしさに満ちた、丸みを帯びた身体。

「な、なんだ、これ……！」
「ですから、特賞の『マリタイムシッパー』ですよ」

頭を抱えれば、人の耳があるべき場所を指が素通りする。
理解を超える状況に、彼はただ身体を震わせるしかなく──ぷるぷると揺れる脂肪の詰まった胸と尻に、倒錯的な興奮を覚えた。

「……っ！　い、いらない！　戻せ！」

未知の刺激が怖くなって、辛うじて我に帰る。
福引台越しに、係員に掴み見かかるように身を乗り出す──ただそれだけの仕草で大きく揺れた胸に、気を取られながら。

「それはできません。特賞の受け渡しは完了しましたし、後ろが詰まっていますので」
「あっ……！」

係員に横に退かせられると、いつの間にか背後にいた長蛇の列に押し退けられてしまう。
もう、係員は『彼』のことなど見てはいない。ただ福引を回しに来た他の客に、ティッシュやにんじんなどの結果に応じた景品を渡している。
列が開けるのを待っていても、次から次へと客が並んできて終わりが見えない。

「ど、どうしたら……このままじゃ、『門限』が……」
「マリちゃんウェーーーイ！」

そして、ただただ立ち尽くす彼に掛けられた声。
底抜けに明るく、通り一体に響き渡るその声の持ち主は──

「だ、ダイタクヘリオス……？」
「エンカとかマジ運命じゃーん！　一曲歌ってこー！」

『彼』はレースには詳しくない。だけど流石にニュース等のメディアへの露出が多いGⅠウマ娘の存在くらいは知っている。
そのテレビの向こう側の存在が、急に声を掛けてきて、グイグイと腕を引いてきている。

「ちょ、ヘリオスちゃん……っ！？」

当然、『彼』とヘリオスに交友は無い。
なのに口から滑り出たヘリオスを呼ぶ声は、自分でも知らない親しい響きに満ちていて──レースに負けた時に彼女に励まして貰ったことや、数学の授業で一緒に補修を受けた光景が脳裏を過ぎる。

（ヘリオスちゃん、いつもいきなりなんだから……って違う！　俺は、そんなの知らない！）

それは、『彼』は知らないが、『マリタイムシッパー』にとってはいつもの日常。
そして、今後も繰り返されていくことになる光景。

「ちょ、ちょっと待──」

ヘリオスに引っ張られて、福引が遠ざかって行く。
今の『彼』にヘリオスに構っている暇は無いが、『マリタイムシッパー』はヘリオスの誘いを断ることは出来ない。
その場から踏み出す歩幅も、その歩き方も『彼』の身体に染み付いた所作とはまるで違う。
内股で、力強さなど微塵も感じさせない歩き方。『マリタイムシッパー』からすれば、今まで数え切れないほどに繰り返してきた、そして今後一生付き合っていくことになる歩き方。

「……ぁ……」

そして、彼は見てしまう。
街中のショーウィンドウに映った、ヘリオスに手を引かれて、歩く自分の姿を。
眉根を寄せて、自分を見つめ返す、トレセン学園の制服に身を包んだツインテールのウマ娘を。
手のひらに収まりきらない大きな胸と、プリーツスカートの上からでもわかる程に突き出たお尻を心細げに揺らす、あどけない顔の女の子を。

（夢……だよな……？）

それは確認というよりは、そうであって欲しいという懇願。
だが、ヘリオスと繋がれた指先から伝わる温もりも、スカートの股下を潜り抜ける涼しげで頼り無い隙間風の感覚も──これが紛れもない現実だと、訴えている。


「ウェイウェーーーーーイ！　バイブス上げてこーーーーーーー！」
「う、うぇーい……？」


戸惑いのままにヘリオスに手を引かれ、駅前のカラオケへと辿り着く。
受付に案内された部屋に入った途端にマイクをパスされて、いきなり音楽が流れ始める。
『彼』の知らないメロディーで、無茶振りだとマイクを投げ返したかったが──

「あ、これ……！」

頭の中に浮かぶ、先日のレース。
ヘリオスのような有力なGⅠウマ娘が出るレースではないが、重賞レースの一つ。
『マリタイムシッパー』が必死にトレーニングをこなして、勝とうと頑張って──勝利を逃したレースのウイニングライブで流れた歌。

「……次は、俺がセンターに……！」
「かましてけー！！！！」

『彼』はマイクを握り、目を閉じる。
頭の中に浮かべるのは、自分がセンターとなって繰り広げられるウイニングライブだ。

『彼』が自分を取り戻したのは、カラオケが終わって帰路に着いてから。
寮の玄関で、ヘリオスと別れる頃になってからだった。

「ジャネバイー☆」
「う、うん……はぁ……」

手を振って自分の部屋へと戻っていくヘリオスを見送ってから、深く溜息を吐く。
今日歌った曲の中で、『彼』が知っているものは一つも無かった。
なのに歌う時は振り付けもこなして、終にははヘリオスとのデュエットまで楽しんでしまった。
今の自分の胸の内を締めるのは、思いっきり大声を出して歌った開放感と、楽しい時間が過ぎ去った少しの寂しさだけ。

「俺、ウマ娘じゃないのに……帰らないといけないのに……」

靴を脱いで『自分』の下駄箱へと仕舞う。
向かう先は勿論、栗東寮の『自分』の部屋だ。『彼』の家ではないが、今の『マリタイムシッパー』が帰る場所はここしかないのだから。

遊んで、寮に戻って、ご飯を食べて、宿題をして。
そこまでを終えたら、『マリタイムシッパー』に残された日課は一つだけだ。

「……お風呂、入らなきゃ……」

『彼』にウマ娘の身体の手入れの方法なんて分からない。
だけど体は勝手に自前のシャンプーやボディソープ、尻尾トリートメントを用意して大浴場へと向かっていく。

「いいのかな、俺……でも、俺は『マリタイムシッパー』だから……いかないと……」

『彼』は周りにはウマ娘しかいない環境にドキドキしながら、『マリタイムシッパー』は当然のように大浴場の暖簾を潜る。

『俺』は男なのに、こんな場所にいちゃ行けないのに。見ちゃいけないのに。
『私』は中央のウマ娘なんだから、ちゃんと身体を綺麗に整えなきゃ。
相反する二つの声に、ぼうっとする頭。少し覚束ない足取りで周りに心配されながら、『彼』は空いた鏡の前で腰を下ろした。

「俺、男だけど……ウマ娘だから、髪もちゃんと手入れしないといけないんだ……」

耳の中にシャンプーが入らないように、丁寧に泡立てて髪と耳を洗う。『彼』の短く切り揃えた髪と違って、『マリタイムシッパー』はちゃんと丁寧にキューティクルを維持していないといけない。ヘリオスにだって褒められた自慢のツインテールなのだ。

「尻尾も、綺麗にしなきゃダメなんだ……俺に尻尾なんて、無いのに……俺は、『マリタイムシッパー』だから……」

『彼』が人生で初めて触れる、『マリタイムシッパー』が飽きる程に繰り返してきた尻尾の手入れ。

「身体も、ちゃんと……んっ」

ボディソープを泡立てて、身体に塗りたくる。敏感になった肌を指が這う感覚に擽ったさを覚えながら──

翌日には特賞がシンプトンダッシュかヴェナバラムに変わってそう

「マリちゃんウェーーーイ！」
「ひゃぁあっ！？」

突然、背後から胸を鷲掴みにされた。

「またおっぱいおっきくなったー？」「ひゃ、ヘリオスちゃ、だめ……っ！」

彼が振り向かずとも、底抜けに明るい声が浴場内に響く。逃れようと身を捩らせても、ヘリオスは器用に『マリタイムシッパー』へと絡み付く。
『彼』としては、初めて異性と素肌が触れ合う感覚に身悶えして。『マリタイムシッパー』としては、ただ羞恥から逃れようと。
ヘリオスの手によってむにむにと形を変えるマシュマロと、背中に擦り付けられる柔らかなモノから意識を逸らそうと、『彼』は目線を逸らし──

「……ぁ」

目が、合ってしまった。
鏡の中で、ダイタクヘリオスに絡み付かれて、蕩けた顔で悶えるウマ娘と。

（これが、俺なんだ……）

流せば消える泡以外は、何も身に纏っていない素肌。部活動で日に焼けた肌も、部活友達と一緒に鍛えた筋肉も無い。たまごのように白くてツルツルの肌。

（筋肉も、何も無いのに……でも、男よりずっと強い力なんだ……）

ヘリオスに絡まれて、胸を玩具にされて、『彼』は心臓が痛む程に興奮を覚えているのに──『マリタイムシッパー』の身体には、それを示す部位は何処にもない。

（俺、もう）

「男じゃ、無いんだ……っ！」

『彼』が無意識のうちに下へと伸ばした手は宙を掴み。
頬を紅潮させながら泣き笑いながら漏らしたその呟きは、ヘリオスの喧騒に掻き消されて、何処にも届かなかった。

全ての日課を終えて、彼女は自分の部屋へと戻った。

「大丈夫？」
「……うん」

何処か上の空な様子にルームメイトのブリッジコンプが声をかけるが、『マリタイムシッパー』はただ頷きを返すだけ。
ベッドに横になると、目を閉じて顔を顰めた。

「……おっぱい、重い……」

重くのしかかる己の乳房に、苦しげな呟きを漏らす。

（これからずっと、この重さと付き合っていかないといけないんだ……俺の、おっぱいだから……）

横になって目を閉じると、一日の疲れからか即座に眠気が湧き上がってきた。

（明日は、朝練がある筈なのに……俺は、『マリタイムシッパー』だから……ヘリオスちゃんと一緒に早朝ランニングをしなきゃ……）

『彼』としての習慣は部活の為に早起きをするようにと訴えかけてくるが、それを『マリタイムシッパー』の記憶が上塗りする。

（あの、福引を引かなかったら、今はお家に帰ってたのに……）

「……あ。そっか、あの福引……」

「もしかしたら、あの福引でまた特賞を当てたら男に戻れる……？」

ほんの少しだけ浮かび上がってきた僅かな希望に、胸の奥が僅かに軽くなる。
明日は休みではなくトレーニングの日だが、その前に福引を引いてくるぐらいはトレーナーに言えば許してもらえるだろう、と算段をつける。
ベッドの中できゅっと小さな手を握り、『彼』は──

「……明日、トレーナーさんに言わなきゃ。お休みした分、ハードめなトレーニングをお願いしますって……」

──自分の矛盾に、気付かない。
だって、『彼』は『マリタイムシッパー』だから。
友達と一緒に遊んだり勉強したり、夢に向かって切磋琢磨をするのが『マリタイムシッパー』だから。
勝利を目指してレースに臨むトレセン学園の生徒が、ただの男子高校生になりたいなんて思う筈もないから。

「？　マリちゃん、ほんとに大丈夫？」
「大丈夫だよ。心配かけてごめんね」

ルームメイトに返事をして、『マリタイムシッパー』は目を閉じる。
また明日も、『マリタイムシッパー』としての『彼』の日々が始まる。
これから先、『マリタイムシッパー』が努力の先に栄光を掴むのか、凡走を重ねて見せ場なく引退するのか、或いは夢破れ失意のうちにトレセンを去るのかは誰にも分からない。

しかし『マリタイムシッパー』が『彼』である以上は、元に戻りたいという欲求は消え去る事は無く──それが永遠に叶わない願いであるというのは、確かなことであった。

「おやすみ、コンちゃん」
「おやすみ、マリちゃん」

そして、今日も、明日も、その先もずっと。
『マリタイムシッパー』の日常は、続いていく──

みたいな夢を見たので書いた

もっと眠って夢を見るんだ

無意識に義務感に駆られるてるの怖いけど羨ましい夢だな…

ウマ娘になりてぇのは女の子だけの特権じゃねぇんだ

良い……もっと夢見て

ひん…

元のマリちゃんの意識は何処へ…？

なんだ…なんだこれ…？

>元のマリちゃんの意識は何処へ…？
元ってなに？
あなたはマリタイムシッパーでしょ？

>元のマリちゃんの意識は何処へ…？
『彼』が『マリタイムシッパー』だよ

福引って怖いね

つまり元になった男子高校生なんていないんだ
君は初めからマリシなんだ

あの福引は一体何なの…？

世にも奇妙な物語
もしくは週間ストーリーランド

君がマリタイムシッパーになって友人達と仲良く日々を過ごすゲームだ

>ウマ娘になりてぇのは女の子だけの特権じゃねぇんだ
カワカミシナリオの少年きたな…

重賞でさしたる成績も残せない地方モブウマになりたいよね

>君がマリタイムシッパーになって友人達と仲良く日々を過ごすゲームだ
すみませんこのゲーム停止ボタンもログアウトもできないんですけど！

>君がマリタイムシッパーになって友人達と仲良く日々を過ごすゲームだ
めちゃくちゃやってみたいんですけお

仮にこの先マリちゃんが重賞を勝ったとしても男子高校生だった頃の部活仲間を思い出して「あのままだったらみんなと大会優勝できてたのかな」……って思っちゃうし
夢破れてそのまま堕ちて嬢バクラブ入りしても「本当だったらこんな筈じゃなかったのに……！」って惨めになっちゃうし
何をしても男子高校生だった頃の記憶がチラついちゃうのいいよね

モブウマ娘になってゆる～くトレセン学園生活するゲームはやってみたい

.....僕はマリの中？

>仮にこの先マリちゃんが重賞を勝ったとしても男子高校生だった頃の部活仲間を思い出して「あのままだったらみんなと大会優勝できてたのかな」……って思っちゃうし
>夢破れてそのまま堕ちて嬢バクラブ入りしても「本当だったらこんな筈じゃなかったのに……！」って惨めになっちゃうし
>何をしても男子高校生だった頃の記憶がチラついちゃうのいいよね
でも浮かぶのは仲間と戦って栄光を掴んだ歓びであり
感じるのは女としての快楽と屈辱なんだよね…

いやあ夏らしいホラーでしたねえ

ほとんどのウマソウルは産まれつき宿っているが
一部のウマソウルはこうやって後から憑くのかもしれない…

でもこの子専属付いててヘリオスともトレーニング出来る仲なのかなり上振れ環境にいるモブ娘なのでは？

レース経験したらもうウマの本能に引っ張られて取り返しつかなくなるよ

宿るというか憑くというか完全に存在自体が置換されてませんか

>でもこの子専属付いててヘリオスともトレーニング出来る仲なのかなり上振れ環境にいるモブ娘なのでは？
そもそも中央トレセン学園て相当エリートだったはず

愛しいトレーナーさんと親密になって果たしてまだ戻りたいと思えるのかな？

薄れる「彼」の記憶をなんとか辿って元の住処を目指したら
とてもヒトが住んでたとは思えない荒屋しか残ってないんだよね…

元に戻ろうと福引引きまくるけど『膨乳』とか『母乳』とか『フェロモン』とか引いちゃって更に状況悪化したりとか
最初はルドルフのトレーナーが特賞の『ウマ娘』を引いちゃってウマ娘化したりとか考えたけど
ごちゃごちゃしそうだから削ってシンプルにマリちゃんとヘリオスに絞った……

>ごちゃごちゃしそうだから削ってシンプルにマリちゃんとヘリオスに絞った……
ナイス判断

>元に戻ろうと福引引きまくるけど『膨乳』とか『母乳』とか『フェロモン』とか引いちゃって更に状況悪化したりとか
>最初はルドルフのトレーナーが特賞の『ウマ娘』を引いちゃってウマ娘化したりとか考えたけど
週刊ストーリーランドのババアのやつみたいな話だ

引き算できてえらい

>ごちゃごちゃしそうだから削ってシンプルにマリちゃんとヘリオスに絞った……
それがいいッ
それがベストッ

フェロモン状態はヒトオスだけに効いてしまうのかウマ娘も掛かってしまうのか気になる所ですね

>モブウマ娘になってゆる～くトレセン学園生活するゲームはやってみたい
二次創作でオープンワールド形式のトレセン学園生活ゲーム描いてる人いるよね

こういう理由のない恐怖が襲ってくるの怖くて好き

>>モブウマ娘になってゆる～くトレセン学園生活するゲームはやってみたい
>二次創作でオープンワールド形式のトレセン学園生活ゲーム描いてる人いるよね
しょ…詳細を…

>最初はルドルフのトレーナーが特賞の『ウマ娘』を引いちゃってウマ娘化したりとか考えたけど
こっちも見てぇ…

並み居る「」の中でもこれを恐怖と捉えるか理想と捉えるか判断が別れると聞く

マリちゃん割とステータスは高いタイミングあるからな…
適性とか諸々はうｎ

実家はどうなってるんだろう…
息子を心配して捜索してるのか
初めから『マリタイムシッパー』が生まれた家になってるのか
初めから存在していないことになってるのか

>並み居る「」の中でもこれを恐怖と捉えるか理想と捉えるか判断が別れると聞く
実質不可逆なのはちょっと…

ＴＳは望んでするよりもこんくらい不随意巻き込まれが良い

>奇妙な世界へ通じる扉は、あなたの直ぐ側に開いています。次のそのゲートを開けるのは ? ?あなたなのかも知れません。
タモリ。

🕶奇妙な世界へ通じる扉は、あなたの直ぐ側に開いています。次のそのゲートを開けるのはあなたなのかも知れません。

>実家はどうなってるんだろう…
>息子を心配して捜索してるのか
>初めから『マリタイムシッパー』が生まれた家になってるのか
>初めから存在していないことになってるのか
自分の実家だったはずの場所から「彼」が出てくるのを目撃してほしい

処理的にはマリちゃんに関係ないトレーナーの記憶を埋め込む方が楽そう

G1勝ってウイニングライブの時に戻って欲しい

モブウマ化流行ってくれ

>G1勝ってウイニングライブの時に戻って欲しい
人の心とかないんか？

>元に戻ろうと福引引きまくるけど『膨乳』とか『母乳』とか『フェロモン』とか引いちゃって更に状況悪化したりとか
>最初はルドルフのトレーナーが特賞の『ウマ娘』を引いちゃってウマ娘化したりとか考えたけど
>ごちゃごちゃしそうだから削ってシンプルにマリちゃんとヘリオスに絞った……
ごちゃつくのも分かるんだけどやっぱりこっちの設定も見たい

>G1勝ってウイニングライブの時に戻って欲しい
なんで今戻したんだ！？って聞いて
｢戻りたいって言ってたじゃないですか｣って言われて絶望してほしいよね

確かにあのゲームをやるとトレーナーになりたい！より
俺もウマ娘になってトレーナーさんを我慢できなくなってウマピョイしたい！
と感じるが…

>「おめでとうございます！　特賞の『マリタイムシッパー』です！」
正直スレ画のTSに気づいたの1レス目読んでからだったから
マリちゃんを特別に1ヶ月好き放題できる券みたいなのが貰えるのかと

いい…

楽しいカラオケの時間でも、ずっと歌いっぱなしという訳にはいかない。
それは『彼』でも『マリタイムシッパー』でも逃れられない、生理現象で──

「ごめん、ちょっとお花摘んでくる！」

ヘリオスのおふざけでドリンクバーの全メニューをブレンドした結果誕生した黒点カクテル。折角ヘリオスが自分の為に用意してくれたんだ、日和ってはならぬと一気飲みしたところで、下腹部に迫る危機感。
部屋を出て足早に向かうは、男子禁制女子の花園。
何とか間に合ったと、個室に入って安堵の溜息を漏らし──

「……あ……座んないと、駄目なんだ……」

『彼』と『マリタイムシッパー』の、最も大きな身体の差異。
容赦なく突き付けられる現実に眩暈を覚えながら、スカートと下着を下ろし、尻尾を腹に巻きつけ腰を下ろした。

「うぅ……これから先、ずっと『こう』しなくちゃダメなのかな……？」

必ず座る。ペーパーで拭き取る。本来の自分であれば必要無い行為に、頬が羞恥に焼ける。
しかしヘリオスを待たせている以上、早く戻らないといけないと『マリタイムシッパー』は下着とスカートを履き直し──

「あ、そうだ……！」

──スカートのポケットに入れたスマートフォンの存在を、思い出した。

ピンクをベースに、ヘリオスやジョーダンにデコられたスマートフォン。
流されるままにここまで来てしまったが、家族に連絡をするという手があったのを思い出した。
連絡帳のアプリにはトレーナーや友達の名前しか登録されていないが、記憶は迷わずに家族の連絡先──男子として生まれ育った家の電話番号を押す。

「あ、母さん！？　俺だけど──いや、そうじゃないの！　何か、変な福引を当てたらウマ娘になっちゃって──」

繋がった瞬間、『誰？』という無慈悲な声。
切られる前に慌てて状況を説明すると、『そういうことね』と納得したような声が帰って来た。

『ああ、特賞の『マリタイムシッパー』を当てたのね』
「……え？」

天気予報を告げるかのように、平然とした声。
悪戯と思われた訳ではない。例え電話越しであっても、自分を育ててくれた家族の声音くらいは判別できる。

『だって『マリタイムシッパー』を当てたのはアンタなんでしょう？　なら、しょうがないじゃない。がんばってね』
「いや、ちょっと」

プツリと、電話はそこで途切れた。
慌てて電話番号を打ち込み、『ママ』の連絡先へと繋ぐ──

『……ん？　マリちゃん、どうしたの？』
「……え？」
『マリちゃん？』

それは聞き覚えの無い声──ではなく。愛情を持って、『自分』をトレセン学園へと送り出してくれた『ママ』の声。

『マリちゃん？』
「ぁ……何でも、ないの。ちょっと声聞きたくなっちゃって……」

それから数分間だけママとお喋りをして、電話を切る。

「そっか……」

個室のドアに、背中を預ける。

「俺は……俺なのに、『マリタイムシッパー』なんだ……」

『彼』は、心配したヘリオスが個室のドアをノックするまで、呆然と立ち尽くしていた。

>実家はどうなってるんだろう…
こんな感じのが浮かんだ。寮の玄関に戻ってきた時の描写とは矛盾するので『そういうパターンもあるかも』程度に思ってくれれば

>G1勝ってウイニングライブの時に戻って欲しい
TSに戻るなどという選択肢は存在しない

まったくグレイトだぜ

理不尽な「常識」にどうしようもなくなるのいいよね

退路が絶たれてるの最高

本当に世にも奇妙な物語みたいになってる…

>>G1勝ってウイニングライブの時に戻って欲しい
>TSに戻るなどという選択肢は存在しない
よく言った
お前は男だ

>よく言った
>お前は男だ
まあもう身体はウマ娘なんですが

>>よく言った
>>お前は男だ
>まあもう身体はウマ娘なんですが
最高じゃん

いいもの見せてもらったよ…ありがとう

男を辱める趣味なんてないもんね…だから一生可愛い女の子にするね…

男の精神が美少女の肉体と環境に翻弄され続けるのが好き

>あげなおし
ありがとう…！

良…好…

むっ！

フケはどうなるんだろう

>元に戻ろうと福引引きまくるけど『膨乳』とか『母乳』とか『フェロモン』とか引いちゃって更に状況悪化したりとか
属性付与いいよね…

>フェロモン状態はヒトオスだけに効いてしまうのかウマ娘も掛かってしまうのか気になる所ですね
色んな相手を掛からせちゃってヘリオスに匿ってもらうんだけどやっぱり我慢できなくなったヘリオスに食べられたいよね…

過去の自分と付き合ったりしません？

デバフもののジーコみたいになってまともに日常生活送るのも一苦労みたいになって欲しいよね

寝る前に良いもの見れたよ
願わくば俺もそんな夢が見れますように

ランニング中にかつての部活動仲間とすれ違うんだけど
振り向くのはマリタイムシッパーちゃんだけなんだよね

恋愛的なシチュならしぶしぶトレーニングに向かってトレーナーさんと顔を突き合わせた瞬間存在しない記憶が次々とフラッシュバックして行き記憶の奔流が治まると同時こちらを心配して覗き込むようにしてきたトレーナーさんの顔を正面から捉えてしまって「なんでもありません♡」とか語尾にハートマークが付いてそうな甘い声で応えて欲しいいいいいいい

これ本当にいいものかなあ！？
世にも奇妙な物語で救いがない系の話じゃない？

>これ本当にいいものかなあ！？
>世にも奇妙な物語で救いがない系の話じゃない？
でも俺マリちゃんになれるなら喜んで今の生活捨てるよ

>ランニング中にかつての部活動仲間とすれ違うんだけど
>振り向くのはマリタイムシッパーちゃんだけなんだよね
すれ違った部活動仲間はあのウマ娘おっぱいでっか…ぐらいしか思ってなさそう

>>これ本当にいいものかなあ！？
>>世にも奇妙な物語で救いがない系の話じゃない？
>でも俺マリちゃんになれるなら喜んで今の生活捨てるよ
それは「」の人生がどうしようもなく終わってるだけでマリちゃんにさせられた男子学生はちゃんと充実した人生送ってたんだ

>でも俺マリちゃんになれるなら喜んで今の生活捨てるよ
自分からノリノリでTSするタイプの人はこの福引では絶対に特賞は当たらないと思う

>自分からノリノリでTSするタイプの人はこの福引では絶対に特賞は当たらないと思う
そうだね…
>それは「」の人生がどうしようもなく終わってるだけで
どうしてそんな酷いこと言うの…

>これ本当にいいものかなあ！？
>世にも奇妙な物語で救いがない系の話じゃない？
むしろTSする上で一番問題になる社会生活やらの問題が全部片付いててなおかつちょうど良いくらいに自意識が残ってるから最高に救いのある話だよ

>>でも俺マリちゃんになれるなら喜んで今の生活捨てるよ
>自分からノリノリでTSするタイプの人はこの福引では絶対に特賞は当たらないと思う
むしろ以降の長い輪廻をずっと虫けらや魚で過ごさせると思う
ホホホホホ！

マリちゃんヘリオスよりもチビなんだよな…

>恋愛的なシチュならしぶしぶトレーニングに向かってトレーナーさんと顔を突き合わせた瞬間存在しない記憶が次々とフラッシュバックして行き記憶の奔流が治まると同時こちらを心配して覗き込むようにしてきたトレーナーさんの顔を正面から捉えてしまって「なんでもありません♡」とか語尾にハートマークが付いてそうな甘い声で応えて欲しいいいいいいい
興奮したトレーナーに襲われて生理的嫌悪感が快楽と愛で塗りつぶされて頭バカになってほしい

くたびれたサラリマンが引退後のウマ娘に

>興奮したトレーナーに襲われて生理的嫌悪感が快楽と愛で塗りつぶされて頭バカになってほしい
そのまま体の脳みそがバグって母乳吹き出して欲しい

>>>自分からノリノリでTSするタイプの人はこの福引では絶対に特賞は当たらないと思う
>>むしろ以降の長い輪廻をずっと虫けらや魚で過ごさせると思う
>そんなのTS的にはなんも面白くないんよ
それはできません残念賞の受け取りは完了しましたし後ろが詰まってますのでって列から弾かれて終わりだと思う

>恋愛的なシチュならしぶしぶトレーニングに向かってトレーナーさんと顔を突き合わせた瞬間存在しない記憶が次々とフラッシュバックして行き記憶の奔流が治まると同時こちらを心配して覗き込むようにしてきたトレーナーさんの顔を正面から捉えてしまって「なんでもありません♡」とか語尾にハートマークが付いてそうな甘い声で応えて欲しいいいいいいい
相手が女性トレーナーで『俺は男だから大丈夫』『私は女の子だから気持ちを我慢しなきゃ』の板挟みになって欲しい

>相手が女性トレーナーで『俺は男だから大丈夫』『私は女の子だから気持ちを我慢しなきゃ』の板挟みになって欲しい
イケメンマリタイムシッパーという新地平！！

元々は男子だった子が望まないTSしてぐちゃぐちゃになってるのがいいって話に最初から乗り気の奴持ち出してもしょうがねえって事だろうに

いいもん読ませてもらいました…