北朝鮮 驚愕の教科書
宮塚利雄(山梨学院大学教授)

【著者は、中朝国境の中国人ブローカーから小学生向けの国語の教科書を入手したとのこと。嘘の多いと推定される在日朝鮮人とは異なり、日本には数少ない本物の北朝鮮専門家である。北朝鮮では小学校は4年間だけとのことである】

p28
北朝鮮は2002年9月から
人民学校を小学校に、高等中学校を中学校に名称を変更した

p39
ウォンスムニとは元帥様の朝鮮語読みである
北朝鮮では「ウォンスムニ」には金正日のことであり、「テウォンスムニ」(大元帥様)とは金日成を指す
朝鮮人民軍の階級は上から大元帥、元帥、次師、大将、上将、中将、少将、大佐、上佐、【以下省略する】

p40
朝鮮語では、元帥、怨(漢字が出ないので略す)、元首、原水は、ともにウォンスと発音するが、

p56
金日成が4人いたことを証明したのは、韓国成均館大学の李命英教授であった。
つまり、北朝鮮でいう金日成とは「本名が金聖柱(金成柱とは別人)というソ連で教育と訓練を受けた人物で、ソ連軍の替え玉戦略で金日成となった人物である」

p62
普天堡戦闘とは、1937年6月4日夜、金日成率いる
約2百名(90名との説もある)からなる部隊が、満州との国境沿いの朝鮮国内の町普天堡を襲撃し、面事務所を襲い、駐在所や小学校、郵便局などを焼き払った事件である。普天堡は、日本人26戸・50人。、朝鮮人280戸・1323人、中国人2戸・10人が居住しており、駐在所には5人の警察官(うち二人は朝鮮人)がいるだけだった
北朝鮮はこの普天堡の戦闘を金日成による抗日闘争の歴史的大勝利と捉えている

p63
北朝鮮は1967年6月に普天堡に近い恵山市内に高さ38.7メートルの、長さ30..3メートルの普天堡戦闘勝利記念塔を建てた

p64
普天堡の戦闘は、小学校1年生の国語の教科書で紹介されるほどに、北朝鮮では金日成神格化・偶像化には必須の「枕詞」的存在である

p65
ウエノムはこれ以後度々教科書に登場するのでウエノムについて説明しておこう
ウエノムは日本人の卑呼である。

p73
(一年生国語教科書を引用して)
偉大な領導者金正日元帥様は、御幼少の時、【学校を訪問して日本地図を見て】
偉大な元帥様は憤りを抑えることができませんでした。そこで墨で日本の血を真っ黒く塗りつぶされました。そうすると、この日、日本では本当に驚くべきことが起きました。突然、日本中が真っ暗になりました
この時から人々は偉大な領導者金正日元帥様は、空と土地も自由に動かされる才能をお持ちであると話しました

p74
全知全能の「現人神・金正日」という架空物語は、二年生の教科書にも登場する

p86
【全富億という人物の「金日成の嘘」という1988年の出版物から引用して】
「1978年2月日本で朝鮮総連中央常任委員会が発行した「分会学習班講師用提綱」である。つまり思想学習用のテキストなのだが、【金日成について次の点を挙げているとのこと】
①天下妖術を使う②東西南北を飛んで移動する③縮地法を使う【地面を縮ませることができる】④山・川を縮めて一夜に千里も移動する⑤一度に8カ所或いは10カ所も同時に出現する。⑥顔かたちが全く違う同じ金日成が7人いる⑦瞬間的に千変万化する⑧点に消えたり地下にもぐったりして姿を隠す9気象を自由自在に操ることができる。⑩古今東西のどの閉所にもないような巧妙な戦法を編み出す。」

いまこの日本で在日朝鮮人を相手にしたテキストの内容なのだ
筆者はこの資料を入手すべく、朝鮮総連の地人に訪ねると「以前はあったかもしれないが今はそんな時代ではないよ」と一笑に付された。

p102
あわてふためく天皇野郎
(国語教科書を引用して)
主体33(1944)年の春のことでした。日本<天皇>野郎が居る宮城では不思議な噂が広まりました。午後4時になると、初めには白頭山がある両江道の土地が揺れて
これは日本が滅びるという兆候だというのです。<天皇>野郎はこのような声を聴くたびに常に不安でした。<朝鮮に一度行って噂が本当なのか直接確かめてみないと>。<天皇>野郎は大勢の臣下を率いて出発しました。<天皇>野郎は白頭山から一番遠いところにある済州島に足を踏み入れました。案の定、午後4時を少し過ぎると済州島の地がゴーという音とともに揺れました。<これは本当に白頭山の仕業だというのか?><天皇>野郎は仰天して日本に慌てふためいて帰りました。

p112
金正淑は金日成の良き妻であり、金正日の母であったばかりでなく、金日成と共に抗日ゲリラ活動に参加した「抗日女性英雄」としても教科書にたびたび登場する
革命一家としての金一族への崇拝、偶像化作業は金日成・金正日親子と金正淑にとどまらず、金日成の祖父母や父母、それに金日成の兄弟にまで及ぶ