青森と秋田で線状降水帯 青森県内の新幹線駅が浸水
前線や低気圧の影響で3日は青森県や秋田県で記録的な大雨となった。午前中に青森県の津軽、秋田県の沿岸や内陸では線状降水帯の形成が確認され、気象庁は「顕著な大雨情報」を発表して災害への厳重警戒と安全確保を呼びかけた。警察によると、午前9時現在、人的被害の情報はない。
JR北海道によると、青森県今別町の北海道新幹線奥津軽いまべつ駅の1階部分が浸水した。新幹線の運行に影響はないが、駅に出入りできず、利用再開の見通しは立っていないという。
秋田県警によると、3日午前7時35分ごろ、同県小坂町の国道で車1台が土砂崩れで埋まった。運転の男性は自力で逃れ、けがはなかった。
気象庁によると、青森県深浦町で1時間に91.5ミリの猛烈な雨が降ったほか、秋田県八峰町でも72.5ミリの雨を観測し、両地点で観測史上1位の記録を更新した。両県では解析雨量に基づき断続的に「記録的短時間大雨情報」も発表した。
東北や北陸で4日昼前にかけて雷を伴った非常に激しい雨が降る恐れがあり、大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に引き続き警戒が必要だ。落雷、竜巻などの激しい突風による被害も懸念される。
気象庁によると、3日は前線が東北をゆっくりと南下し、前線上の低気圧が夕方にかけて東北を通過する。その後、前線は4日にかけて東日本を南下。前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、東北や北陸では大気の状態が非常に不安定になりそうだ。
4日朝までの24時間予想雨量は多い場所で東北180ミリ、北陸150ミリ。北陸ではさらにその後の24時間で50~100ミリの雨が降る恐れがある。
線状降水帯は積乱雲が連続発生し、風に吹かれて連なることで同じ地域に強い雨が降り続ける降水メカニズム。〔共同〕