林芳正外相”悲願の総理就任”に待ち受ける「3つのハードル」
岸田文雄総理(64)を会長に頂く自民党宏池会。そのNo.2である林芳正外相(61)はかねてから「総理大臣の椅子」につくことを悲願としていることは永田町では知られた話である。
林氏は、前回の衆院選で山口3区の河村家との”血みどろの争い”に勝利。参議院からの鞍替えを果たした。さらに地元・山口で絶大な影響力を持っていた安倍晋三元総理が急逝したことで、林氏の存在感が増すのは間違いない。しかし、それでも「林氏が総理を目指すにはいくつものハードルがある」(自民党関係者)と言われる。
①「人望」
総理になるためには自民党総裁の座を射止めねばならない。党内人気がないと話にならないのだ。しかし「林氏は人望があるとは言えない」と自民党若手議員は言う。
「林先生は”自分より能力が低い”と思った人を見下してしまう癖があり、露骨に態度に出てしまう。身内からあまり人気がないのです」
大手メディア政治部記者の評判も芳しいとは言えない。
「林大臣はオンもオフレコも冷静……というか話が”平板”なのです。夜の囲みもめったにやりません。ディフェンスが堅いというか、サービス精神がないとも言えます」
②「勝負勘」
林氏は昨年、総理になるための“前提条件”となる衆議院議員になった。だが、遡ること2012年にも実はチャンスはあった。山口2区の平岡秀夫法相(68)の対抗馬として林氏の名前が取り沙汰されたのだ。しかし……地元後援者が嘆く。
「『林さん、やりましょう!』と出馬を懇願したところ、『万に一つでも負ける可能性がある戦(いくさ)はやりたくない』と断ってしまった。あれにはガッカリでした」
確かに当時は民主党政権下。相手は現職で法相となれば苦戦する可能性はあり得たが、林氏の代わりに出馬した岸信夫氏(63・現防衛相)が当選。林氏に先んじて参議院から衆議院へ鞍替えをはたしている。次回の衆院選はいよいよ天下をうかがう戦いになる可能性があるが、“勝負勘”のない林氏が戦えるのか、不安な自民党議員は少なくない。