2022.07.30

元足利市長の私が体験した「旧統一教会」の選挙妨害とその全手口

地方政治にも侵食していた
大豆生田 実, 週刊現代

恐るべき選挙妨害

私は学生時代から統一教会に反対する活動をしていました。

当時、身近な者が一時的に統一教会に惑わされることがあり、以来、統一教会に注意を払うようになったのです。

私が統一教会の本当の恐ろしさを実感したのは、いまから21年前のこと。2001年に足利市長選挙に立候補した時でした。

当時はオウム真理教の地下鉄サリン事件(1995年)の記憶が社会に鮮明に残っていました。また、統一教会による合同結婚式や収奪的な霊感商法などが社会問題化し、新興宗教全般に逆風が吹いていました。

選挙でも統一教会の深いかかわりが指摘されてきた Photo/gettyimages
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当時、足利市議だった私は、現職市長の急逝後の市長選に立候補しましたが、選挙戦は怪文書が全戸に配布されるほど荒れたものとなりました。

そんな激しい選挙でしたが、統一教会にとって「反・統一教会」を公言する私が市長に当選することを阻止したかったのでしょう。

選挙戦の最中、統一教会の関係者によって、私は「統一教会信者」というレッテルを貼られてしまったのです。

選挙で最も大事な終盤になって統一教会系の「真の家庭運動推進栃木協議会 両毛支部」という団体の支部長が、私を名指しした上で「15年前頃に(大学生時代)統一教会の会員として活発な活動をされておられました」とネット上に書き込み、それが有権者に広がりました。

当時、統一教会への不信感は社会に根強く、「統一教会の会員」と名指しされた私は、この選挙で完敗しました。

ところが、私が落選すると一転、その支部長が私に謝罪の意を示し、次のような謝罪広告を自発的に新聞各紙に掲載したのです。

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