中国政府による香港民主制の破壊を個人の自由という観点から見てはいけないのだ、という。
だって、そんなこと言ったって、ぼくなんか、他の視点から観ようがないんだけど、と述べると、なんだか哀れな仔犬を観るような目になって笑っています。
テーブルの上にだしてあったタブレットのグーグルマップを見せてくれる。
ほら、ここが香港でしょう?
右を見ると、
と滑らせた指の先を見ると、そこには台南があります。
Xiamenでは長期の補給を担う能力がないからね、と述べている。「Xiamen」のところだけ、美しい北京語です。
ここに来て、果然、中国は台湾に武力侵攻することに決したのだ、という怪情報が世界を飛び回っている。
直截の理由は、もちろん、ウクライナ人に歓待されることを見込んで、作戦計画らしい作戦計画もなしに国境を越えて侵攻したロシア軍が、コテンパンに負けて、十日で作戦が終了する見込みで補給やら動員を考えていたのに、ずるずると五ヶ月を過ごしたウクライナ侵略の性格が変わって、というよりも戦争へのロシア国民の認識が変わって、NATOに象徴される「西側の拡大主義」に対する「祖国防衛戦争」というイメージを行き渡らせることに成功したからです。
こうなってしまうと、ロシア人は伝説的な耐久性を発揮して、テコでも退かなくなってしまう。
負けに負けて押し返されても、後方へいったんさがって、兵員を補充して、体制を立て直して、再度挑みかかってくる。
ロシアはこの「国民戦争状態」になると、経済制裁もたいした意味もなくて、いわばロシアというヨーロッパから極東にまたがる文明の、ヨーロッパ部分を捨てて、アジア人として戦場に帰ってくる。
この状態になったロシア人にとっての西側は「贅沢を供給する文明」です。
ところが、まるで母なるロシアの大地から生えてきたとでもいうようなアジア人としてのロシアは、食料もエネルギーも、その他もろもろの戦争遂行に必要な資源は、すべて自給できる、化け物の戦争体力を持った国として姿をあらわす。
戦争が長引くことは決定的になった、と中南海は判断したでしょう。
だとすれば、と習近平執行部は考えたに違いありません。
時期尚早だと独り決めにして、調略に注力していた台湾の武力による奪回を考えるべきなのではないか。
人民解放軍からすれば、対艦ミサイルをぶっ放しまくって、アメリカの空母攻撃群を全部沈めてしまっても、なお沖縄から飛来する米軍との戦いだけでも劣勢に立たせられるに違いない、成長途上でしかない空軍と海軍は劣勢でも、なお余り有る、時勢の加勢がある。
インテリジェンスからの引きも切らぬ報告に基づいて、対中国に軍事姿勢を転換しようとしていた、ちょうどそのタイミングでロシアがウクライナに侵攻したので、アメリカ軍の再編成はまだ端緒にもついていません。
まして、むかしチョシンで叩きのめされて、人民解放軍への劣等感と恐怖心を嫌というほど叩き込まれて、アメリカ陸軍の「中国恐怖症」のもとをつくった陸軍は、いまのままでは台湾で相見えた途端に、くるりと回れ右をして台湾の北端か南端に、あるいは、もっと状況がわるければ花蓮に逃げ込むことになりかねない。
かつては三正面に対応しうる巨大な軍隊だったアメリカ軍も、伝統的な戦闘から対テロリスト作戦に移行するにつれて、規模の縮小を続けて、オバマ大統領を経た時点で、1.5正面に対応するのがやっとの規模です。
トランプは、なおさらで、言うことは威勢がいいが、実際は自分に利益をもたらすためにアメリカ合衆国を改造しつづけることに熱中した結果、今度は規模はそのままだが、中身が空虚な状態になって、張り子の虎へ軍隊そのものが向かっていった。
トランプへの、将軍たちを含むアメリカ軍人たちの叛旗は、クーデター寸前まで行っていたのが、いまでは判っているが、戦争の恐ろしさを判っていない、なにをするか判ったものではない、危ないおっさんを軍の最高司令官として戴くことへの不安だけでなく、自分たちの軍の健やかな伝統をトランプが台無しにしようとしている、と感じたことによって動いたのでもあったでしょう。
呑気で優柔不断なバイデンが手をつけかねているうちにアメリカ軍は、どんどんボロボロになって、いまはどん底に近い状態にある。
軍首脳は一大改革を実行する前夜で、とにかく欧州正面からアメリカ軍を引っこ抜いて、ジューコフの西進さながら、正面の大転換をおこなって、あわせて軍の改革を行う直前の状態で、プーチンの軍隊がウクライナに、突拍子もない、というか、雪崩れ込んできた。
するとですね、どうなっているかというと、北は尖閣諸島から、南はスプルーアンス諸島まで、戦場を中国が選べる状態になっている。
この情勢をプーチン執行部と習近平の中南海が見逃すわけはなくて、日本のいわゆる(もう安倍首相の大失敗のあとでは戒名みたいなものだが)「北方領土」から沖縄まで、通常の迎撃対策能力調査だったのが、実戦に準じた、戦略爆撃機を中心とした編隊による演習に変わって、いまでは、居直っているというか、堂々とロシアと中国で合同部隊を組んだり、合同作戦の姿勢を取ったりして机上演習でやっていたことを、日本近海の上空でやるようになった、
恫喝としての意味はないので、要するに日本を攻撃する「練習」をしている。
そう言っては悪いが、国民党軍の伝統と考えればいいのか、台湾軍は有名な腐敗軍隊で、装備品の横流しなんて朝飯前、その結果、見えない部分(例:弾薬)の定数が揃う部隊のほうが珍しいくらいだと言われていて、まさに「張り子の虎」で、世界最弱の軍隊のひとつに数えられている。
一方の日本の自衛隊も、日本国内では、まるで違う話になっているが、
もしかしたら台湾軍より弱いんじゃないの?とヒソヒソされる軍隊で、
取り分け安倍政権のときに、利権という、あんまり戦闘に役に立たない理由と、見栄で弄り回したあげく、とんでもない有様になっていて、
チョー失礼なことをいうとヘリコプターの定数を見ると「7」なんてヘンテコリンな数が書かれていたりして、チョーチョー失礼にも、吹き出してしまう。
むかし軽井沢から高速道路で東京に戻る途中、どういうタイミングでか、日本海側に駐屯する自衛隊の車輌と頻繁に出くわしたが、モニさんがびっくりするくらい兵士のひとびとがデブデブで、なんだか相撲部屋のお相撲さんたちが、軍服を着てピクニックに出てきたように、みな楽しそうで、
ウキウキした様子で、見て判るほど車内ではしゃいでいて、皮肉でなく、
日本は平和な国だなあ、と感心していた見ていました。
あんまり正直にそのまま書くと、なにを書いても核心に触れたことを書けばコーフンして押し寄せてくる、いつものひとびとの「興奮スイッチ」が入ってしまうので、詳しくは書かないが、日本の自衛隊もまた、例えばバランスが悪い、なんだかオモチャみたいな空母まで持って、アメリカ人たちを苦笑させている国家としての見栄だけで出来たような編制も含めて、
世界最弱に数えられる、お飾り軍隊にしか過ぎない。
勢い、台湾に侵攻すれば、人民解放軍にとってはアメリカ軍との一騎打ちだが、例えば、月月火水木金金、毎日猛訓練に明け暮れていても、海軍は、ひとつの文化なので、そう一朝に出来上がるものではありません。
とにかく、これは昔から掛け値なく世界最強を謳われて、ベトナム侵攻ではボロ負けしてメンツを失ったけれども、ようやっと自信を取り戻して、現代化もITを中心にかなり進んだ人民解放軍の陸軍を揚陸させて、一方では香港の後方補給基地化を急いで、どんどん戦力を送りこみつづけるしかない。
海軍と空軍は、当然、この短い海上と陸上の補給路を守り抜くのが役割です。
しかし、まだ早い、というのが習近平たちの判断だった。
彼我の戦力を較べれば当然のことで小規模にちょっかいを出して、例えば台北を爆撃するとか、金門海峡の反対側から巡航ミサイルと空軍で台湾の要所を叩くとか、その程度でも、メンツを失いかねない。
言うまでもなく、中国文明に生きる者にとっては「メンツを失う」のは、大変なことです。
だから、危険はないわけではないが、台湾の武力侵攻は、秋に党大会まではあるわけはないし、どの程度の危険性かも、大会のあとで考えりゃいいや、ということになっていた。
ところが、ところーが。
プーチンがウクライナに侵攻して、ヘロヘロになりながらも、「ロシア相撲」の態勢に転換しつつあって、アメリカ人はへたれなので、コロナでボロボロになっている、と条件が揃ってきて、手のなかにあるカードが、だんだんロイヤルストレートフラッシュに見えてきた。
アメリカはせいぜいフルハウスくらいしか手をつくれないのではないか。
ここに来て、俄然、さまざまなソースから「中国政府は台湾の武力侵攻をすでに決意した」と流れてくるのは、ほんとうかどうかは別にして、要するにそういうことでしょう。
ここ数ヶ月で、確報として伝える人が増えてきて、例えば昨日も、
スペインに根拠地をおく香港人と台湾人の外交軍事専門家グループとおぼしき集団が、やけに詳細で事情をよく知っている詳報を流しはじめて、中国側は、ずっと監視していたのでしょう、激しくサーバーを攻撃していた。
実際に台湾武力侵攻が行われるとすると、主に気象条件によって、4月から10月です。
4月が上陸側に最も有利で、海は荒いが10月がそれに次ぐ。
昨日の詳報は、「今年の10月中だ」と言い切っていた。
たった三ヶ月先のことを言い切るのは、むかし日本で一世を風靡したという「新宿の母」じゃないんだから、ソースがばれてしまうので口にしない他の材料を握っているからです。
ただ十分に信憑性はある。
ペロシが台湾に向かっていたはずなのに、突然、ハワイに着陸して、
わざわざステートメントに台湾を外した訪問目的地を列挙したのは、外交なれしたひとびとにとっては、大変なことで、
米中のあいだは、これまでとは異なるレベルで緊張しているのが看て取れます。
ペロシもホワイトハウスも、もちろん黙っているが、訪問しないことになっていても、事前のアナウンスメントなしに、電撃的に台北を訪問する可能性は、まだ残っている。
その判断は、盛んに飛び交いだした台湾侵攻情報が現実かどうかの見極めがつくことにかかっているでしょう。
ひとつだけ判ってきたのは、今回の「侵攻準備」が、外交上のハッタリや威嚇ではないということです。
やるかやらないかは習近平の政治判断にかかっている。
もちろん、内政を含めて、ということになります。
ほんとうは、ここからが本題にならなければならないが、また悪い癖がでて、草臥れたのと、なにしろ現在Dark Netを基盤に起きている見えにくい世界のおおきな変化について書き始めたら「トランスジェンダー問題は、前々からおれたちが調べてきたことだ、受け狙いで横取りするな」という、日本語の文章が読めないせいの、トンチンカンなだけならいいが、極めて不愉快な、なぜかいつもこのコミュニティから愚か者がやってくる、はてなから、3バカトリオと呼びたくなるおじさんたちが現れたのに辟易したのとで、親切パワーというか大きなお世話パワーが枯渇している。
ま、自分たちの国の危機だから、勝手にやってね、という気持も少しあります。
簡単にすませます。
端折るので、揚げ足をとりに来ないよーに。
現実に台湾武力侵攻が始まった場合、人民解放軍が橋頭堡をつくるのは台湾の北端か南端です。
香港との位置関係を見ると南端の可能性が高いが、初めから米軍との正面からの激突を覚悟してくれば北端でしょう。
最も対岸の福建省から近い真ん中あたりを選ばない理由は簡単で、見ればわかる、断崖絶壁だからです。
中国政府は初めは沖縄を含めた日本への直接攻撃を全力で避けるはずですが、そうは烏賊の問屋がおろさない (←このあいだSF作家の飛浩隆さんに、可笑しがってもらえたので、嬉しくて、また使っている)
初めはアメリカ軍の施設と戦力が集中している沖縄を叩かざるをえなくなって、そこからは、なにしろ戦略上は、もともとそれが1945年に日本を抹殺せずに残しておいた意味で、日本という国はロシアと中国とアメリカの三つの国にとっては国がまるごとアメリカの、世界史にも空前の巨大な基地なので、ミサイルを動員して絶えず虱潰しにインフラを破壊していく展開になりそうです。
もうひとつ。
これは単にニュースを見ていて、痛いほど感じた人もいるでしょうが、プーチンという人は通常戦争の敗北なんて認められるほど強くも政治力もない人なので、だんだん敗勢が濃くなると核をぶっ放してやる、と公言していて、
周囲にも洩らしている。
人民解放軍は、いうまでもなく、むかしから公式に、「核が特別な兵器だというのは米帝国主義のプロパガンダで、くだらない。本質的にただの兵器なんだから、いつでも、ぶっ放しちゃるぞ」と述べていて、中国もロシアも、核使用への敷居を感じない国です。
核弾頭の応酬になると戦争の規模がいきなり数十倍、へたをすると数千倍になって、あとで例えば経済を再建するのがたいへんになる、という「向こうさんも核をもってるからな」という判断だけで使わないでいる。
もっとも考えられるシナリオは日本の東京、沖縄、三沢、岩国、佐世保、横須賀という地域に対して核を落とすことで、特に中枢神経にあたる東京と三沢、アメリカの「暴力」が集中する沖縄が、核攻撃の標的になっていく。
アメリカ本土やグアムに届くミサイルに較べて、中国にとっては日本までしか届かない安価な中距離ミサイルの在庫が多く、過剰在庫なのと、配備が始まっている日本に照準した新型巡航ミサイルを使ってみたい、という誘惑もあるでしょう。
限定戦争で終わる可能性もあります。
それどころか、ほんの小競り合いで済む可能性も高い。
もちろん戦争が、やっぱり、まだタイミングが早すぎるぜ、もうちょっとアメリカが落ちぶれて、こっちが経済筋肉隆々になるのを待とうぜで起きない可能性だって (当たり前だが)十二分にあります。
ほぼ純粋に党内で習近平がどういう立場にあるか、ということによっていて、中国の国内政治事情に依存している。
その場合は日本は、ああ、よかった、脅かすんじゃねーよ、ばあーか、ですむかというと、それどころか、
もう、あったりまえのように、あれよあれよというまに軍事国家化が始まって、表現の自由? ばあーか、おまえたちの表現の自由なんて、ただのデカ目デカ胸ミニスカだろうが、おれは自分がファンだから全部ばれてんだよ、で、70年つづいた憲法は、チャラになって、建て替えられた丸ビルや、原宿駅のように、安普請で、こんなんで20年保つの?な「新憲法」が成立するに違いない。
だって、日本にはデモの習慣は、平和デモから投石デモまで、なあんにも存在しないので、選挙でしか民意が反映されない、有名な「片翼民主制」だが、次の選挙まで、三年あるんだよ?
このタイミングで、台湾危機が表面化して、さっさと自由主義なんて捨てちゃえなければ、カルトべったりの右翼政権として沽券に関わるであろう。
そんな失策を犯しては、二度とたちあがれない。
カルト側はカルト側で、「戦前からの恨みを忘れずに日本人を犬として飼って、われらのために貢がせよう」と教祖が繰り返し述べていたのだから、
ここが勝負で、山上とかいう自分たちの家庭を崩壊させられたと逆恨みした信者の倅が、世にもチャチな自作銃で、盟友の元首相を殺して、
岸信介以来、いままで営々と築きあげてきた金城湯池の実態がばれて、宗教の皮をかぶせた組織が、まるごと潰されるかもしれない、おもいがけない事態に立ち至ったが、子飼いのLDP議員に喝をいれて、なんとか乗り切れそうだ、と、やっと安堵して三年を全力で駆け抜けようとするでしょう。
いっぽうで経済は二世代技術が遅れたのが祟って、お先真っ暗。
財政は日銀総裁が自ら中央銀行の役割を放擲して、後は野となれ山となれで、花道の掃除を始めている。
これだけ条件が揃っているときに隠してあった国家社会主義、つまりは全体主義の看板を表にかかげて、だって、おまえらって言論の自由をくれてやってもろくな議論をしなかっただろう、言論の意味も価値も判らないんだから自業自得だろうが、ばあーかで一気に強兵主義に駆け戻るでしょう。
ゆとり教育が揶揄言葉になって「おい、ゆとり、やっぱりとろいな、おまえ」と使われるくらいなので、きちんとして「自分に厳しい」折り目正しい若い人がたくさんあらわれて、老人たちを喝采させる未来は、もう眼の前なのだと言われている。
ここまで来てしまうと、「もう、おれ、知らねえ」は、それほど非難できない態度かも知れない。
もう十四年かな、「これをやると大変になる」みたいな余計なお世話を焼き続けて、山のように脅迫のお手紙をいただしたり、匿名掲示板の音頭取りで
ネトウヨのひとびとに嘘中傷を並べられて「反日ガイジン」として糾弾されたり、はてなのネトサヨのみなさんに、新小岩に住んでいるおっちゃんであることを「証明」されたり、ウソツキと連呼されて、根拠がないことを認めざるをえなくなると、今度はニセガイジンだというアイデアを発明して大学のバイト講師のおっちゃん指揮のオーケストラで「ニッセガイジン!ニッセガイジン!」の、考えてみると大好きな「ウジミルキン」と音脚を踏んでるじゃんね、と感心させられたりして、なにを言っても、くだらない反応しか返ってこなくて、「おれが主張してお墨付きを与えたもの以外は全部ウソ」が国民性だと判っているので、
何もしないためなら何でもする社会は、
誰がどうやっても、巨大な思考停止の慣性の法則に従って愚かさのツルツル表面を滑って破滅の壁に激突するだけで、
手の施しようがない。
せめても、巡り会った日本語の友だち同士で、なかよく暮らして、楽しい日本語のときを過ごそうとおもっています。
静かな東京の夜、頭上に、美しい流星があらわれて、太陽よりも明るく輝く、その一瞬が、やってくるまで。
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