「男子生徒向けの生理セミナー」を企画した、湘南学園の「Over the rainbow project(ジェンダーを考えるプロジェクト)」は、同学園の高校2年生が中心となって立ち上げたプロジェクト。今回は、プロジェクトの中心メンバーとなる生徒11名と担当教員の奈良先生に話をお聞きすることができた。
――「Over the rainbow project」は、生徒の皆さんが主体となって発足したとお聞きしました。そのきっかけは?
女子生徒A「LGBTQ+に対する偏見が、社会にまだまだ根強くあることに気付いたことがきっかけです。そこから当事者の方々が生きやすい社会になるきっかけになることをしたいと考え、このプロジェクトを立ち上げました」
――LGBTQ+に対する問題意識からスタートしたんですね。
女子生徒A「はい。LGBTQ+やジェンダーギャップについて悩んでいる当事者は湘南学園にもいると思うので、まずは学校内で活動をしたいと思い、その仲間を集いました。
そこでみんなとジェンダーについて広く話し合っているうちに、まずは生理について女子はもちろん、男子も学べる場を作ったらどうかということになり、今回の生理セミナーを企画しました」
――女子だけではなく、男子も学べる生理セミナーはとても珍しいですよね。
女子生徒A「そうかもしれません。当日はサニタリーショーツブランドを展開する『Be-A Japan』の方をお招きして、生理についてお話いただきました。
このセミナーは強制参加ではなく有志の生徒を募っての開催だったので、誰も来なかったらどうしようという不安はありました。けれど、実際には教室がいっぱいになるほどの男子が来てくれました。多くの男子が生理について関心をもって参加してくれたのは、とても嬉しかったですね」
男子高校生もナプキンを着用。校内の「生理セミナー」で彼らが学んだこと
学校での生理の学習といえば、一昔前は女子生徒だけが集められて仕組みや過ごし方について教えられるのが一般的だった。しかし今、その常識が少しずつ崩されようとしている。神奈川県藤沢市にある湘南学園では、高校2年生の有志生徒が「男子生徒向けの生理セミナー」を企画した。実際に生理用品に触れ、話を聞いた男子生徒たちにはどのような変化があったのか。本人たちを取材した。
プロジェクトのきっかけは、日常で感じる「ジェンダーの壁」
マサキヨウコ
1991年生まれ。新潟県出身。小学生向けファッション誌「ニコ☆プチ」(新潮社)の編集、教員向け専門誌の編集を経て独立。主にファッションと小学校教育に関する記事の執筆を行っているほか、子供に対する正しい性教育やジェンダー観の醸成についても執筆している。
新着記事NEW ARTICLE
沼落ち注意! Amazonプライムで視聴可能な「モンスター・パニック映画」ベスト5
夏休みに観たい映画と言えば、モンスター・パニック映画、略してモンパニ。観れば観るほど面白いモンパニの世界へようこそ! 今回はAmazonプライム・ビデオでお手軽に観られるモンスター・パニック映画を5本、ランキング形式でオススメする。
歩くだけで稼げる!? 学生起業家が生み出した「Stchar!」の可能性
2022年6月4日、「歩いて稼ぐ広告バイト」をテーマにした「Stchar!(ストチャー!)」アプリの正式版がリリースされた。iPadと専用バッグを使用し、iPadで広告動画を再生しながら指定エリア内を歩くだけで、その時間に応じた報酬を即日受け取れる「Stchar!」は、SNSやウェブメディアで話題となり、大きな注目を集めた。今回はそんな「Stchar!」を立ち上げた20歳の起業家2人に、サービス誕生の裏側や現状を聞いた。
ミステリアスな女from『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』【イラストレーター チヤキが描く映画の中の愛すべき女子図鑑】
映画コラムも執筆する人気イラストレーターチヤキが"ひとクセ"ある女子をピックアップ!
英、独、米。19世紀の有名画家たちは「働く子供」をどう描いてきたか?
世界には無限といえるほどの職種があるが、これらにまつわる様々な状況を、はるか昔から画家は意図的、ないし無意識に、描き続けてきた。こうした絵画に塗り込められた当時の人々の心を、作家の中野京子氏が読み解くシリーズ「名画の中で働く人々」。今回は19世紀の名画家たちが、厳しい境遇にあえぎながらも働く子供たちをどう描いてきたかに迫る。