2022.07.30
# ライフ # 音楽

吉田拓郎、井上陽水、南こうせつ…いまこそ夏の名曲ベスト50を決めよう!

『少年時代』と『夏休み』は欠かせない
週刊現代 プロフィール

『夏休み』と美人教師

郷愁を誘われる曲といえば、吉田拓郎の『夏休み』('71年)だろう。

多くの有識者が、この曲名を挙げた。田舎の子が夏休みを心待ちにする心情を歌った吉田の代表曲だ。

 

音楽評論家で尚美学園大学副学長の富澤一誠さんが振り返る。

「私は長野の須坂市という田舎で生まれ育ちました。まさに、この曲で歌われているような少年時代を過ごしたので懐かしい気持ちになります。

夏休みになれば、千曲川で水遊びをしたものです。そんなとき、歌詞にある『きれいな先生』を誘ったのもいい思い出。先生が結婚して、学校をやめてがっかりしたことも懐かしい。この曲を聴くと故郷を思い出すとともに『あの先生は何をしているだろう』と想像してしまいます」

一方、地方出身でない人もどこか懐かしい気持ちになってしまう。夏うたにはそんな名曲が多い。

船曳さんの『少年時代』

井上陽水の『少年時代』('90年)について、文化人類学者で東京大学名誉教授の船曳建夫さんは、こう語る。

photo by Gettyimages

「歌詞とメロディーのどちらも叙情性が高く、誰しも自分の少年・少女時代が鮮やかに蘇る名曲だと思います。私の場合は、臨海学校に行ったときの風景がまぶたに浮かびあがってくる。昭和30年頃だったと思います。

また、実家の隣に大きな家があったのですが、太陽の光が降り注ぐ庭に入りこんで延々とセミ取りをしていたことも思い出します。途中で住人と思われる老人がやって来て、『好きに捕っていいよ』とニコニコしながら言うんです。いま振り返ると、あの時間こそが私の『少年時代』でした」

「週刊現代」2022年7月23・30日号より

思い出をくすぐる「夏うた」メドレーはまだまだ始まったばかり!後編記事「やっぱりサザンは強かった…昭和世代に刺さる「夏うた」ベスト50を一挙公開!」でさらに紹介していく。

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