広島工を主将として引っ張った新井

 1994年の広島大会には、絶対的な優勝候補がいた。前年秋から広島県内の公式戦無敗の広陵だ。中心選手は140キロ超の速球を誇る本格派右腕の福原忍と、投打で「超高校級」の呼び声が高かった二岡智宏。「甲子園でも優勝候補に挙がる」と言われたチームを相手に、3回戦で「番狂わせ」を演じたのが新井貴浩主将率いる広島工だった。