駅のホームで何気なく、電車のパンタグラフを見て思ったこと。
ふと疑問に思った、素朴な疑問です。
電車に電力を供給する架線があり、そこに接する電車側のパンタグラフ。
パンタグラフとは電車の上で架線と接している、ひし形やくの字形であったりするアレです。
一般的には電車上部のパンタグラフが架線から電力を得て、電車は走っています。
(地下鉄など高さが確保できない路線では別の方式ですが。)
ずっと架線とパンタグラフが、擦り(こすり)ながら走ってるわけですよね。
新幹線なんて凄まじいスピードですので、摩擦も相当なものだと思います。
パンタグラフ側か、電線側が相当なスピードで削れて消耗いくのでは?
そんな素朴な疑問を、解決したいと思います。
架線(トロリー線)とパンタグラフは、両方とも摩耗しています
電車に電力を供給する架線(電線)を、トロリー線といいます。
トロリー線もパンタグラフも、摩耗ですり減っていました。
あれだけのスピードで走っているのですから、摩耗しないわけがありません。
パンタグラフの上面には、すり板という板が取り付けられています。
そのすり板とトロリー線が、接触しながら電車は走っています。
どちらも摩耗しますが、すり板の方が消耗しやすい材質になっています。
そのため、交換頻度が高いのはすり板です。
架線を張り替えるより、すり板を交換したほうが簡単ですからね。
トロリー線とすり板の材質はなに?
トロリー線とすり板の材質は、何が使用されているのでしょうか。
少々マニアックな疑問ですが、調べてみました。
トロリー線の材質
トロリー線の材質は、スズが入った銅合金。
スズを入れることによって、強度が上がり摩耗に強くなります。
純銅に比べると導電性は落ちますが、純銅では柔らかすぎてしまいます。
すり板の材質
すり板は炭素材に、銅を含んだカーボン主体の材質。
すり板はトロリー線と摩擦することで、摩耗しながら炭素の粉を出します。
この炭素の粉が潤滑油のような役割をして滑りやすくなり、摩耗を軽減させているのです。
新幹線には、焼結合金性の材料が使用されています。
すり板の摩耗する箇所は一部分ではなく、まんべんなく摩耗する
トロリー線とすり板が接触する場所が同じ場所だと同じ部分のみ摩耗してしまいます。
そのためすり板の接する場所が同じ場所にならないよう、工夫されていました。
すり板は、板全体が均等にトロリー線と接触するようになっています。
トロリー線は、線路に対して真っ直ぐに張られているように見えて実は違います。
トロリー線は、50mごとに50cmの幅でジグザクに張られているのです。
すり板全体に接触するように、計算されて架線が張られているのです。
よく考えていますね。
トロリー線とすり板の寿命はどれくらい?
すり板の方が消耗するとはいえ、トロリー線とすり板のどちらも摩擦による摩耗は激しいはず。
数分に1本の電車が走る都会と、1日に数本の地方ではトロリー線の交換する頻度は違うことは理解できますが。
交換頻度を調べてみました。
トロリー線の寿命
トロリー線の交換頻度は少なく、新幹線でも約10年の耐久性があります。
在来線では、路線に寄って違いますが、
2〜3分に1本の電車が走る東京の山手線ですら、約13年もちます。
トロリー線は、新品状態の時点で直径15.49mm。
直径15.49mmから5.99mmすり減ると、交換となります。
それがトロリー線の寿命ということ。
日本のどこかしらでは、毎日のように張り替え作業が行われているのでしょうね。
すり板の寿命
新幹線では、20,000kmで交換となっています。
東海道新幹線の東京〜博多間の距離が1,174.9kmですので、8.5往復で交換です。
すり板は、結構な頻度で交換しています。
在来線では路線によって違いますが、短ければ半年で交換します。
最後に一言
架線とパンタグラフは、摩擦で摩耗していることがわかりました。
ずっと擦れながら電車が走っているのだから、当たり前ですね。
架線は夜中にしか、交換作業ができません。
24時間電車が動いてたらいいな、と思うことありますよね。
僕も飲みすぎて終電を逃してしまうことがあり、1時間1本でいいから24時間電車が運行してたらいいのに、とよく思います。
しかしメンテナンスの時間がないと電車の運行が不可能だと、改めて実感しました。
夜中にメンテナンス作業をされている方のおかげで、安全に電車に乗れているのです。
それとトロリー線がジグザクに張られているのか、先頭車両に乗って見てみました。
意識して架線を見ると、ジグザクであることがよくわかりました。
気になる方は、先頭車両の運転席側を見てみてくだい。
本記事以外でも、電車の疑問を解決しています。
別記事もぜひ覗いてみてください。
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