茨城水産(株)

茨城水産は水戸市公設地方卸売市場に拠点を置き、水産物を中心に食品全般を扱う商社です。地元大洗町出身の私は祖父が漁師だったこともあり、海の物を扱う当社に興味を抱きました。仕事はその日に入った商品を仕分けして整理し、市場に来る仲卸や小売りのお客さまに相対販売する業務がメインです。朝が早いぶん、1日を有効に使えることも魅力でした。

入社以来私が所属する大物課。「大物」とは、マグロのことです。基本的に新入社員は、数年のうちに部署異動する可能性があります。しかし私は幸いにもずっと大物課に居られました。「幸いにも」と言うのは、海産物の中でもマグロはやはり花形だからですね。特に当社は「バチ」や「インド」と呼ばれる高級マグロが主流で、静岡の焼津漁港や神奈川の三崎漁港から水揚げされた新鮮なマグロが毎日、そのまま冷凍されて市場に運ばれてきます。これを「冷凍ラウンド」と呼び、その担当は私にとって憧れのポジションでした。新人の頃から冷凍ラウンドの担当を目指し、知識と技術を磨いてきました。

大物課に限らずメイン商品だけでなく、ネギトロなどの加工品や大根のツマなどさまざまな商品を扱います。1年目はそれらの発注からスタートし、値付けの相場観や商品の特性、販売のコツなどを習得していきました。3年目辺りから徐々に冷凍ラウンドにも関わるようになり、2017年に念願の担当責任者に就任。毎朝、裁断機で尻尾を落とし、流水解凍して番号順に並べ、キロ数などの詳細を把握します。難しいのは値付けです。水戸市場では中鉢と呼ばれる25キロから40キロのマグロを専門に扱いますが、収穫時期や水揚げ漁港によって毎日品質が変わります。相場を参考にしつつも慎重に状態を見きわめる、目利きの腕が試されるところですね。またお客さまによって「赤身が欲しい」「トロをたくさん」などと好みが違い、それぞれに合った提案をして喜ばれるのもこの仕事の醍醐味です。高価なマグロのプロとして、ずっと頼られる存在でありたいと思います。

プライベートでは入社2年目に結婚して、いま子どもが2人。2年前には一戸建てを購入しました。手当が潤沢なので同世代よりも収入が良く、社会人として自信と誇りを持って働けています。他には良い意味で「自由」なのが当社の魅力です。仕事の裁量が大きく、思いのままに活躍できますよ！

【江橋 剛生さん／鮮魚部 大物課 主任／2012年入社】