(2ページ目)教団を追うジャーナリストが明かす 旧統一教会 ”濃厚接触議員” | FRIDAYデジタル

教団を追うジャーナリストが明かす 旧統一教会 ”濃厚接触議員”

祝電、イベント参加、教団トップに花束を渡して絶賛 票欲しさに問題だらけの団体と蜜月に 閣僚級議員がズラリ、その数100人超

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この集会では、教祖夫妻の五女である文善進・世界会長(当時)が韓鶴子総裁の”みことば”を代読。
日本人信者に韓国への贖罪(しょくざい)意識を植え付けた上で課す、過重な献金負担(通称”責任分担”)が改めて可視化された。

「私は日本に言いたいです。私たちがひとつになるためには、過去に誤ったことを認め、これからは未来のために良くしていこうと手をつないでいかなくてはなりません。人間的に考えれば赦すことのできない民族です。しかし天の摂理において、真の父母は日本を世界のために生きるエバ国家、母の国として祝福しました。母の特徴は自分を顧みずすべてを惜しみなく与えてくれることです」

逢沢議員は精力的だ。’18年10月、議員会館の裏手に立つザ・キャピトルホテル東急(千代田区)で、統一教会系の政治組織・国際勝共連合が開催した「国際勝共連合創立50周年記念大会」にも、前出の山本議員や武田議員らと出席している。

この大会には多くの国会議員が出席したが、彼らのほとんどは顔出しだけで、30分程度でそそくさと議員会館に戻って行った。しかし逢沢議員は、いったん議員会館に戻った後、再び夜になって会場に戻ってきた。どうやら、晩餐(ばんさん)会での食事が目当てだったようだ。

それにしても、なぜこれだけ多くの国会議員が統一教会やその関連団体と付き合いを続けるのか。

統一教会側のメリットは、内部統制と体制保護にある。信者が過酷な献金要請によって信仰生活に疑問を感じたとしても、「こんなに偉い国会議員の先生が来賓として出席するほど素晴らしい団体なのだ」と納得してしまう。そして、教団側は警察の手入れや国会での追及に怯えることなく組織運営と資金収集に励み、布教活動に邁進できるというわけだ。

一方の政治家側にとってのメリットは、何といってもマンパワーだ。選挙時に限らず、無尽蔵のスタッフを無償派遣してくれるばかりか、後援会まで結成し全面応援してくれる統一教会はありがたい存在だ。

政治家が統一教会との関係を続けることができたのは、メディアがほとんど報じてこなかったことも要因の一つだ。これまで筆者は、’12年の第2次安倍政権発足以降、継続してこの不適切な関係を報じてきたが、問題の深刻さはなかなか世間には届かなかった。

山上徹也容疑者の凶行は許されるものではない。しかしその背景には、国会議員が国民の目から隠れて統一教会との関係を続けてきたという事実があるのも忘れてはならないのではないだろうか。

同様の事件を二度と起こさないためにも、政治家には襟を正してもらいたい。

萩生田光一議員は関連団体のイベントに参加、会費の支払いもしていた

’12年4月、関連団体の定例会で講演した下村博文議員。教団との「親密な関係」が取り沙汰されている(講演の画像は世界戦略総合研究所のHPより)
’16年7月、「ピースロード四国実行委員会出発式」では、実行委員長の平井卓也議員自ら先陣となり出発した(画像は「PEACE ROAD in Japan」のHPより)
菅義偉前首相にも疑惑は報じられたが、FRIDAYの取材に関与を全否定している
’19年10月5日、名古屋内のホテルでUPFが開いた国際指導者会議に参加した江島潔議員。主賓の韓鶴子総裁に壇上で花束を贈呈した(画像は「PeaceTV」より)

『FRIDAY』2022年8月12日号より

  • 取材・文:鈴木エイト

    ジャーナリスト

  • PHOTO:鬼怒川 毅(萩生田議員、下村議員、菅前首相) 原田義昭元環境大臣のフェイスブックより(表2写真) 世界戦略総合研究所のHPより(表3上写真) 「ピースロード岡山」のインスタグラムより(表3下写真)

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