南野陽子「実はビートたけしさんより先に講談社に乗り込んでます」
'80年代に一世を風靡したアイドル四天王の告白 自宅にCD500枚!「映画サントラ」の救い 学校帰りにグラビア担当を「襲撃」 8曲続けてオリコン1位! ナンノの「名曲工房」 父の死と「フルオーケストラ」コンサート
6月23日発売の南野陽子(55)のニューシングル『空を見上げて/大切な人』が、たちまちソールドアウト! ってこれ、昭和ではなく、令和のニュースである。
「昨年末、デビュー35周年のイベントでライブをさせてもらったら、すっごく楽しくて、嬉しくて! そのときに『ライブをやるならアルバムを作ろう』という話になって、16年ぶりに新曲を2曲作ったんです。それが今回、シングルカットされたというわけです。6月23日は私の誕生日なんですけど、『恥ずかしすぎて』で私が歌手デビューしたのも、18歳のバースデー。同じ日に表紙を飾らせていただいた『少年マガジン』と『ヤングマガジン』も発売されました。
私にとって節目の日なんです。マガジンといえば私、編集部に抗議しに行ったことがあります。実はビートたけしさん(75)より先に、講談社(おたく)に乗り込んでいるんですよ(笑)」
浅香唯(52)、工藤静香(52)、中山美穂(52)と「アイドル四天王」の一角を担ったナンノには名曲が多く、映画『スケバン刑事』の主題歌『楽園のDoor』、『話しかけたかった』『吐息でネット。』など、シングルが8作連続でオリコンチャート1位を獲得している。放送作家の木﨑徹氏は、「セルフプロデュースするアイドルのはしりが南野陽子」だったと言う。ナンノが振り返る。
「セルフプロデュースなんて思っていませんでしたが、こうしたい!! というアイディアやイメージが浮かんでくるので、スタッフさんには伝えていました。『こういう曲がやりたい』ってディレクターさん、作家さん、アレンジャーさんたちにお願いして、たくさんの曲の中からアルバムとシングルの曲を選んでいました。色々と実験もできた。いま思えば、すごく楽しい、とっておきの時間でした」
それでも、歌手活動再開に際しては、「皆さんご存じだと思うんですけど、歌は苦手なので(笑)」と躊躇(ちゅうちょ)したが、「音楽が大好き」という気持ちが上回った。
「父がクラシックと映画音楽好き、母がフォークソング好きで、常に音楽が傍にある環境で育ちました。人生で一番聞いたのが映画『愛情物語』のサントラ、カーメン・キャバレロの『トゥ・ラヴ・アゲイン』です。うちの車に8トラックのカーステレオが付いていて、いつもこの曲がかかっていた。8トラのカセットって3〜4曲しか入らないから、同じ曲を何度も聞かされるわけです。家族でハイキングに出かけたり、ワクワクするときに必ずこの曲がかかっていた。だから、好印象で刷り込まれているんです。デビューしてからも毎日、聞いていました。実はいまでも、お仕事前に気持ちを盛り上げたいときや、逆にクールダウンしたいときに聞いています」
ナンノの自宅には映画のサントラのCDが500枚近くあるという。小学校時代は母の影響でさだまさし(70)や吉田拓郎(76)、『赤い鳥』にハマッた。
「歌詞をルーズリーフに書いて友達にプレゼントしたりしていました。何の返答もありませんでしたけど(笑)。中学に上がるとスティービー・ワンダー(72)や『デュラン・デュラン』など、キラキラした洋楽の時代がやってきた。授業中以外、友達といるときも、電車で帰るときも、ずっと音楽を聞いていました」