最近仕事が忙しくてな、今も職場から投稿してんねん。
それは綱吉とユニが白蘭と言う名の不審者に出会って家に帰って来た後の事だった。
「ちね! リボーン!!」
牛柄の服を着たアフロ頭の幼児が綱吉の部屋の窓から侵入し、髪の毛の中に隠していたミサイルランチャーを取り出してリボーンの方に向ける。
明らかにアフロの大きさよりも大きいだろう、よくそんな物騒な代物をそんなところに隠しておけたな、てか何で俺の部屋にそんな物を向けているんだよ。
最近のとんでも展開に加え、白蘭という謎の頭お花畑に出会って頭の中が麻痺し掛けていた綱吉が心の中でそう思った。
別にこの謎のニヒルな赤ん坊を狙うのは構わないが何で自分の部屋まで一緒に攻撃を仕掛けるのか。
(あ、そっか。部屋ごと吹き飛ばした方が逃げ場も無いからか)
普段勉強の方には全く向いていない頭脳が刹那の間に回答を出す。
だからといってこの状況を覆す方法があるか無いかで言えば後者になるのだが。
「お前が死ね」
だがリボーンは最初から知っていたかの如く手に持った拳銃の引き金を引いた。
銃口から放たれた弾丸は吸い込まれるようにアフロ頭の幼児が持っていたミサイルランチャーに直撃した。
するとミサイルランチャーに亀裂が入り、亀裂から光が走る。
「ぐぴゃっ!?」
アフロ頭の幼児の断末魔の叫びは爆発音に巻き込まれて掻き消えた。
一連の行いを見て綱吉はリボーンが本当に容赦の無い奴だと言うことを改めて思い知る。
「な、なぁリボーン。今のはいくらなんでもやりすぎなんじゃ…………」
この場にユニが居なくて本当に良かった、心の中で安堵しつつリボーンに話しかける。
「なにがだ?」
「いや、だから今の――――」
「なにがだ?」
「いや、だから―――」
「なにがだ?」
「そうやって分からない振りしてたら誤魔化されると思ったら大間違いだぞ」
無理矢理にでもさっきのことを闇に葬ろうとするリボーンの態度に怒りを露わにする。
するとリボーンは「仕方ねぇな」と呟いて綱吉の方に視線を向ける。
「大丈夫だぞ。さっきの奴は死んでねぇ」
その言葉を聞いた後、家の外から幼子の泣き叫ぶ声が響いた。
念の為、窓の外から下を眺める。子どもは泣いているものの特にこれといった怪我は無い。どうやら本当に死んでいなかったらしい、その上無傷だ。
「なぁリボーン。あの子、お前の命を狙ってきたけど知り合い?」
「さぁな。俺は格下は相手にしねぇんだ」
中々に格好いいことを言ったリボーンを無視しつつ綱吉は幼子の方に視線を向ける。
どうやら大丈夫そうだ。しかしこのまま外で放っておくわけにもいかない。
そう判断した綱吉は外に出て行こうとし、その前に扉が開いた。
「つ、ツナさん! 今の爆発音は一体――――!」
部屋の扉を開けたのはユニだった。
しかしついさっきまでシャワーでも浴びていたのかバスタオルを身体に巻くだけという、はっきり言って全裸よりはマシとしか言いようが無い格好だった。
「ユニ。ちゃんと着替えてから来てね」
部屋に入って来たユニを宥めつつ、綱吉は部屋の外に出た。
+++
本人から事情を聞いた結果、ランボと名乗った幼子はボヴィーノファミリーと呼ばれるイタリアの中小マフィアに属することがわかった。
ランボがリボーンの命を狙っていたのは、最強の殺し屋というビッグネームがあったからだという。要するに名を上げたかったのだろう。
確かに、こんなナリでも実力は高い。正直綱吉が何人いても勝ち目は殆ど無いだろう。
もし倒すことができれば名を上げることだって夢じゃない。もし、倒すことができればの話しだが。
「なんていうか、こんな子どもがマフィアなんて思えないよ」
「オレも赤ん坊だぞ?」
「こんな赤ん坊がデフォルトだったら世界は今頃焦土になっているよ」
リボーンの戯言を聞き流しながら綱吉はランボをあやす。
やんちゃ坊主と言った感じで意外と可愛い、まるで手のかかる弟を持ったみたいだ。
「うぅ、わ、私だけのツナさんが…………ツナお兄ちゃんが…………」
部屋の隅っこの方でユニが不貞腐れた様子で此方を見つめているが、後で埋め合わせしておくことにしよう。
「ツナ~、ランボさんお腹減ったぞー?」
「葡萄味の飴しか持っていないんだけど舐める?」
「なめるー!!」
無邪気な様子を見せるランボの姿に思わず頬が緩む。
まるで昔のユニと戯れているようだ。本当に、何もかもが懐かしい。
「ツナツナー、良い物見せてやるんだもんね~」
飴玉を上げたことで気に入られたのかランボは上機嫌にアフロの中に手を突っ込む。
そして明らかにアフロの大きさよりも遥かに大きいバズーカが出てきた。
「じゃじゃーん! これがおれっちのファミリーに伝わる10年バズーカなんだもんね!!」
ランボは取り出したバズーカを高らかに掲げて見せびらかす。
一見してみれば普通のバズーカにしか見えない、しかし綱吉はそれが何なのかを視てしまった。
「いぎっ!?」
詳しく見ようとして眼を凝らした結果、飛び込んできた凄まじい情報量に綱吉はダメージを負う。
両の瞳から滂沱の如く血の涙が流れ落ちていく。
何だ、あれは一体何なんだ? とてもじゃないが死の線を視ることなんて出来ない。
例え視ることが出来たとしても間違いなく脳がパンクする。そもそもこんな物が存在して本当に良いのか?
「ぐぴゃっ!?」
「だ、大丈夫ですか!!? ツナお兄ちゃん!!」
両目を抑えて苦痛に呻く綱吉にユニは心配の声を掛ける。
ここ最近呼んでいたツナさんではなく、ツナお兄ちゃんと昔の呼び方にしている辺り、彼女も今回の事は予想外のようだった。
「お前はいっつも血ばっかり出してんな」
「…………俺だって、出したくて出してるわけじゃないよ。ユニ、大丈夫…………落ち着いたから」
ダバダバと血の涙を流しながら綱吉は心配するユニを制し、呆れた様子のリボーンに返事を返す。
「しかし、それが辺境のボヴィーノが持っているとされる十年バズーカか」
「リボーン…………10年バズーカって何?」
「簡単に言っちまえばあのバズーカに撃たれた奴は五分間だけ10年後の未来の自分と現在の自分を入れ替えちまう兵器だ。おとぎ話レベルの架空の兵器みてぇなもんだとされていたが…………お前を見てたらそれは本当だって分かったな」
「人を使って真贋を判断するなよ」
しかし、それならば納得できると綱吉は一人納得する。
そんな魔法のような道具、何の覚悟もせずに視たらダメージを追うのは当然の結末だ。
例え分かっていたとしてもそうなっていただろうが。
「にしてもこの世にそんな摩訶不思議な兵器があるなんて………いや、兵器なのかこれ?」
「ツナー、だいじょうぶ?」
「大丈夫だよ。こう見えても結構頑丈だから」
流血の方も止まっている為、心配そうに顔を覗くランボに元気な姿を見せる。実際のところスプラッタに見えるのは外見だけで、内面は既に大丈夫だ。
驚いたのは最初だけだし、10年バズーカとやらも集中して見なければ問題は無いだろう。
「おいリボーン! ランボさんとしょうぶするんだもんね!!」
そう考えているとランボがまたリボーンに絡み始めた。
やめれば良いというのに、ついそう思ってしまう綱吉だったがリボーンは興味無さげに呟く。
「俺は格下は相手にしねーんだ」
「ぐぴゃっ!?」
容赦無い台詞にランボは涙を浮かべる。
本当に相手にしないのかと呆れ顔を浮かべていると、ランボは泣き始めた。
最も、先程の自爆に加えてリボーンのこの態度では仕方がない話だが。
「が、が……ま……ん……うわぁああん!!」
泣き出したランボは10年バズーカの銃口を自身に向けた。
ランボの背後に居るユニにも、銃口は向かれていた。
「えっ、ちょ!?」
止める間もなく10年バズーカの引き金は引かれ、部屋一面に煙が広がった。