「子ども家庭省」見送り こども園、内閣府所管に
政府は27日、子ども関連政策の所管を一つにする「子ども家庭省」の創設を当面見送る検討に入った。2013年度の実施を目指す育児支援改革では幼稚園や保育所、幼保一体型の「こども園」は内閣府で所管する方向だ。民主党は09年のマニフェスト(政権公約)で「創設を検討する」と掲げていたが、調整に時間がかかると判断した。
27日開いた育児支援改革「子ども・子育て新システム」の検討会議で、小宮山洋子厚生労働副大臣が「新しい省庁をつくるのは体力がいり、時間がかかる。内閣府の中に新システムを担う部署をつくり、将来の子ども家庭省の種になるか検討したい」と表明した。
幼稚園は文部科学省、保育所は厚労省にそれぞれ所管が分かれており、縦割り行政の弊害が指摘されている。民主党はこれを解消するため「子ども家庭省」を新設して子ども政策の関係部署の集約を目指していた。
政府は今国会に新システム関連の法案を提出する方針だが、現時点で新しい省をつくる具体的な議論には着手できていない。このため、当面は内閣府に子ども関連の「局」や「室」を新設して対応する方針だ。
新システムで政府は当初、幼稚園と保育所を廃止し、こども園に一本化することも検討したが、幼稚園団体の抵抗が根強く、3つを併存させる方針を決めた。内閣府がこれらの保育・教育施設を所管しても、厚労省や文科省の部署をどれだけ移管するのかは未定だ。