中央アルプス摺鉢窪カールに亀裂見つかる 延長70メートル 飯島町、当面立ち入り禁止に

中央アルプス摺鉢窪カールの避難小屋(左奥)近くで見つかった亀裂=24日午前6時半

 上伊那郡飯島町は26日、中央アルプス摺鉢窪(すりばちくぼ)カールの底の標高2550メートル地点で、延長70メートル、幅50センチほどの亀裂が見つかったため、カールへの立ち入りを当面禁止すると発表した。亀裂は摺鉢窪避難小屋近くの地面で広がっており、町は、国や県と協議して原因や崩落の可能性について調べる方針だ。

 カールは南駒ケ岳と赤梛(あかなぎ)岳を結ぶ稜線(りょうせん)の直下にある。町地域創造課などによると、町から小屋の管理を受託している団体の役員らが23日午後、小屋から30メートルほど離れた地面に深さ1~1・5メートルほどの亀裂を発見。下山後の25日に町へ報告した。

 同課によると、カール下部は「百間ナギ」と呼ばれる断崖で岩盤がむき出しになっており、昔から崩落を繰り返してきた。登山客に対しては、登山口や山小屋、観光拠点などへの掲示で周辺への立ち入り禁止を呼びかける。

 町は、百間ナギの下のオンボロ沢が合流する与田切川の流域の地区などに状況を説明。26日に町役場で記者会見した下平洋一町長は、与田切川には複数の砂防ダムが設けられているとして「仮に崩落したとしても、土砂が流れてくるような状況にはならない」と述べた。