@chablis777
シャブリ

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(和彦)母さん 電話で言ったとおり僕は 暢子さんと…。
(重子)許しません。
結婚は 許しません。
♪~
♪「陽の光纏う朝」
♪「開く窓 願う姿」
♪「忘れない 机の前 あなたの場所」
♪「また会えたら話をしよう」
♪「あの日の続きを聴かせてよ」
♪「届いて この歌あなたへ」
♪「降り注ぐ順光線」
♪「照らす背には永久の願い」
♪「『大丈夫ほら 見ていて』」
結婚は 許しません。
だけど この間 電話した時は…。
結婚を認めるとは 言ってません。
熟慮の結果 あなたにはふさわしくないと判断しました。
そんな…まだ 会ったばっかりで…。
比嘉暢子さん。(暢子)はい。
昭和29年生まれ 沖縄県山原村出身。最終学歴は 山原高校卒業。
母 兄 姉 妹の5人家族。
アイヤーどうして分かるんですか?
調べたの?だから 1週間後に来いって…。
暢子さんが 小学5年生の時にお父様が病死。
借金返済のためにサトウキビ畑を手放しお母様は 工事現場や村のスーパーマーケット内職もして 家計を支えた。ご家族で 大学を卒業されたのは現在 教師をされている長女の良子さんだけ。大学と言っても 地元の短大。
どこか間違ってます?
あっ… スーパーマーケットではなくて共同売店です。
きょうどうばいてん?
あっ 村のみんなで お金を出し合って村のみんなのために…。
いいよ 長くなるから。
コソコソ調べなくても僕は 沖縄で暢子に出会って小さい頃から よく知ってる。
きょうだいも みんな仲よくすばらしい人たちだ。
あなたは だまされてる!
お姉様は しばらくご主人と別居されていた。妹さんは 地元の会社に事務職としてお勤めされていたけれどご病気で退職して 現在 無職。
お兄さんは千葉の牧場で牛飼いの仕事。
(2人)牛飼い?
あら ご存じなかった?
(和彦)知ってた?牛飼いとか 初耳さ。
ご実家の資産は 持ち家のみ。
地元の金融機関に借金がありお姉様のお給料などで細々と返済されている。
うちも 毎月送金しています。
以前 兄が紅茶豆腐という事業で失敗して。
こうちゃどうふ?
とにかく みんな いい人だってことは間違いないから。
家柄 家の格が釣り合いません。
家の格?
あなたのご家族と 私たちとでは常識も価値観も 違い過ぎます。
そんなの 話してみないと…。
青柳家は 代々大学教授や文筆家も多い 学者肌の家柄。
私の実家は 明治以来の実業家で私の父は 銀行の重役。
結婚に 一番重要なのは愛情だろ。
ハッ 愛情?
そんなものより 学歴や家柄の方がずっと信頼できます。
そんな…。あなたのことを 悪く言うつもりはないの。
ただ 和彦とは釣り合わないと言ってるだけ。
ほら こういう会話も成り立たないでしょう?
違い過ぎるのよ。
はぁ…。
大野 愛さんとはどうして別れたの?
今 彼女の話は…。
学歴も家柄も申し分ないすっばらしい お嬢さんだったのに。
嫁いだ家の作法に倣って家事一切を 切り盛りし働く夫を支える。
こちらの沖縄のお嬢さんにできると思う?
今はよくても いつか 必ず後悔する。
絶対 許しません。
母さん…。お義母さん…。
あなたに お義母さんと呼ばれる覚えはありません。
重子さん うちの名前は「沖縄のお嬢さん」ではなく比嘉暢子です。
だから?
確かに うちは学歴もないし 貧乏だけどうちの家族は母も きょうだいも みんな仲よしでもちろん たまには ケンカもするし兄の牛飼いのことも 初めて知ったけど心の底では しっかり結び付いている大好きな家族なんです!
それと もう一つうちは 結婚しても仕事を続けていつか 独立して自分のお店を持ちたいと思っています。
はぁ…!仕事を続けることは 僕も賛成してる。
あなたは 何も分かってない!
父さんが生きていたらこの結婚の話には 賛成してると思う。
父さんは 沖縄のことをライフワーク…。
あなたも お父さんも どうしてそこまで 沖縄のことに執着するの?
私には 到底 理解できません!
とにかく もう決めたから。
誰に反対されても 僕は暢子と結婚する。
帰ろう。
絶対 後悔します。
もう してるよ!
母さんの子供に生まれたこと。
僕は 好きで 母さんの子に生まれたわけじゃない!
・(波子)坊ちゃま。
・和彦君 待って!
待って!
ごめん。つい 頭に血が上ってしまって。
だけど 和彦君も言い過ぎさ。
昔 和彦君のお父さんとお母さんがお互いを好きになったから和彦君がいるんだよ?
家同士が勝手に決めた縁談だったんだ。
お互いが好きになったわけじゃない。母さんは お手伝いさんが当たり前にいる家の 箱入り娘で学者肌の父さんとは最初から 反りが合わなかった。
父さんと口論したあとは 決まって裕福な実家との違いを嘆いていた。
僕は 物心が付いた時から両親は 毎晩のように言い争い僕は 食卓を囲むこと食べること自体 嫌になっていった。
そんな僕を心配して父さんは 僕を沖縄に連れていき母さんから遠ざけてくれたんだと思う。
そうだったわけね。
やっぱり 結婚の話は母さんを無視して進めるしか…。
それは 駄目。
うちは お母ちゃんをがっかりさせたくないしちゃんと 披露宴をやって喜ばせたい。
和彦君のお母さんにも うちのことこの結婚のことも認めてもらって披露宴に出てほしい。
諦めないで 頑張ろう。
うん…。
♪~(三線)
(拍手)
(長嶺)次 比嘉歌子さん。(歌子)はい。
(長嶺)ネーネーの披露宴で歌う唄の練習だったね。
はい。(長嶺)どうぞ。
♪~(三線)
♪「てぃんさぐぬ」
(つっかえながら)♪「花」
♪「てぃんさぐぬ」
(つっかえながら)♪「花」
今日は ここまでにしとこうか。
すみません。もう一度 歌わせてください。
うちは… 諦めたくありません。
♪~(三線)
(小太郎)仕事を辞めるつもりはない?
(良子)はい。
(石川)家事も育児も2人で分担して 助け合って家族3人 もう一度やり直すと決めました。
良子さん あんた 料理は得意か?
いいえ。
石川家では 女たちが 行事の際の御三味料理を作るのが しきたり。
(修)来週 仏壇行事がある。
あんた 御三味料理作ってきてくれるか?できないんだよね?本家の嫁は 務まらん!
お父さん…。
(博太郎)おじぃと おじさんの言うとおり。
博夫 これが最後ヤサ。
長男としての自覚を持て!
(良子)私は 諦めません!
私は 博夫さんの妻石川家の家族です。
そして 働くことに誇りを持っています!
仕事は 辞めません!
その上で 家族の一員と認めてもらうまで絶対に 諦めません!
(賢秀)これからは 心を入れ替え身を粉にして働いて真面目に コツコツ頑張ろうと思いました。
(寛大)うん。 よく言った!うん。
でも… 諦めます!
結婚する妹のために 長男として…一発 ド~ンと勝負に出ます!お世話になった ご恩は一生忘れません!
じゃあ!待ってろよ 暢子~!
(三郎)そいつぁ なかなか 手ごわいな。
(順次)構うことないよ。結婚は 当人同士の意思が 一番重要さ。
駄目です。うちは お母ちゃんにも約束したし和彦君のお母さんにも祝福してもらいたい。
そのためには まず 和彦君がお母さんと仲直りしないと。
いや だけど…。
昔 和彦君が 初めて沖縄に来た時うちのお父ちゃんが言ってたさ。
 回想 (賢三)和彦君と 仲よくなれない?
俺たちとは住む世界が違うぜって感じさ。
完全に 俺たちをバカにしてる。
東京の中学生ならいろんなこと知ってるから友達になれば面白い話が たくさん聞けるはずよ。
友達になるって どうやって?
うちらのこと 嫌いみたいだのに。
相手に好きになってもらうには…。
まず 相手を好きになることさ。
諦めずに 話しかけてみれ。
そんなことがあったんだ。でもなあ…。
ヤサ!
分かった! いい考えがある!
(和彦)何?(三郎)何すんだよ?
おいしいものを作って和彦君のお母さんに 食べてもらうわけ!
よ~し…。
あ~…。
何作ろうかな…。


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