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秋葉原無差別殺傷、加藤智大死刑囚の死刑執行

(更新)

法務省は26日、東京・秋葉原で2008年に7人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた加藤智大死刑囚(39)の死刑を執行したと発表した。死刑執行は21年12月以来で、岸田文雄政権では2回目。事件では孤立を深めた末に凶行に至った経緯が明らかになり、社会に大きな衝撃を与えた。

古川禎久法相は26日の記者会見で「強固な殺意に基づき敢行された無差別殺人で、7人の尊い命を奪うなど極めて重大な結果を発生させ、社会に大きな衝撃を与えた。慎重な上にも慎重な検討を加え、執行を命令した」と述べた。刑事施設に収容中の確定死刑囚は106人となった。

確定判決によると、加藤死刑囚は08年6月8日、休日で歩行者天国だった秋葉原の交差点にトラックで突入。通行人をはねた後、トラックを降りて通行人をダガーナイフで次々と刺し、計7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。

裁判で加藤死刑囚側は起訴内容を認める一方、「犯行時は心神喪失か心神耗弱だった可能性がある」として刑事責任能力を争った。一審の審理期間は1年以上に及んだが、11年3月の東京地裁判決は「精神障害はなく、刑事責任能力に欠けるところはない」として、死刑を言い渡した。二審・東京高裁、最高裁もこれを支持し、15年2月に死刑判決が確定した。

秋葉原無差別殺傷事件 2008年6月8日午後0時半ごろ、東京・秋葉原の歩行者天国で元派遣会社社員、加藤智大死刑囚が運転するトラックが交差点に突っ込んで歩行者をはねた後、車から降りて殺傷能力の高いダガーナイフで次々と通行人を襲った。計7人が死亡、10人が重軽傷を負った。

加藤死刑囚は事件当日、インターネットの掲示板に犯行を予告していた。逮捕後の取り調べに「現実が嫌になり、ネットでも無視され、大きな事件を起こそうと考えた」と供述。事件後、現場の歩行者天国が一定期間中止となったほか、犯行に使われた刃渡り5.5センチ以上の短剣の所持を禁じる改正銃刀法が施行されるなど、社会的にも大きな影響を及ぼした。

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