西)ニュースの中の気になる言葉に注目するコーナー、「ニュースの言葉」です。西美香と橋本星奈、私たち2人でお伝えします。今回は「合同結婚式」です。

西)この言葉、今から30年ほど前にも注目を集めました。橋本さんは記憶にありますか?
橋本)30年前ですと私は生まれていないですね。
西)私は小学生の頃でしたが、テレビでさかんに報道されていたのは覚えています。合同結婚式は、世界平和統一家庭連合、旧統一教会が主催する複数のカップルが合同で行う結婚式で、正式名称は「国際合同祝福結婚式」です。特に30年前の1992年に韓国・ソウルで行われた式には、芸能人や元スポーツ選手が参加したことで話題になりました。
橋本)新郎新婦がこれだけの数並んでいるのは見たことないです。
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西)当時は、教会の創始者である文鮮明氏が結婚相手を決めていました。文夫妻は、神から遣わされたまことの父・母であり、その導きで家庭を作ることで救われる…という信仰で、旧統一教会の存在意義にも関わる重要な儀式と言われています。
西)合同結婚式に参加した元信者の女性によれば、文鮮明氏の決定は絶対で、「どんな国の人であっても、どんなに学歴がなくても何か経済的に難しい事情がある相手だとしても全てを神に預けて、断っては決していけません」と、事前に誓わされたと言います。
橋本)どんな相手でも断れないというのは、結婚をすることの自由があるのか疑問に思いますが…一方で、創始者の文鮮明氏はもう亡くなっていますよね。今はどうなっているんですか。
西)家庭連合のホームページには「各教会のマッチングサポーターが応募者の書いた申請書をもとに、その人に合ったパートナーを祈りながら探し、ご紹介します」とありました。
橋本)マッチングサポーターですか?
西)はい。しかも、文鮮明氏の決定は絶対でしたが、現在は紹介された相手が気に入らない人だったら断れるとありました。
橋本)結婚相談所と変わらないように思えますが。
西)この辺りさらに詳しく、家庭連合に聞いてみました。文鮮明氏が高齢になり、自身で結婚相手を選ぶことが難しくなってきた時点で、教会員の家庭の面倒などを見る「家庭部長」と呼ばれる立場の人が「マッチングサポーター」として親代わりとなって相手を選ぶよう方針が変わったそうです。親が信者の2世の場合は親が相手探しをします。
橋本)もともとの前提とずいぶん変わってるんですね。
西)ただ、過去にはこんな問題もありました。1995年の式に参加した元信者の女性。結婚相手の韓国人男性からひどいDVを受けた上、相手が日本での永住権欲しさに統一教会を利用していたことも分かりました。数千人の日本人女性が韓国に嫁いでいると見られますが、中には相手が「にわか信者」であるケースもあるということです。
橋本)数千人もですか!?
西)また、霊感商法の問題に取り組む弁護団によれば、式に参加するために当時は1人140万円の献金が必要で、合同結婚式が教団の大きな資金源となっているとの指摘もあります。
橋本)新郎新婦ともに信者なら1家庭で280万円…
西)一方、元信者が合同結婚式の婚姻の無効を求める訴訟も相次いでいて「婚姻の意志の不在」を理由に婚姻無効を認める最高裁判決も出ています。
西)家庭連合に確認したところ、献金額について現在は1世信者は70万円。2世以降は一律20万円としていて、教祖の死を機にシステムが変わり献金額も下がっているということです。
西)今回のニュースの言葉は「合同結婚式」でした。
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