カスタマーレビュー

2022年7月20日に日本でレビュー済み
Web3の基本項目がうまく整理され、各項目ができるだけシンプルで丁寧に解説されてました。トレンドやビジネス展望のノイズ情報ができるだけ排除され、事業や開発を進める上で最低限押さえたい用語が適切な粒度で網羅的にまとまっています。

Web3については重要な用語やポイントやその違いに意外と気付いていない人が多いのではないでしょうか。インターネット上で流れている情報はバラバラに発信され、変化も激しく、整理された情報はほとんどありません。Web3に関する本もたくさん出てますが、Web1,2しか理解できていない人向けに抽象度を上げてイメージしてもらうことを優先したものや、ビジネス事例やマーケット・投資のトレンドや予測が中心なもの、金融や特定の技術に特化した内容という感じで、Web3の基本項目を網羅的に整理したものがなかったのです。

そんな時にこの本に出会いました。一覧や比較にはシンプルな図と表が用いられ、(トレンドやビジネス事例中心の)ノイズが少なめで、解説分もわかりやすいのが特徴的でした。一覧としての項目の粒度もちょうどよく、比較対象が全般的に網羅されていました。本の構成が、1.Web3→2.トークンエコノミー→3.NFT(+メタバース)→4.DeFi→5.DAO→6.ブロックチェーン技術(開発者より)→7.課題・展望(ビジネス関係者より)となっており、1.から5.の流れは技術的な発展段階と同化していため、個人的に一番スムーズな流れで非常にわかりやすく感じました。ビジネス側や開発者の双方にとっては、この粒度と流れで押さえると一番よさそうなので、教科書・辞書的につかえそうな一冊だと思います。興味のあるの章から読んでもしっかり理解できそうでした。

最後の章は、日本に於ける資金調達(世界のWeb投資についても)・規制・税制の課題・解決方針や、今後の展望がまとめて書かれてました。課題については解決ソリューション案まで書かれてるのが非常に丁寧でした。

一方、インターネットやコンピューターの始まりとWeb3の始まりはどう類似したり、今度どのように変化するか、ビジネス面の戦略や展望はそれほど書かれていません。ここについては別のWeb3やメタバースの本を参考にするのがよさそうです。
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