マイクロ波聴覚効果とは、マイクロ波が一定の条件で聴覚を刺激する現象ですが、マイクロ波聴覚効果は、幻聴、統合失調症などと関係があるのかが問題になります。
ということで、今回は統合失調症などの治療薬がトピックになります。いわゆる向精神薬のことです。
日本心臓財団のホームページには、向精神薬が不整脈を誘発する旨が明記されています。具体的には、クロールプロマジン、フェノチアジン、ドロペリドール、ハロペリドール、リスペリドン、チオリダジンなどが記載されています(文献1)。
向精神薬が不整脈を誘発する作用機序としては、心筋細胞のカリウムチャネルに作用して、心電図で観察されるQT時間が延長するという薬理になります。
カリウムチャネルについては、しばらく前のブログ記事を参照ください。
心電図では、P波、Q波、R波、S波、T波、U波などの波が観察されますが、QT時間とは、Q波とT波との間隔であり、Q波、R波、S波、T波が含まれます。
ちなみに、チオリダジンは統合失調症の治療薬でしたが、QT時間の延長という副作用だけでなく、突然死の報告もあったので、既に発売中止となっています。
ところで、統合失調症の患者さんは、突然死することがあるのですが、もしかして、もしかして、向精神薬が心筋細胞にあるカリウムチャネルの正常な機能を阻害し、致死性不整脈を誘発したのかもしれません。
なお、統合失調症の治療、向精神薬、心電図検査などについては、医師に相談するようにお願い申し上げます。
文献
1.薬によっておこる不整脈、日本心臓財団、2006年2月2日
https://www.jhf.or.jp/check/opinion/1-5/post_4.html