渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ビリヤードキューの太さ

2022年07月24日 | open


少し前、ビリヤードをやらない
二輪仲間がうちに遊びに来た。
玉撞きの話になり「キュー見る?」
と訊いたら見る見ると言うので
ケースから出して見せた。
すると、瞬間「ふとっ!」と言っ
た。
多分、ビリヤードはやらないが、
動画や画像では観た事はあるだ
ろう。
しかし、動画や画像では撞く時の
フォームのものが多いからから、
シャフトの印象が強いのだろう。
バットがこんなに太いとは思わな
かったようだ。

ビリヤードのキューのうちポケット
ビリヤードのキューの寸法は大体
決まっている。
お尻のキューエンドが大体32Φ、
ジョイント部が21Φ、先角が13Φ
から12Φだ。単位はミリ。
これ不思議なもので、重さはオンス、
長さはインチで表現されるのに、
アメリカンキューでも直径のみは
メートル法なのだ。
でもジョイントのピンネジの規格
は今でもインチだったりする。

プールキューの長さは大体58インチ
=147.32センチが標準だ。
私の完全オリジナルキューはバット
シャフト共に長く、60インチ=152.4
センチにしてある。
私の身長が173センチ台なので、60
インチキューを立てるとキュー先が
大体顎の下に来る。
この60インチがかなり使い易い。
私のTADは59インチで149.86センチ
だ。
アダム・バラブシュカは57インチと
短く、144.78センチだ。
たった数センチの差で、台上の守備
範囲に大きな差が出る。60インチを
使うと、バラブシュカコピーモデル
などは子ども用のように短く感じる。

ただ、アメリカ人は大柄な人たちが
多い中、58インチ標準にしたのは
何かの意味があったのだろう。
長いキューはブレは物理的には
きくなる。短い程ブレは少ない。
長さだけから見ると。
ほんとはそこにシャフトのテーパー
の解除やバットの造り方、キュー
先の重量等が加味されてキューの
振動がどうなるか決まって来る。

ベニヤ構造であれ、キューは木材
を使う限り必ず個体差がある。
また、どれが「良い」「悪い」は
一概に決められない。
ブレが全く無いキューを良いと感じ
る人もいれば、ある程度トビが出る
特性を好む人もいる。
手玉がやたら直進するキューだと
カーブショットなどの曲げ玉の玉筋
が出しにくかったりもする。
キューは完全に使う人の好みで選択
されるもので、どれが良い悪いは
画一的には決められない。
私などは、打感も芯のあるスティフ
な物で音が澄んだ高音を発する個体
を好む。

日本刀の身幅が凡そ一寸が一つの
規矩(きく)というモノサシの基準
であるように、ビリヤードのキュー
の太さの基準にも何らかの意味が
あるのだろう。
奇しくも、ビリヤードキューの尻
の直径は、ほぼ標準的日本刀大刀
の鍔元の身幅と同じサイズだ。
身体の大小関係なくそうしたサイズ
が洋の東西問わずある。
そこには、人間工学的な何かの根拠
があると思われる。
一つの普遍性を持つような。
 

この記事についてブログを書く
« 八戸から東北を南下 | トップ |