国家公務員

【国家総合職】「教養区分」とは?どんな試験?

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 「教養区分という名前は聞いたことあるけど、どんな試験なの?」
「他の公務員試験とはどう違うの?」

そんな疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
公務員試験は種類がたくさんあって複雑で、どれを受験すると良いのか分かりづらいですよね。

今回は、国家総合職教養区分とはどんな試験なのか、受験することでどういうメリットがあるのかなど、国家総合職教養区分の概要についてわかりやすく解説していきます。

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令和4年度(2022年度)国家総合職(院卒者・大卒程度)試験日程

申込受付期間3月18日(金)~4月4日(月)
第1次試験日4月24日(日)
第1次試験合格者発表日5月6日(金)
第2次試験日 筆記5月22日(日)
第2次試験日 政策課題討議・人物5月24日(火)~6月10日(金)
最終合格者発表日6月20日(月)
※院卒者試験(法務区分)及び大卒程度試験(教養区分)は別途秋に実施

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そもそも「教養区分」ってなに?

国家総合職試験は、国家公務員になるための試験です。

国家公務員とひとことで言っても、「総合職」「一般職」「専門職」など様々な種類があります。

国家総合職試験はその名の通り、総合職を目指す人が受ける試験になります。

では、「総合職」とはどういった職種なのでしょうか?

人事院は、国家総合職を

「主として政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する職員」

としています。

なんだか難しい言い回しですよね。

わかりやすく言うと、国家総合職は国の政策を企画立案することが主な職務としています。

いわゆる「霞が関」で働く「官僚」と呼ばれる職ですね。

「官僚」になるための国家総合職試験ですが、その中でも「試験区分」というかたちで種類が分かれており、試験区分の数は20種類にも及びます。

これらの「試験区分」によって、受験科目等の試験方式が異なるほか、合格後採用される際にも省庁ごとの採用数が異なることがあります。

数ある試験区分のうち、「教養区分」とはどのような試験区分なのでしょうか?

国家総合職の試験区分は主に院卒者向けの「院卒者区分」と主に大卒者向け「大卒程度区分」の大きく2つに分けられます。

教養区分は大卒程度区分の1つであり、主として大卒者向けですが、大学卒業見込みの人も受験することができます。

教養区分を他の大卒程度区分と比較したとき、

  1. 受験できるタイミング
  2. 試験内容

の2つの点があります。

それぞれ説明していきましょう。

受験ができるタイミング

教養区分の特徴1つ目、受験できるタイミングが教養区分と他の大卒程度区分では大きく異なります。

まず、試験の実施時期が教養区分は秋(9月〜11月ごろ)なのに対し、他の大卒程度区分は春(4月〜6月ごろ)です。

次に、受験資格が、教養区分は20歳から受験できるのに対し、他の大卒程度区分は21歳からになっています。

そのため、一般に教養区分の方が他の大卒程度区分よりも早いタイミングで受験できるのです。

具体的なケースで考えてみましょう。

大学在学中の場合だと、他の区分では4年生の春まで受験できない場合でも、教養区分は3年生の秋(浪人や留年休学をしている場合は2年生の秋でも)受験することが可能です。

そして、秋の教養区分と春の他の区分は併願可能なので、仮に教養区分に挑戦し不合格になってしまっても、翌年の春に他の区分で再チャレンジすることが可能になります。

先に教養区分を受験することで、国家総合職試験に合格するチャンスを増やすことができるのです。

また、3年生の秋の時点で試験に合格しておくことで、4年生の春夏は試験のことは気にせず民間就活に注力することができます。

国家公務員だけでなく民間企業を併願したいという方には魅力的ですよね。

民間企業との併願の点で、就活を控える大学3年生以下の方にとって教養区分の受験が大きなメリットになることがわかりました。

では、大学4年生の方はどうでしょうか?

実は教養区分は、大学4年生の方にとってもメリットがあるんです。

教養区分を4年生の秋に受験し合格した場合、その直後に後述の「官庁訪問」をすることで、翌年の春から国家公務員として働き始めることができます。

つまり、4年生の夏までの就職活動を通じて「やっぱり国家公務員に興味が出てきた」という場合でも、秋に教養区分を受験することで、就職時期を遅らせることなく国家公務員として働くことができます。

このように、教養区分は他の大卒程度区分と受験できるタイミングが異なることによって様々なメリットがあります。

試験内容

教養区分の特徴2つ目、試験内容が教養区分と他の大卒程度区分では異なります。

他の区分では、「法律」「経済」など、試験区分ごとに専門的な知識が必要とされます。

一方、教養区分の場合、詳しい試験内容は後ほど詳しく説明しますが、受験する上で専門的な知識は必要とされていません。

他の区分で必要とされる専門的な知識については、予備校等を利用することで学習することができますが、専門性ゆえに習得までそれなりの時間が必要です。

教養区分ではそうした専門的な知識は必要無く、文字通り「教養」としての知識で十分なため、比較的短い時間で習得することが可能なのです。

そのため、短い準備期間でも十分に合格を目指すことができるというメリットがあります。

以上をまとめると、教養区分を受験することで、

  1. 国家総合職試験に合格するチャンスを増やせる
  2. 民間企業と併願しやすくなる
  3. 4年生は就職の時期を遅らせずに済む
  4. 短い準備期間でも合格を目指せる

というメリットがあることがわかりました。

教養区分とはどんな試験?

教養区分は、難関とされる試験です。

2021年度は申込者数3084人に対し最終合格者数214人の倍率14.4倍と非常に競争率が高くなっています。

では、教養区分はどのような試験内容になっているのでしょうか?

一次試験と二次試験に分かれています。

一次試験は「基礎能力試験Ⅰ部」「基礎能力試験Ⅱ部」「総合論文試験」
二次試験は「企画提案試験」「政策課題討議試験」「人物試験」

から成ります。

一次試験に合格しなければ二次試験に進むことができませんが、総合論文試験は一次試験の合否判定に用いられず、合否判定は基礎能力試験Ⅰ部とⅡ部の得点のみで行われます。

総合論文試験の得点は、二次試験に進んで初めて合否判定に用いられるのです。

また、これらの試験とは別に、TOEICやTOEFLなど外部英語試験の結果に応じて別途15点〜25点の加点を受け、合否判定に用いることができます。

一次試験

一次試験は、教養区分最初にして最大の関門です。

2021年度は一次試験受験者数1,973人に対し合格者数329人の倍率5.9倍と、後述の二次試験より遥かに高倍率になっています。

基礎能力試験Ⅰ部とⅡ部は、どちらのマークシート式の試験です。

Ⅰ部では「文章理解」分野から8題「判断・数的推理(資料解釈を含む。)」分野から16題を、試験時間2時間で解きます。

Ⅱ部では「自然科学」「人文科学」「社会科学(時事を含む。)」の分野から各10題の計30題を、試験時間1時間30分で解きます。

総合論文試験は、与えられた課題に沿い試験時間4時間で小論文を作成する試験です。

課題は2問出題され、1つは「政策の企画立案の基礎となる教養・哲学的な考え方に関するもの」、もう1つは「具体的な政策課題に関するもの」となります。

二次試験

一次試験合格者が受験できる二次試験は、2021年度は二次試験受験者数315人に対して最終合格者数214人の倍率1.47倍と、倍率はさほど高くありません。

もっとも、過酷な一次試験を通過したとしても半分ほどは不合格となってしまうのですから、油断は出来ない試験です。

企画提案試験は、小論文作成とプレゼンテーション・質疑応答を組み合わせた試験です。

まず、与えられた課題と資料に基づき、課題の解決策となる政策を企画し、2時間で小論文にします。

その後、個室で試験官に対し企画した政策をプレゼンし、試験官と質疑応答を行います。

プレゼンと質疑応答の時間は合わせて概ね30分程度です。

政策課題討議試験は、グループディスカッションが中心となる試験です。

まず、与えられた政策課題について、自身の考えをまとめたレジュメを20分で作成します。

その後、6人ほどのグループでレジュメに基づきグループディスカッションを行います。

グループディスカッションの時間は概ね1時間程度です。

人物試験は、面接試験です。

事前に「面接カード」というエントリーシートのようなものを作成しておき、当日は面接カードに基づき30分程度の面接を行います。

合格から採用まで

教養区分に合格すると、直ちに国家公務員になれるのでしょうか?

実はそうではありません。

別途「官庁訪問」を行い、省庁に採用されることで国家公務員になるのです。

官庁訪問とは、例年6〜7月頃に行われる、国家公務員試験合格者を対象として省庁が行う採用活動です。

合格者は期間中に志望省庁を訪問し面接を繰り返し、採用内定を得ます。

採用にあたっては、省庁によって試験区分ごとの採用予定人数を設けています。教養区分は殆どの省庁で採用予定があり、多様な選択肢の中から希望省庁を選ぶことができます。

省庁に採用された後は、いよいよ国家総合職の公務員として働き始めることになります。

採用後の配属等は各省庁によって異なりますが、基本的には特定の職務に従事するのでは無く、様々な部局間を異動しつつ経験を積みながら、国の政策の企画立案に携わることになります。

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