司法試験の選択科目を何にしようか迷っていませんか?
色々あるけど何が自分に合っているか分からない、どうやって決めたらいいか分からないなど漠然とした不安があるかと思います。
そこで、今回は選択科目のひとつ、『租税法』の特徴やその勉強法を紹介します。
これを読んで少しでも司法試験の選択科目の決定に役立てば幸いです。
また、既に租税法を学ぶことを決めている方や、最近学び始めた方にも有益な情報を提供します。
租税法の特徴
租税法の問題は、所得税法がメインで、所得税法と関係する範囲で法人税法及び国税通則法からも出題されます。
企業にとって租税についての問題は重大な関心事であるので、租税法は実務上極めて重要です。
また、特に弁護士になった後は、個人事業主となることが多く確定申告を自ら行う必要が出てきますが、その際にも租税法の知識があると助かるでしょう。
租税法は、税に関する法律であるので、法改正が頻繁にされるという特徴がありますが、司法試験の出題にはあまり影響しないので安心してください。
司法試験の受験者数のうち、租税法を選択する者の割合は約8%程度と少なく、第6位の科目となっています。
したがって受験生同士の情報交換にはやや苦労するかもしれません。
しかし、租税について深く理解している法曹はそれほど多くなく、興味をもって学習すれば大きなアドバンテージになることでしょう。
特に、ある取引をする際に、税法的な観点からアドバイスをすることができると、企業のお客様たちには重宝されます。
租税法の勉強法
試験で問われること
租税法の試験では、所得税法とそれに関係する限度で法人税法及び国税通則法から2題出題されます。
そのうちメインの出題範囲となるのは所得税法です。
さらに、その所得税法の中でも「所得分類」の問題が頻出です。
また、解答に当たって「根拠条文と理由を付して答えなさい」や「最高裁判所の判例を参考にして」などの指示が付されていることが多いです。
効率的な勉強法
租税法の試験においては、近年は法人税法からの出題割合が増えつつありますが、依然として所得税法からの出題がメインになります。
したがって、まずは所得税法をマスターすることから勉強を始めていきましょう。
その上で、法人税法との異同を意識して関連法令の勉強を深めていくのが効率的です。
また、租税法は選択者が少ないうえに、教材も充実しているとは言い難い科目です。
したがって、独学よりも予備校などを利用して勉強することをオススメします。
租税法は、他の選択科目に比べれば覚えることが比較的少ないため、暗記を苦手とする方にも向いているといえます。
さらに、租税法は学説上の争いは少なく、判例を正確に理解すれば合格答案を書くことができることも多いです。
そのため、判例の学習は必須といえます。
※関連コラム:【司法試験・予備試験】選択科目ごとの合格率・難易度を解説!
租税法が向いているか確かめるには?
テキストに目を通して興味を持てるか
選択科目を決定するに当たっては、学習のモチベーションを維持できるかが重要です。
この点、『租税』と聞いて興味を持てるのか、なんとなくめんどくさそうだなと感じるのかは意外と重要です。
まずは租税法に興味を持てそうか、司法試験の過去問を見たり、入門書に目を通してみたりして確認してみましょう。
また、租税法は覚えることが少ないため、暗記があまり得意ではないという受験生に向いているといえます。
ダブルライセンスを目指しているか
さらに、租税法は、簿記などの資格を保有している方であれば特に取り組みやすい分野でしょう。
もっとも、司法試験の問題では会計学の知識は必要とされていないので、計算が得意でなくても特段心配はいりません。
その上、租税法を学習すれば、公認会計士や税理士としての資格を取得する際にも有利に働きます。
したがって、将来これらのダブルライセンスを取得したいと考えている方にもオススメの科目です。
租税法は現在は選択者が少ないですが、積極的に興味をもって学習することで、他の人にはない自分だけの強みを身に付けることができるでしょう。