1996年のフジテレビ系「LOVE LOVE あいしてる」の放送開始以来、オリジナルバンド「LOVE LOVE ALL STARS」で音楽監督を務める武部聡志氏(65)がスポーツ報知の取材に応じ、歴史を共にしたレジェンドへの思いを語った。
拓郎とは同番組を通じて知り合い、全国ツアーにバックバンドとして帯同し、アルバム「AGAIN」(14年)などのレコーディングに参加。プライベートでは家族ぐるみの付き合いがあり、親交は四半世紀以上に及ぶ。「アーティストとしてだけでなく、音楽業界にとっても偉大な功績をあげられた。男らしいイメージがあるかもしれませんが、拓郎さんは周りに対する細かな気遣いを忘れないし、すごく繊細でピュアな方。その繊細な部分が一番の魅力です」と語った。
この日番組で披露したのはテーマソング「全部だきしめて」など6曲。「最後に懸ける思い、情熱を受け止めて、何でもそれに応えるんだ!と心に決めていました。最大限のサポートをしようとキンキとも話をしていました」
フィナーレで披露した「Sayonara あいしてる」は、今回のために拓郎が作詞し、KinKi Kidsが作曲した3人による初の合作曲。楽曲の最後に「forever」のコーラスを入れたのは、拓郎が収録当日になって提案したアイデアだった。
「みんなで〽forever LOVE LOVE あいしてる―と繰り返して終わる。『この番組は終わってしまうけれど、みんなの心の中に永遠に残っていく』というメッセージを込めたんだと思います」
番組は2001年にレギュラー放送が終了。17年の特番を経て、今回5年ぶりに再集結した。「世代を越えた友情でつながっている仲間たちの集まりなので、温かい雰囲気の収録でした。収録後も名残惜しくて、みんな思い出話に花を咲かせていました。寂しさ、湿っぽさはあまりなくて『拓郎さん、お疲れさま』という爽やかな感じでした」
吉田は年内で第一線から退く意向だ。武部氏は「これからの人生を楽しんでほしいです。フロントを退くかもしれないけど、音楽家であることに変わりはない。音楽が大好きな人。曲を作ったり、誰かをプロデュースしたり、何か音楽に関わる仕事をしてほしい。音楽そのものをやめることはないと信じています。まだまだ音楽を続けてください!そのためなら、僕は精いっぱいお手伝いしますし、サポートとしていきます」と話した。(加茂 伸太郎)