緋眼の人狼誕生 2022年版 |
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「ハァ、ハァ、ハァ……」 一人のシスターが城の中を走る。黒い修道服は己の血で汚れ、表情は苦痛と恐怖に染まる。 「どこか、どこかに解毒剤は……」 どうやら遅効性の毒に蝕まれているようだ。その証拠にどんどん走る勢いが落ちている。傷口の出血も増していた。 「チクショウ、何でこんな目に……嫌だ、嫌だ、嫌だあ……」 次第に迫る死に絶望する彼女。彼女は仲間達の犠牲の上に逃げてきたのだ。 「……私を雇いたいの?」 成人して間もないシスター、彼女はイザベル。冷めた態度だが真面目で信仰心の強いシスターであった。 「おう。あんたは優秀な光魔法の使い手って聞いたからな」 合う日教会に押しかけて来た三人の男女。そのリーダー格である剣士が勧誘してきたのだ。 「……なぜだ?」 「俺達はこれからスカーレットパレスの調査へ向かうんだ。そのためにあんたの力が必要だ これが彼女の仲間達との出会いであった。断るつもりでいたイザベルだが、不快にさせない断り方に少しばかり悩んでいた。それも真面目さゆえに。 しかしそれが結果的に旅立ちの原因となる。断る理由を考えている間に司祭長に話が通ってしまい、修業と称して彼らに同行することを命じられたのである。 彼らとの旅は決して初めから順風満帆とは呼べなかった。 リーダーの剣士は女好きで軽薄な男であり、度々イザベルに不純な誘いを持ちかけてくる。その度に断るにつれて、はじめは甘かった彼の態度もだんだん当たりが強くなりはじめ、ますます不愉快であった。 一方で魔法使いの男は嫌味なナルシストであり、アカデミーを主席卒業したことを鼻にかけ、教会の外での生活を知らないイザベルを何度もバカにした。 教会の中では決して出会うことのなかった不真面目な男達。そんな二人との旅が苦痛にならないはずがなく、二人への敵意は日に日に高まっていた。 同じ女性の武闘家とは比較的気があったのだが、二人に対してケンカ腰なことは咎められた。中立的な判断はできるが、やっぱり結局は付き合いの長い二人の肩を持つらしい。 そんな彼らの結束を変えたのは、目的地スカーレットパレスにたどり着く直前に起きた遭遇戦だった。 荒廃した無数の建物が連なるのは、かつてこの王国の城下町であった場所。ここに一匹の魔物が住み着いていた。 「…………」 「…………」 四人でガレキと化した建物に身を隠す。絶対に気が付かれてはならない。そのために息をひそめ、身を固める。 「城の前に、あんな魔物がいるなんて……」 立ちふさがるのは、青白く輝く稲妻の翼を持った幻獣。その名はサンダーバード。 その危険性は上級ドラゴンにも匹敵すると言われている。奇襲攻撃を受ければベテラン冒険者ですら命を落とす危険性が極めて高い強敵だ。 「あれを倒さないと城には入れなさそうだな……」 「でもあんなの、どうやって倒すのよ!? 武器は絶対届かないし、届いたとしても反撃の稲妻が……」 「おい、魔法でなんとかしてくれよ。撃ち落とせれば俺がなんとかするから――」 「おいおい、何言っているんだ!? 僕一人であんなバケモノに挑めって言うのか!?」 仲間三人が、対処法をめぐって激しい言い合いをしている。サンダーバードの真の脅威は雷撃ではない。翼による飛行能力である。 武器の届かないところから一方的に攻撃してくるというのは、それぞれが特異な能力を持つ幻獣の数々でも特に強力である。これが奇襲の成功率を激烈に引き上げるのだ。 ――だがイザベルは、この強敵相手に勇気をもって挑んだ。 「…………」 一人でガレキの影から出て、イザベルは迎え撃った。 正面から放たれる雷撃を前に、無防備に身を晒す。 「……フォース・フィールド!!」 だが、これこそが意図的に作り出した虚であった。防御魔法でとっさに身を守り、稲妻を弾き返す。 防がれてもなお、サンダーバードは猛攻を浴びせ続ける――だが、それは唐突に止んだ。 このチャンスを活かし、仲間の魔法使いが全力で魔法を放ったのである。無論、注意がそれていたサンダーバードはそれに直撃し、墜落した。 「今だー!」 そこを剣士と武闘家が追撃。頭を狙った拳と蹴りが標的を昏倒させ、その間に全員が各々の武器で猛攻を浴びせる。 ――結局サンダーバードは二度と空を飛ぶことはなかった。皆と共に掴んだ勝利によってイザベルはやっと、相手を仲間と認めることができたのである。そして仲間達も今になって心の底から彼女を認めたのであった。 仲間を奪ったのはドラゴンとその手下。ドラゴンには仲間を二人殺され、毒を浴びせられた。生き残った武闘家と共に逃げるも、その先でドラゴンが差し向けたアンデッドに襲われ、ここでも仲間を失い、ついに自分一人だけになってしまった。 仲間達のためにも生きなければいけない。しかし命の灯は消えつつある。持ってきた薬草は全てドラゴンの毒でダメにされた。魔法で自分を癒す力も残っていない。 ――もう打つ手はないのか。そう思っていた時だった。 『あなた、助かりたいのでしょう』 どこからか声が聞こえる。まるで頭の中から直接聞こえているような音。 『助かりたいなら血を捧げなさい』 再び聞こえる謎の声。一方的だが、彼女を助けようと思っての行動なのだろうか。 『さあ扉を開けて。私のところへ来るのよ』 ――文字通り、最後の希望が下りてきた。謎の助言に従い、彼女は扉を開く。 「……こ、ここは?」 かすれるような声を上げ、中を見回す。見たところここは寝室のようだ。しかし天井は赤黒く血に染まり、床には奇妙な棺桶が置かれている。 ここに声の主がいるのか。直感的に棺桶を開き、確かめる。 そこにあったのは女性の死体。首は外れていて、なぜか後ろ向きにされて胸元に当てられていた。 長く放置されていたのか、肌は干からびており、かつての面影を残すのは黒い後ろ髪のみ。 だがそれが実に不思議だった。なぜここまで干からびるほどに放置されているのに、髪だけは生きたままの美しさを保っているのか。髪も一緒にダメになっていないとおかしい。 「なに……これ?」 無論彼女も、この違和感に気が付かないはずがなかった。あまりにも歪な美しさに、苦しみすら忘れ見入ってしまう。 「うぐ……!!」 そこに襲い掛かる激痛。刃物で喉を斬られたかのような、鋭く耐え難い痛み。まるで口が血管の断面になったかのように、大量の血を吐き出してしまう。 「はぁ、はぁ……く、苦しい……」 もう今すぐにでも死にそうな程の出血。助かるには奇跡にすがるしかない程、重症であった。 「……あ」 下を見ると、吐き出した血が死体を汚していた。 「ごめんなさい、ごめんなさい……」 必死で謝る彼女。悪気がなかったとはいえ、死者を冒涜してしまった。これは聖職者として絶対してはならない行為。 『謝る必要はないわ。むしろありがとう』 また声が聞こえた。何も感謝されるようなことはしてないのに、なぜ礼を言われるのか 「おかげで300年ぶりに食事が出来たもの」 気が付くと死体は生きた人間のようにうるおいを取り戻していた。 血の汚れも完全になくなっている。まるで死体がそれを一滴残さず吸い上げたかのように。 「美味しかったわ、あなたの血」 胸に置かれていた頭を、手がひっくり返す。見えたのは赤い瞳を持った端正な顔。 「…………!?」 余りにも衝撃的な光景に後ろへ引く。無理もない。生首が言葉を話すなど絶対にありえないことだ 「そんなに怖がらなくてもいいじゃない。助けてほしいんでしょう?」 生首がさらに続ける それを聞いて彼女は自分がなぜこの扉を開いたか思い出す。 「どうやったら私は助かるの?」 「ふふ、簡単よ。それは私の眷属になることよ」 眷属になれ。普通に生きていれば絶対受けることのない勧誘だ 「まず私のことを話しておきましょうかしら。私の名はベアトリクス・イーダ・シェーンハイト。ヴァンパイアの始祖となった女よ」 その言葉が第二の衝撃となる。 ヴァンパイア、それは人間の血によって無限に近い命を持つ最強のアンデッド。魔物の中でも特に汚らわしいとされている存在。 「そんな……」 聖職者の彼女にその救いがいかに残酷な宣告か。考えるまでもないことであった。 「嫌なの?」 何の気遣いもなく、戸惑う彼女に声をかけるベアトリクス。まるで迷う必要のない選択とだとでも言わんばかりに。 「そんな、神の御心に背くような……」 「ふーん……」 露骨にがっかりするような態度。 「だったら勝手に苦しんで死になさい」 「ええ……?」 「あなたは生きるためにここまで来たのでしょう。なら生きる方法にいちいちわがままを言うんじゃないわよ。それとも化け物になるなら人間として誇り高く死ぬとか言うつもりなの? 死に怯える意気地なしのくせに?」 「…………」 ――ためらっていたら、再び喉が熱くなった。今度は地面に倒れ伏すほどの痛みが襲いかかる。 「ぐあああ……!!」 自分の吐いた血に顔が、髪が、視界が、何もかもが赤く染まる。 「さあどうするの? このままだともうすぐ死ぬわよ」 「……おね、がい。助けて……」 「……いいわよ。助けてあげる」 ベアトリクスは立ち上がり彼女の元へ向かう。そして何かの詠唱を始めた。 「……はい、これで大丈夫よ」 どうやら、術が利いたようだ。喉の痛みがみるみるなくなっていく。そして夢見心地な安らぎが、次第に彼女を包み込んでいった。 「目覚める頃には良くなっているわ。ゆっくり眠りなさい」 返事をする間もなく、彼女は眠りについた。 ――それからしばらく。彼女が眠りについてから三十分くらいたった頃。元から雲と吹雪に覆われた空は夜の闇に染まり、一層暗くなっていた。 「…………」 彼女はようやく目を覚ました。何か変わったような感じはしない。見かけだけは人間のままを保っているようだ。 「気が付いた?」 そこへ一気にベアトリクスが覗き込んでくる。 さっきまでと違い、首は胴体とつながっており、服も着ている。黒いレースを織り込んだワンピース姿。コサージュも薔薇をかたどっていて、かなり凝っている。 「フフフ……」 そのまま彼女は顔を近づけてくる。 「な、なに……?」 戸惑っていたら、一気に唇を奪われた。 「ふう……」 すぐに放してくれたが、驚きは消えない。今まで色気のない人生を過ごしてきた彼女にとっては、これが初めてのキスであった。 「どう? キスなんて初めてしたでしょう?」 そして予知かのように、それを言い当てられた。 「な、なんでわかったんだ……?」 「だってあなた、シスターなんでしょう? それにさっきの反応、修業三昧で女の子としての喜びに欠けた人生を過ごしてきたのが丸わかりよ」 ――その通りである。それがこれまでの彼女の人生であった。幼い頃から神殿に仕え、神に祈りを捧げ、神聖魔法の修行をする毎日。戒律で禁じられているわけではないが、恋愛などする余裕もなかった。 「まあ今のキスは助けてあげた対価ってことでいいわね」 ――仮にヴァンパイアにならずとも、恐らく一生誰にも捧げられることのなかったこの純潔。対価として安いのか、高いのか。そんなことを考える余裕は彼女にはなかった。 「そういえばまだ名前を聞いていなかったわね。何て言うの?」 「私は……イザベル。見ての通り……シスターだ」 「ふうーん」 さっきまでと違い、冷めた顔になる。感情表現が希薄な女だ。 「……どうした?」 「いや、別に。こんな敬語を喋れない子がなんでシスターになれるのか不思議に思っただけよ」 聞き飽きた言葉。冒険者になってから初めてパーティを組んだ時にも言われた。その度に彼女は聖職者に甘い幻想を抱いていると腹を立てたものだ。 「……悪かったな」 「いや、別にいいのよ。むしろ私はあなたみたいに生意気な子の方が好きよ」 ――女同士で好きと言われても嬉しくない。しかも好いてくれるところがダメなところだから余計に。 「だって他の誰にもなつかないような子が自分だけになついてくれるなんて最高でしょう?」 大した自信だ。そう思うことしかできなかった。 「そういえばあなた、どうしてこんなところまで来たの?」 狭い部屋で二人きり。静かな時間が過ぎる中、ベアトリクスが問いかける。この時彼女は自分の目的を思い出す。 「……そうだ、行かないと」 慌てて外へ出ようとするが、扉の方を向いた途端に後ろから組み伏せられる。 「うわ!?」 「こーら、質問には答えなさい。それが礼儀でしょ?」 優しい口調に反して強い力で締め上げてくる。それでもケガはさせないように加減しているようだが。 「わ、わかったから……放して……」 お願いしたら思わぬ程あっさり解放された。 「……さあ約束よ。私の質問に答えなさい」 もう完全に彼女に逆らえない立場になった。これがヴァンパイアの序列的社会。もっとも彼女の支配は格段に優しい方だが。 「……で、あなたは何をしにこの城へ来たの?」 「調査に来たんだ……中立地域になったこの辺りを取り戻すために……」 「で、なんで死にかけたの?」 「ドラゴンに毒を浴びせられた……仲間も二人殺されたんだ……」 「ふーん」 それを聞きつけ、彼女の顔が強張る。 「……どうしたんだ?」 「いーや、何でもないわ。勝手に住み着いた奴にちょっと腹が立っただけ」 何でもないと言いつつも不満は抱えているらしい。 「で、仲間は何人いたの?」 「三人……」 「もう一人は?」 「あいつの手下に襲われて、私を逃がすために……」 言葉を濁すイザベル。 「……で、なんで部屋を出ようとしたの?」 「……仲間達のところに行きたかった」 「…………」 始祖はピタッと笑いを止め、何かを考え始めた。 「……どうした?」 「わかったわ。だったら助けに行ってあげなさい」 それ以上は何も言うことはなく、始祖はイザベルを送り出した。かつて聖職者だった彼女が持っていた杖を返して。 「…………」 イザベルは今、仲間を奪ったドラゴンと対峙していた。 『ホウ、小娘ヨ。大した魔力ダナ。サッキとは魔法の威力がまるでチガウ。ワレの知らない間に何をしていたノダ?』 トゥリアドラゴン……それは一匹で三つの頭を持つ最強クラスのドラゴン。それぞれの頭が炎、冷気、毒のブレスを吐くために極めて危険度が高く、存在自体が災害と呼ばれる強大な魔物。そんなものと出会って即死を免れたイザベルは、一周回って幸運と言える。 再会した後のこの戦闘で、イザベルはドラゴンの攻撃を全て防いでいた。前の戦いは魔力が尽きるほどの猛攻を受けた後に、毒を浴びせられたが、今回は違う。それどころか防御の安定性もより向上していた。 『ソレニ、魔力だけではナイ』 再び屍に戻った己の手下を見下ろし語るドラゴン。その通り、強化されたのは魔力だけではない。これまでの道で立ちふさがってきた手下達に杖で抵抗した時、それは発揮された。なんと武闘家の攻撃すら耐えたオーガとトロールをベースに作られたアンデッドが、一撃で倒れ伏したのである。 『ダガ、ソンナ防戦一方ではワレを倒すことなどできんゾ?』 知らない内にベアトリクスに与えられた力、それは確実に彼女を強くしていた。だがそれをもってしても、相手を仕留めるには至らない。 現にドラゴンはまだ遊びの調子で向き合い、言葉を吐いている。当然であった。その傲慢な物言いの発端が自身の圧倒的な強さなのは、もはや説明するまでもない 「……守っているだけじゃ、ダメだ」 それでもイザベルは防壁を展開することで手一杯。チャンスを見計らって放った反撃もあまり有効打となっていない。 ――また私は負けるのか、そう彼女が思った時だった。 『グワッ』 唐突にドラゴンが崩れ落ちた。どこかから飛んできた、赫い鎖。それが一撃でドラゴンの首をはね落とす。炎を司る首と、氷を司る首が、地面に転がった。 「……えっ!?」 ドラゴンの後ろにいたのは、始祖ベアトリクスであった。その掌から鎖が放たれていたらしく、それが彼女の下へ戻っていく。気が付いたらそこにあったのは薄い傷口のみであり、それもすぐにふさがった。 「私の魔法でヴァンパイアとなった者は、己の死を克服し武器にする。それが呪血魔法。私は断頭台で殺されたことで、出血を克服しこのサングィスカレーナを得た」 語りながらドラゴンとイザベルの方へ歩み寄ってくる。 「さあ、今度はあなたの魔法を見せてあげなさい。かつて自分を殺した毒でそいつを殺すのよ」 ――そのために、毒の首だけを残したのか。イザベルはそれを瞬時に理解した。 「それにしても、トゥリアドラゴンなんて大物がいるとはねえ」 イザベルがトドメを刺したドラゴンを前に笑うベアトリクス。その中、イザベルは自分の仲間の亡骸を探していた。 「……よかった、みんなアンデッドにはされていない」 そこにいた仲間達はまだ死んだままの姿であった。 「……なあ」 ベアトリクスの方を向き、問いかけるイザベル。 「……どうしたの?」 「みんなもヴァンパイアにはできないのか?」 「ああ、それはさすがに無理」 返事は即答だった。 「……なぜ?」 「ヴァンパイア化の魔法は、生きている人間が死んだ時に発動する仕組みになっているのよ。死んでしまった人間を後から生き返らすことはできないの」 ――知りたくなかった真実。 「……ということは、私は一度死んだのか?」 「ええ。あなたが使った呪血魔法が毒を操る魔法なのは、生前の死因を克服したから。だからあのドラゴンを殺せるほどの魔法が使えるのよ」 「そ、そんな……」 ――自分は、自分が思っているよりも邪悪な魔物になっていた。それを知ったイザベルは、さっきまで喜んで獲物を殺していたのが嘘のように絶望する。 「……まあ、最初は辛いかもしれないわね。良心が痛む気持ちはわかるわ。でも、死ぬのは嫌でしょう?」 「……ああ」 「だったら前を向いて生きましょう。あなたは仲間達のために生きるって決めたのでしょう?」 「……みんなの分も生きるから、安らかに眠ってくれ」 仇は討った。失われた命は還らないが、これで心残りなく仲間達に祈りを捧げられる。 ヴァンパイアになってからも信仰を忘れなかった彼女は、無言で手を握っていた。たとえ人間であることを捨てたとしても、前を向いて生きる。仲間達の思いに答えるため。 ――それからいつか、簡素な彼らの墓を作った彼女は今も祈りを捧げているという。始祖の見る隣で…… |
如月千怜 2022年07月03日(日)16時25分 公開 ■この作品の著作権は如月千怜さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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2022年07月15日(金)18時41分 | 火宅遊 | 0点 | ||||
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初めまして。本日初めてこのサイトに書く火宅遊と申します。 感想を書く前に、私はこういう異世界ファンタジーというジャンルに対してかなり疎いので、見当はずれなことを書いてしまうリスクがあることをお伝えします。 筋はわかりやすかったです。仲間をドラゴンに襲われたシスターである主人公がヴァンパイアの始祖の眷属となることで力を得て、仲間の仇をとる、と、私は理解しました。 ただ、これは私の読み方の問題かもしれませんが、この小説によって何を伝えたいのか、テーマがわかりづらいとは感じました。 「人間をやめて生き延びるか? 人間であり続けようとして死ぬか?」という二者択一で主人公が葛藤するところがポイントなのでしょうが、そもそも「ヴァンパイアの眷属になることはシスターとしての道に背く」という葛藤の前提が、わかりにくいです。 この世界は異世界なのでキリスト教は存在しないはずですが、ではこの世界におけるシスターというのはどういう存在なのか? そもそもなぜシスターと呼ばれる存在が冒険に同行するのか?という疑問の方が先に出てきてしまい、お話に入り込めませんでした。 異世界に「サンダーバード」という、英語の名前を持つ生物がいるのも違和感がありました。 |
2022年07月06日(水)21時22分 | 如月千怜 | 作者レス | ||||
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どうも神原様、いらっしゃいませ。 今回も一番乗りありがとうございます。 まず初めに、内容の返信に入る前に少し最近の執筆の話をします。 後出しじゃんけんで申し訳ないのですが、今回の作品はあちらの方のコンテストで字数制限のある中執筆しました。(上限は一万文字で、増量する余裕はほぼありませんでした) ただ最近の私は、別の字数制限ありの作品でも「事情を知らないと前よりヘタになっている」ように見える作品が多いと思います。 ですのでこれからこの手の作品をラ研で掲載する場合は「字数制限を撤廃する場合はどのように作り直すか」という目線で皆様の感想を参考にしたいと思います。 それでは内容の方の返信に入ります。 ・キャラクターの話 >ベアトリクスは読んでいて魅力あるキャラに見えますが、イザベルの方はと言えば、助かりたい、仲間を救いたいと言う欲求が生まれる様な戦いが一度だけと言うのも思い入れが無さ過ぎて共感出来ないと思います。 なんと……この時点で新装版のコンセプトが崩壊しましたね…… 実はこの新装版、神原様と全く逆の意見を出した人の感想をベースに執筆したものなんですよね。 その人からはベアトリクスに魅力が見いだせないからイザベルの出番を増やせと言われました。 それとは別件ですが、向こうの方で感想を書いて頂いた方達からも人気はイザベルの方がはるかに上でして、それで私は「イザベルの方が人気なら、作品自体の注目度を上げるためにもベアトリクスの出番を減らそう」と考えたわけです。 ですがそれで待っていたのは今までで一番不振に終わったPVとポイントでした…… ベアトリクスの方が好きだと言ってくれる人と出会ったのはかなり久々で嬉しいです。 ただ今回のイザベルの作り直しは、残念ながら失敗しているみたいですね。 正直イザベルに関しては、私にしては珍しくかなり嫌いになっている自作キャラでして、今回の作り直しも先述したコンテストがなかったら実現しなかったくらいには嫌いです。 出番を増やせば人気が出ると信じて作り直したのに盛大に裏切ってくれたので、このキャラはもう作り直したくないですね。 ベアトリクスを再登場させるとしても、別の世界感の新作で再登場させることになると思います。 サンダーバード戦を追加したこと自体は有意義なことでしたが、それでも尚イザベルのキャラを立てるには不足が目立つとなると、もう諦めて新しい作品を作ることにします。 ・戦闘シーンに関して ここは昔と比べてもかなり雑になっていると思います。ここは字数制限を考えてももっとどうにかした方が良かったです。 5年くらい前に二次創作を書いていた頃は一回の戦闘シーンだけで一万文字書いていた時もあって、その頃と比べたら豪快さというか、書き手の胆力というものがなくなっているような気が、自分自身でもしているのですよねえ…… その作品は技術的に旧式すぎるので、再掲載するのは難しいのですが、それを見て神原様がどう評価してくれるのかに関しては、ちょっとだけ気になります。 ・地の文の話 やっぱりこの辺りは、ところどころ雑になっていますよね…… 一人称でばかり書いていて、三人称の書き方を忘れているような感じがします。 一人称で不都合がない作品は一人称で書いた方がいいのかもしれませんね。 |
2022年07月06日(水)11時52分 | 神原 | 0点 | ||||
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こんにちは。 うーん、難しいですね。こうした物語で私ならやらない事と言えば、戦闘を簡略化しすぎる事だと思います。 これは以前も言ったと思います。どう戦い、どう勝ったのか? それとも負けたのかが省略されてしまうとせっかくのキャラの見せ場が消えてしまうと思ったり。 ベアトリクスは読んでいて魅力あるキャラに見えますが、イザベルの方はと言えば、助かりたい、仲間を救いたいと言う欲求が生まれる様な戦いが一度だけと言うのも思い入れが無さ過ぎて共感出来ないと思います。 後何か昔の悪い癖が出ている気もします。たとえば↓ ≫――結局サンダーバードは二度と空を飛ぶことはなかった。皆と共に掴んだ勝利によってイザベルはやっと、相手を仲間と認めることができたのである。そして仲間達も今になって心の底から彼女を認めたのであった。≪ ここ人称がぶれてます。前半はイザベルの視点。後半は仲間達視点。と言うか前後半で神視点になっているような。 それだけではなく、全体的に説明的な文章が気になりました。説明的と言うのは説明でもなく描写でもありません。それがたまに顔をだしています。 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 以上から私は0点~10点の間かなと思えますので、それを置いていきたいと思います。 今日この作品に気づきました。短編の間はしばらく開けてなかったので。これからもがんばってください。 |
合計 | 3人 | 0点 |
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