「複雑な家庭環境で暮らしてきた山上容疑者に助けを求める場があれば、状況は変わっていたかもしれない」……そう話すのは、10代の“行き先”を一緒に考える相談窓口「ユキサキチャット」を運営する今井理事長だ。
不登校などの学校の悩みや家庭の経済的な問題と直面する若者が気軽に思いを打ち明けられるように、LINEを利用した窓口を設けている。
【映像】「山上容疑者に助けを求める場があれば」若者支援団体が目指す社会
去年は、コロナ禍で困窮する家庭の若者など約1000人に食料や現金を支援した。今井さんは、今回の事件を受けて「困っている若者が救われる場が必要だと改めて感じた」と明かす。
「(宗教団体に)多額の献金をしていて、子どもは働いているが、親にそのお金を取られるというケースを見聞きしている。それがきっかけで一人暮らしせざるをえなくて、家を逃げ出したという話もよく聞く。一切宗教を否定するつもりはないが、そういったことが原因で親子関係が悪くなったり、親御さんの搾取により子どもの権利が守られなくなったりする」(NPO法人「D×P」・今井紀明理事長、以下同)
数は少ないものの、「家族が信仰する宗教が発端となった金銭的な悩みを抱えている子どもは実際にいる」と話す今井さん。一方で、悩んでいても声を上げられない現状もあるという。
「特に若い子は、電話相談や行政の相談(方法)がそもそもわからない。もしくは、相談したくない。アクセスの問題として、なかなか行政や民間のNPOとつながれないこともあると思う。困っているときに(相談しやすい)雰囲気を社会が設計していかなければいけない」
山上容疑者の母親が当時の統一教会に入会したとされる1990年代。今井さんは「10代だった山上容疑者が悩みを抱えていたとしても、今のように打ち明けられる場所は整っていなかった」と指摘する。その上で、今ある支援窓口を周知し、悩みを抱えた若者を1人でも多く救える社会にしなければならないと訴える。
「孤独対策の一環で、チャットボットのようなわかりやすいツールもあると思うが、制度の中にはわかりにくい説明もある。若者に周知すること、そしてそれをわかりやすく説明することを強化していく必要があると思う。そこで、より重要になってくるのはリーダー。首長や政府の大臣レベル、首相が『助けてと言ってほしい』と大きなメッセージを繰り返し出していくことだと思う。社会の雰囲気が変わってくるので、リーダーが発言することが大切。過去は変えられないが未来は変えられると思うので、私たちが『助けて』と言いやすい社会にしていく。自己責任を押し付けるのではなく、社会を変えていくことを目指していく必要がある」
(『ABEMAヒルズ』より)
























