どうせ清書するのだから最初から
PCで描けば良いのに、という話
ではあるのだが、フリーハンドで
まず描いてからという習慣は抜け
ない。
こういうお遊びもフリーハンド。
某先生のタッチで描くお噺。
昔、何とか事件で防衛省で事務次
官もろとも更迭されちゃった奴は、
それ以前の日本初のPKO導入の際
にかなり世界を飛んで動いた奴だ
った。外務省に出向して北米二課
やヨーロッパ担当も歴任したいわ
ゆる「エリート」だった。
幼稚園から小学校時代の幼馴染で
親友だった奴だ。
お袋さんが国立大学の教授で帰り
が遅いので、あいつはいつもうち
でメシ食ってた。
うちはうちで、正座で親に挨拶、
のような家でしゃっちょこばって
羽根伸ばせないだろうに、うちで
寝食共にしたり兄弟のように育っ
た。
あいつは幼稚園の頃から漫画描く
のが得意で、頭抜けて上手かった。
私とも漫画交換日記みたいなのも
やっていた。
奴の作ったキャラで「スカタン」
という太ったリスのドラえもん
(まだこの世にドラえもんはいない)
みたいなのがあった。
スカタンはきちんとコマ割りした
漫画(鉛筆画)になっていて、かなり
面白かった。
ノートにびっしりと3冊位スカタン
シリーズがあった。
物語は『21エモン』みたいな話。
幼稚園から小2までの作品。
この世にはまだ『21エモン』も
『ドラえもん』も登場してはいな
かった。
私のほうは同時期に「もてもてくん」
という創作キャラで、新聞掲載の
四コマみたいなのを描いていた。
とぼけた勘違いのイタい奴が主人公
で、いろんな日常生活から社会と
のズレで笑いを誘うオハナシ。
奴は幼稚園の時から「総理大臣に
なる」とずっと言っていた。
「殺されるよ」と冗談で私は言って
た。
彼は東大落ちて義塾に行った。
湘南の高校時代は族車仕様のサン
パチに乗っていたが、偏差値は75
超えだった。
更迭で防衛省退職後の出馬の目は
閉ざされたようだ。
30才頃に話した時も、まだ総理大
臣になるとか言っていたが(笑
その時「殺されるよ」と言ったら、
「おまえ、確か小学生の時もそれ
言ってたなぁ」と笑っていた。
今、もうマンガは描いてはいない
だろう。
バイクにも乗ってないだろう。
小泉純一郎氏の長男が、父親が
総理大臣になった時、「いつが
殺される日が来るかも」と覚悟
したという。
これ、国の宰相の家族として当然
の心構えのように思えた。
それを非現実的とか思うほうが
平和ボケしていると思う。
今思うと、私の幼馴染の更迭マンは
立ち居振る舞い、若い時の風貌、
発言の張りと歯切れの良さは小泉
純一郎氏の次男の現職議員にとて
も似た感じだった。
フリーハンド。
これ、生き方として結構大切なんだ
けどなぁ。