(鬱の自覚ー1からの続き)
私は、「今なら話を聞いてもらえるかも。」という気持ちになり、今まで言いたくてなかなか言えなかった事を伝えてみました。
「もし、私があなたを苛つかせる存在になっているんだとしたら、しばらくホテルで1人で生活してみたらどうかな。私が出て行ってもいいけど、そうしたら子供達をみないといけないから大変でしょう。」
彼は無言でした。
私「それが嫌だったら、せめて一緒に通勤するのをやめて、1人が車で、1人が電車で通勤したらどうかな。」
彼「それは僕が君と一緒にいなくて済むからってこと?」
私「うん。それに、私も、自分が嫌われているなと感じながらずっと一緒に車の中で耐えるのは辛いし。」
彼は、答えませんでした。
翌日、いつものように家族全員で車に乗り込み、デイケア → 小学校と子供達を送りました。
小学校を出てから職場までは彼と二人きりで30分ほど車の中で過ごすことになるのですが、この時間が私にとっては最も辛い時間の一つになります。
調子のいい日は会話があるのですが、そうでない日は、彼は体ごと窓の外の方向を向き、できるだけ私から離れたいと思っているかのようにずっと窓の外を向いて押し黙っています。
しばらく会話していても、私が地雷を踏んで一瞬でそのような状態になるときもあります。
私はそのような状態の彼に声をかけ続けるのにも疲れ、沈黙しながら車を運転します。
私は胸が張り裂ける思いで、何度か別々に出勤する事を提案したのですが、その度に
「君とは話をしたくないけど、通勤は今のまま一緒にしても構わないよ。」
というような事を言われて有耶無耶になっていました。
「いつからか君と話をしたくなくなった。」という言葉は、ここ数カ月間で何回か言われ、その度に傷ついてきました。
「なぜそんな嫌いになった相手と一緒にいられるのか。子供の為という義務感だけでこのまま十何年かは一緒にいようと思っているのか。」
などと思いながら、私は彼の真意を測りかねていました。
職場の友達からは、
「彼にとって、今はあなたが唯一不満をぶつけられる相手だから、あなたに怒ったり、ひどい言葉を言ったりするんだ。」
と言われて励まされてきました。
私は、
「そうかもしれない。私を嫌いと思うのは自分の不満を私にぶつけたいだけで、でもそれを自分でも気づいていないのかもしれない。
しばらくは心に余裕がないから自分で気づく事はなさそうだけれど、いつか何十年後かたって私が死ぬかなんかした後に、どれだけ私が頑張っていたか気づいて、後悔してくれたらいい。」
という風に思う事で、自分を保ってきました。
でも、その日は「もうこれ以上耐えられない。」と感じ、彼に話を切り出しました。
「昨日言った別々に出勤する話、本気で考えてもらえないかな。お互い、1人の時間がとれた方がいいと思うし。」
彼は無言でしたが、私は話をつづけました。
「もしあなたが私を必要とするんだったら、私ももうしばらく頑張るけど、あなたが私を嫌いで、苛つかせるだけの存在だと思っているんだとしたら、私はしばらく離れていた方がお互いのためにいいと思う。
今までにも何回か打診したけど、あなたはいつも『このままでもいいよ。』って返事をして、そのまま一緒に通勤してきた。けど、どちらでもいいんだったら、私は離れたい。
あなたが『一緒に通勤した方がいい、一緒に通勤したい。』って言うんだったら、これからもしばらくは耐えて一緒に通勤する。
新婚の時から、私が何か聞くと、『〇〇でもいい』って言うことが多くて、『〇〇がいい』って言うことはほとんどなかったよね。
あなたにとっては大した違いと思わないのかもだけど、私はそれがいつも嫌で、最初の頃はその言い方を改めるように求める事もあった。
最近は諦めていたけど、でも今回は私も心の余裕がないからはっきりさせてほしい。
『一緒に通勤したい』じゃなくて、嫌だけど電車代か何かを気にして『一緒に通勤してもいい。』っていう考えなんだったら、私がこれ以上は耐えられないから、別々に通勤してほしい。」
(鬱の自覚ー3に続く)