ナカムラケイタのエッセイ配信

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”仕事でキラキラしてる人を見ると羨ましいですが、特にやりたいことはありません”
keitanakamura.substack.com

”仕事でキラキラしてる人を見ると羨ましいですが、特にやりたいことはありません”

ナカムラケイタのお悩み相談室 vol.03

中村佳太|Keita Nakamura
Feb 1
5
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”仕事でキラキラしてる人を見ると羨ましいですが、特にやりたいことはありません”
keitanakamura.substack.com

こんにちは。中村佳太です。

前回の配信からしばらく間があいてしまいました。1月は本当に色々なことがあって、なかなかにジェットコースターな日々だったのですが、そのことについてはいつかまた書くかもしれないです。

あと、このニュースレターをはじめて一年が経ちました。いつも読んだり聴いたりしてくださっているみなさん、本当にありがとうございます。これからも自分のペースで続けていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、今回もいただいたお悩みにお答えします。お悩みは常時募集中ですので、これを読んだ方で「自分も相談してみよう」と思った方は、「お便りフォーム」からお寄せください。お待ちしています。

では、今回のお悩みを紹介します。

仕事でキラキラしてる人を見ると羨ましいですが、特にやりたいことはありません。また限りなく事務に近いような仕事を10年以上続けていて、勝手知ったる感じなので転職も勇気がいります。ただこのままこの会社であと30年も働くイメージもなく…スキルも経歴も熱意もないアラフォーの独身女性はどうやってキャリアを描いていったらいいのでしょうか。
(さとー/東京)

「どうやってキャリアを描いていったらいいのでしょうか」とのご質問なのですが、正直困ってしまいました。。というのも、僕はこれまで一度も「キャリアを描いた」経験がないんです。

僕はさとーさんと同世代で、これまで何度かキャリアの節目のようなタイミングはあったのですが、そのときそのときで面白そうなものを選んできただけで、事前に将来のキャリアを描くということはしたことがありません。なので適切な回答ができるか不安ではあるのですが、相談文を読んで感じたことを書こうと思います。

◇

相談文は「どうやってキャリアを描いていったらいいのでしょうか」で終わっていますが、さとーさんの悩みの根本はここではないと感じました。悩みの根本は、最初の一文の「特にやりたいことはありません」の部分にあるのではないでしょうか。

「やりたいことがない」から転職にも本気になれないし、キャリアを描こうにも描けない。でも時間は過ぎていくので、不安は増していく。もしやりたいことがあれば、それが仕事であれ、趣味であれ、社会活動であれ、それに取り組むことで毎日が充実するし、「キャリアを描かなきゃ」というプレッシャーすら感じなくなるのではないでしょうか。

とはいえ、「やりたいこと」を見つけるって簡単ではないと思います。頭の中であれこれ考えてすぐ見つかるようなものでもないですしね。ただ、僕は比較的「やりたいこと」を上手に見つけてきた人間(コーヒー焙煎家とかニュースレター配信とか学生時代の宇宙の研究とか)だと思うので、その経験から「やりたいことを見つけるコツ」みたいなことをお伝えしてみようと思います。

<やりたいことを見つけるコツ①:自分の心の声に従う(練習をする)>

僕はさっき「そのときそのときで面白そうなものを選んできた」と書きましたが、ここでいう「面白そうなもの」って「やりたいこと」とイコールではないんです。なんというか、「心がそっちに動くもの」というか、「好奇心が顔を覗かせるもの」くらいのイメージです。

日々生活をしていて、ふと心惹かれたものとか、心に残り続けているものがあったとき、それをしっかり意識するところまで頭の中に持ってきて、「面白そう」と思ったらとりあえずやってみる。やってみて「やっぱ違う」と思ったらやめたらいいし、楽しんで続けていたらそれが「やりたいこと」だったことにあとから気づくこともあります。

ここで重要なのが、「自分の心の声に従う」ことです。「ふと心惹かれたもの」を「一時の気のせい」とか「自分には向いてない」とか「この年齢からやっても無理」とか、頭に湧いてくるそういう余計な考えを一切無視して、「自分の心の声に従う」ことが大事だと思っています。

僕は最近では、日常の中でも意識して「自分の心の声に従う練習」をしています。たとえばレストランで何を食べるか迷ったとき、「昨日〇〇を食べたから違うのにしよう」とか、「ここの名物は〇〇だから食べないともったいない」とか、そういうことを意識的に無視して「自分がいま食べたいと感じているのはどれか」に従うようにしています。

僕は思うのですが、現代人は「自分の心の声に従う練習」が足りなすぎではないでしょうか。多くの情報が溢れる中で、情報の収集や分析、それに基づく合理的な判断をすることが正しいと思い込まされている。「自分の心が欲するもの」に向き合う練習を続けていると、「やりたいこと」を見つけやすくなると思います。

<やりたいことを見つけるコツ②:過去の経歴に引きずられない>

たまに転職の相談を受けることがあるのですが、将来のことやこれからのキャリアを考えるとき、しばしば「これまでの経歴・経験を活かして・・・」というフレーズを聞きます。でも、このフレーズを聞くと僕は「過去に囚われているなぁ」と感じてしまいます。これから先のことには無限の可能性があるのに、「これまでにやってきたこと」などというすごく狭いものに囚われてしまうのはもったいないと思うのです。

僕自身、宇宙の研究をしていて就活でビジネスコンサルティングの会社を受けるとき、「宇宙の研究をしてるのになんでうちの会社を受けるの?」と言われて、内心、「これからやってみたいのがコンサルティングなだけで、いまやっている研究は関係なくない!? 」と思っていました。あと、コンサルタントからコーヒー焙煎家になるとき、周りの人から「これまでの経歴が活きない世界に行くなんてもったいない!」と言われたのですが、僕からしたら「これまでの経歴が活きる世界しか目指せないなんてもったいなくない!?」という考えでした。

さとーさんは「スキルも経歴も熱意もない」と書いてらっしゃいますが、それは「過去の経歴」の話です。これから取り組むことが新しいことであれば、そんなことはどっちにしたって何の関係もありません。

「これまでの経歴・経験を活かして・・・」という「過去に囚われる」発想を捨てれば、「やりたいこと」を見つけやすくなると思います。

◇

以上、僕が考える2つの「やりたいことを見つけるコツ」をご紹介しました。参考になったら嬉しいです。

最後に、長々と書いてきて今さらひっくり返すようで申し訳ないのですが。。「やりたいこと」がなくても、いまの社会で日々を淡々と生きることは、それだけでなかなか大変なことです。さとーさんが10年以上もひとつの仕事を続けていらっしゃることを、僕はそれだけで「すごいなぁ」と感じました。そのことをお伝えしておきたいです。

「やりたいこと」が見つかったらそれに越したことはないですが、そうでなくても、さとーさんの日々が楽しいものになることを願っています。

◎お便り募集中◎

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